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読むだけで甘い香りが漂ってくる『スイーツをテーマにした本』


 

今日は頑張ったなぁと感じる時や、ちょっと一息つきたい時など、無性にスイーツが食べたくなる瞬間ってありますよね。

今日紹介するのは『スイーツをテーマにした本』。

読むだけで甘い香りが漂ってくるような、とっておきの作品たちを揃えました。

 

作家の中の、ドーナツ好きが集まった!

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『なんたってドーナツ: 美味しくて不思議な41の話』
早川茉莉(編)、筑摩書房

ハチミツを思わせるキツネ色に粉砂糖の白、匂い、サクサクとした歯触り、丸い形、ふくらみ、真ん中の穴、言葉の響き、ドーナツは幸せを運んできます。材料が乏しかった時代の手作りおやつ、朝食用のドーナツが段ボールでロビーに置かれるホテル、小さな教会の日曜学校が出合った初めて目にするお菓子、哲学的思考を呼び覚ます穴の存在―、多くのドーナツ好きが文章を寄せてくれました。(表紙裏)

 

「ドーナツの思い出」「ドーナツの時間」「ドーナツの穴」「ドーナツの作り方」「ドーナツの物語」の5章から構成されるアンソロジー。

収録されているのは、村上春樹さん、角野栄子さん、いしいしんじさん、俵万智さん、江國香織さん、堀江敏幸さん、松浦弥太郎さん、北原白秋さんなど、錚々たる面々。全員に共通しているのが「ドーナツ好き」であること。

ドーナツの穴が哲学的であること、いろんな食べ方……ドーナツって奥が深いんですね。

母の味という視点から描かれた作品も多く、読むだけで幸せな気持ちになります。

 

気付くとケーキが食べたくなる……!

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『ラ・パティスリー』
上田早夕里(著)、角川春樹事務所

森沢夏織は、神戸にあるフランス菓子店〈ロワゾ・ドール〉の新米洋菓子職人。ある日の早朝、誰もいないはずの厨房で、飴細工作りに熱中している、背の高い見知らぬ男性を見つけた。男は市川恭也と名乗り、この店のシェフだと言い張ったが、記憶を失くしていた。夏織は店で働くことになった恭也に次第に魅かれていくが……。洋菓子店の裏舞台とそこに集う、恋人、夫婦、親子の切なくも愛しい人間模様を描く、パティシエ小説。大幅改稿して、待望の文庫化。(表紙裏)

坂の上に建っている洋菓子店『ロワゾ・ドール』を舞台にした、甘くほろ苦いパティシエ小説。

本書の特徴はなんといっても、ケーキや焼き菓子の描写がピカイチであること。「読むとスイーツを食べたくなる」というよりも「まるでスイーツを食べている」ような錯覚に陥るほどの鮮烈な描写には驚きました。

パティシエの世界の厳しさや経営事情など、シビアな面も忠実に描かれており、薀蓄という観点からも楽しめる一冊です。

 

豪華メンバーが贈る、和菓子がテーマのアンソロジー

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『和菓子のアンソロジー』
坂木司・小川一水ほか(著)、光文社

「和菓子」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか?読書家としても知られる『和菓子のアン』の著者・坂木司が、今いちばん読みたい人気作家たちに執筆を依頼。日常の謎を描くミステリーから、壮大な世界観を展開するSF、心温まる優しい怪談まで、さまざまな読み味の作品が揃いました。疲れたときに読みたくなる、宝箱のような一冊をどうぞ。(表紙裏)

「和菓子をモチーフに忘れがたい作品を」という坂木司さんのリクエストによって実現したアンソロジー。

坂木司さんの作品に加え、小川一水さん、木地雅映子さん、北村薫さん、近藤史恵さん、柴田よしきさん、日明恩さん、恒川光太郎さん、畠中恵さん、牧野修さんの作品が収録されています。

読むと和菓子が食べたくなるのはもちろんのこと、和菓子が『想像もつかない斬新な使われ方』をされているので読み応えは充分。

ミステリ、SFがお好きな方や、深い余韻に浸りたいときにお薦めの一冊です。

 

「3時のおやつ」の思い出ってありますか?

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『3時のおやつ』
平松洋子・大島真寿美ほか(著)、ポプラ社

子どもの頃にお母さんがつくってくれたケーキ、友だちの家でごちそうになった不思議なおやつ、どんなに豪華なお菓子より魅力的だったアレ…30人の人気クリエイターが、おやつにまつわる思い出を語ったエッセイ・アンソロジー。おいしい記憶がたっぷり詰まってます!(表紙裏)

「おいしい記憶は永遠です」というテーマのもと構成されたアンソロジー。

絲山秋子さん、加藤千恵さん、平山夢明さん、万城目学さん、益田ミリさん、宮下奈都さん、森見登美彦さん、山崎ナオコーラさん、柚木麻子さんなど、人気作家によるエッセイが存分に楽しめます。

3時はちょっとした魔法の時間。一人一人違う「幸せなおやつの思い出」のエピソードは、読者をあたたかな気分にさせてくれます。『3時のおやつ ふたたび』も一緒にどうぞ。

 

お菓子にまつわる、著者の自伝的小説

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『お菓子手帖』
長野まゆみ(著)、河出書房新社

この本は、ぜんぶが

すきとほったお菓子でできた、

あまくて なつかしいお話です

ことばの菓子司が贈る自伝風極上スイーツ小説(帯)

スイーツ好きで知られる長野まゆみさんによる、昭和のスイーツにまつわるエッセイ風小説。

ママ・レンジ、ジューC、ハイクラウンチョコレート……1959年生まれの長野さんと同世代の方なら懐かしく感じることでしょう。また世代が違っていても、チェルシーなど現在でも販売されているスイーツも取り上げられているので面白く感じるはず。昭和の情景にタイムトリップしたような不思議な感覚を味わうことができます。

ティールームへの憧れや、薄給なのに奮発して贅沢なスイーツを楽しむなど、スイーツ好きの方なら共感できる部分もたくさん。表紙の可愛さは、スイーツ同様に芸術品ですよ。

 

 

スイーツにまつわる読書体験を

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スイーツを食べながら読むのもよし、はたまたスイーツ代わりに作品を味わうのもよし。ぜひ愉しんでくださいね。

 

今回ご紹介した書籍

なんたってドーナツ: 美味しくて不思議な41の話』早川茉莉(編)、筑摩書房
ラ・パティスリー』上田早夕里(著)、角川春樹事務所
和菓子のアンソロジー』坂木司・小川一水ほか(著)、光文社
3時のおやつ』平松洋子・大島真寿美ほか(著)、ポプラ社
お菓子手帖』長野まゆみ(著)、河出書房新社


 

たくさんのスイーツが登場する少女漫画もおすすめです!

 

 

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。