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方言で華やかに!登場人物が関西弁で話す小説が面白い!


 

その地域特有の言葉やイントネーションなど、聞いていて楽しい『方言』。
なかでももっともメジャーな方言は、関西弁ではないでしょうか。

そこで、今回は、登場人物たちが関西弁で話す小説をご紹介します。独特な世界観を愉しんでくださいね。

 

 

ユニークすぎる世界観

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『乳と卵』
川上未映子(著)、文藝春秋

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。巻子は豊胸手術を受けることに取りつかれている。緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。夏の三日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂おしい交錯としての表現を極める。日本文学の風景を一夜にして変えてしまった、芥川賞受賞作(表紙裏)

第138回(2008年)芥川賞受賞作。
関西弁の1人称で描かれた口語調の文体と世界観がユニークなあまり、芥川賞の選考で評価が二分化された衝撃の作品。

結果的に芥川賞受賞となりましたが、当時の審査員の石原慎太郎さんは最後まで反対し「この作品を評価しなかったということで私が将来慙愧することは恐らくあり得まい」という言葉を残したのだそう。

樋口一葉へのオマージュが隠れているのも評価された点のひとつ。ぜひ読みながら見つけてみてください。

 

 

とあるローカル線で起きる、胸キュンストーリー

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『阪急電車』
有川浩(著)、幻冬舎

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。(表紙裏)

中谷美紀さん主演で映画化もされた作品。

舞台は、兵庫県を走る『阪急今津線』(路線距離:約10km・駅数:10駅)というローカル路線の駅。大学時代、この沿線に下宿していたという有川さんの思い入れがこの作品を生み出しました。

電車の中で生まれる恋、婚約者に裏切られた花嫁、彼氏から暴力を受けている女の子、主婦同士の付き合いに辟易している主婦など、一人一人のエピソードが心に染みます。登場人物たちが関西弁で話す姿は読んでいてほっこりしますよ。

 

 

ザ・関西弁を楽しめる!

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『浪花少年探偵団』
東野圭吾(著)、講談社

小学校教師の竹内しのぶ。担当児童の父親が殺された。家庭内暴力に悩んでいた児童と母親に嫌疑がかかるが、鉄壁のアリバイが成立。しかし疑念を覚えたしのぶは調査を開始。子供の作文から事件解決の鍵が、たこ焼きにあることに気づく。教え子たちを引き連れて探偵ごっこを繰り広げる痛快シリーズ、第一弾。(表紙裏)

2000年・2012年と2回テレビドラマ化されている作品。

東野作品のなかでも初期に発売されたことと、幼少期の思い出がベースとなった作品であることから、東野さんにとっては思い入れが強いシリーズなのだとか。

本書で描かれるのは大阪の下町にある小学校。ミステリー小説が大好きな6年2組の担任・しのぶと、小学生たちが繰り広げるドタバタミステリーは、爆笑しつつつい涙してしまうシーンも…。

ドラマでも話題になった「うちは大路のしのぶやで!」というキメ台詞が印象的な、いわゆる『コテコテの関西弁』を楽しめる作品です。

 

 

関西弁の掛け合いが軽快な青春ストーリー

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『THE MANZAI』
あさのあつこ(著)、ジャイブ

やたらと暑い十月最初の木曜日―転校生の瀬田歩は、サッカー部の次期キャプテンと噂される秋本貴史に呼びだされた。貴史とほとんど口をきいたことのない歩には、その理由がわからない。放課後の駐輪場で「なぐられっぱなしだけはいやだ」と唇をかみしめる歩。ところが、彼の耳に入ってきたのは、思ってもみなかった貴史からの申し出だった…。対照的なキャラクターの中学生が出会い、葛藤するさまを、繊細かつユーモラスに描いた青春小説シリーズ第一弾、待望の文庫化!(表紙裏)

シリーズ累計200万部突破の人気作品。

泣ける・笑える・ほっこりするの三拍子が揃った青春小説です。転校してきたばかりの主人公に『おまえは普通やない、おれにとっては特別なんや』と言ってのける貴史。傷ついた主人公の心が少しずつ回復していく姿には心動かされます。

また、登場人物たちの軽快な関西弁の掛け合いがクスリと笑えます。

なお、吉本興業のコンテスト『THE MANZAI』とは何も関係ありませんのでご注意ください。

 

 

非現実なのに、リアルな世界観

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『プリンセストヨトミ』
万城目学(著)、文藝春秋

このことは誰も知らない―四百年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京から来た会計検査院の調査官三人と大阪下町育ちの少年少女だった。秘密の扉が開くとき、大阪が全停止する!?万城目ワールド真骨頂、驚天動地のエンターテインメント、ついに始動。特別エッセイ「なんだ坂、こんな坂、ときどき大阪」も巻末収録。(表紙裏)

堤真一さん主演で映画化もされた作品。

滅んだと言われている豊臣秀吉の末裔を守る「大阪国」や、大阪国のプリンセスなど、奇想天外でコミカルな世界が愉しめる一冊。

実際にはありえない設定なのに「これってもしかしたら実話かもしれない」と感じてしまうリアリティ溢れる描写は、さすがの筆致です。

大阪城を中心に風景描写も多く、大阪に行きたくなる作品です。

 

 

関西弁の独特な世界観を愉しんで

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軽快な関西弁で描かれたこれらの作品を読むと、まるで大阪に旅行しているような気分になります。おすすめですよ。

 


今回ご紹介した書籍

乳と卵』川上未映子(著)、文藝春秋
阪急電車』有川浩(著)、幻冬舎
浪花少年探偵団』東野圭吾(著)、講談社
THE MANZAI』あさのあつこ(著)、ジャイブ
プリンセストヨトミ』万城目学(著)、文藝春秋

 

 

 

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。