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「きっと人生観が変わる!」おすすめの私小説・自伝本


更新日:2017/6/16

「きっと人生観が変わる!」おすすめの私小説・自伝本

今回のテーマは「人生観が変わる本」。

「人生観が変わる本」というと、読者のみなさんはどんな作品を思い浮かべるでしょうか?自己啓発書が頭に浮かぶ方が多いかもしれません。

 

しかし、このコラムでは、自己啓発書をあえて除きたいと思います。

みなさんに紹介したいのは「人生観が変わる私小説・自伝」。成功を収めた人たちの生きざまは、これからの人生を紡ぐ上でのヒントに繋がります。

ぜひ、これらの作品を読んで「人生観を変える読書体験」を楽しんでください。

 

彼女のイメージもきっと変わる
『ただの私』

『ただの私』表紙

ただの私
オノ・ヨーコ(著)、講談社

私はただ私でありたい、と思って生きてきただけ――。世界で1番多忙で有名な未亡人オノ・ヨーコが日本語で書き、語った正真正銘の1冊。亡き夫ジョンの思い出、愛息ショーン、そして世界中の子供たちへの熱いメッセージでもある。かつて、これほどまでも卒直に自分自身を語った人があるだろうか!!(表紙裏)

「私は美人で、頭も悪くないし、身体もいいし、幼い時から廻りの人に気を使って随分尽くす性だし…」という出だしから始まる本書。

これだけでもインパクトがありますが、読み進めていると度肝を抜かれます。

あまりの賢さに。「私は私でありたいだけ」というシンプルな願いに。物事の核心をぐさりと突く姿に。これまでの人生観が揺らいでしまいそうなほど、力強く説得力のある文章がここにはあります。

オノ・ヨーコさんといえば、ジョン・レノンの未亡人で、アヴァンギャルドなイメージが強かったのですが、良い意味でイメージを覆されますよ。

 

人生も豊かにしてくれる本 
『新訂 福翁自伝』

『新訂 福翁自伝』表紙

新訂 福翁自伝
福沢諭吉(著)、岩波書店

明治30年、福沢は速記者を前にして60年の生涯を口述し、のちその速記文に全面加筆をほどこして『自伝』を書きあげた。近代日本の激動期を背景に、常に野にあって独立不羈をつらぬいた精神の歩みが大らかに自在に語られている。語るに値する生涯、自らそれを生きた秀れた語り手という希有な条件がここに無類の自伝文学を生んだ。(表紙)

人生観を変えるだけでなく、さらに人生を豊かにしてくれる一冊。
生きていく上での金言が詰まっており、為になる作品です。

私はこの作品を読んで『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』の真意がようやく分かりました。

福沢諭吉の口述によって作られた作品なので、言葉使いもわかりやすく、『学問のすゝめ』は難解すぎて挫折した…という人でも、この本ならきっと読了できるはずです。

 

エネルギーがあふれている作品
『自分の中に毒を持て』

『自分の中に毒を持て』表紙

自分の中に毒を持て
岡本太郎(著)、青春出版社

みんなどうしても、安全な道の方を採りたがるのだけれど、それがだめなんだ。人間、自分を大切にして、安全を望むんだったら、何も出来なくなってしまう。計算ずくでない人生を体験することだ。―(中略)―

ぼくは、ほんとうに自分を貫くために、人に好かれない絵を描き、発言し続けてきた。

一度でいいから思い切って、ぼくと同じにだめになる方、マイナスの方の道を選ぼう、と決意してみるといい。必ず自分自身がワアーっともり上がってくるにちがいない。それが生きるパッションなんだ。(表紙裏)

自分の限界を超えたいと思う人に、おすすめの一冊。
”最大の敵は自分”だという精神を常に持ち、自分を極限に追い詰め、チャレンジすることが大切なのです。

特に『よく、あなたは才能があるから、岡本太郎だからやれるので、凡人には難しいという人がいる。そんなことはウソだ。やろうとしないから、やれないんだ。それだけのことだ』という言葉にはハッパをかけられました。

 

松下幸之助の自伝本
『夢を育てる 私の履歴書』

『夢を育てる 私の履歴書』表紙

夢を育てる 私の履歴書
松下幸之助(著)、日本経済新聞社

小学校を4年で中退して丁稚となった松下幸之助は、弱冠22歳でソケットの製造販売を始めた。以来、電器一筋に、「ナショナル」「パナソニック」という世界ブランドを育て上げ、「水道哲学」という独得の理念の下、積極的に社会への発言を続けた“経営の神様”の履歴書。(表紙裏)

日本経済新聞『私の履歴書』の連載をまとめた一冊。松下幸之助さんの一生を振り返った作品です。

「経営とは芸術なり!」。松下さんにとって、マネジメントや技術よりも、重要な原点とは何だったのでしょうか?
松下さんの視点や価値観、考え方は、仕事人としての世界観をぐんと広げてくれますよ。

 

若者の日常を強烈に描いた本
『限りなく透明に近いブルー』

『限りなく透明に近いブルー』表紙

限りなく透明に近いブルー
村上龍(著)、講談社

米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく――。著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継がれてきた、永遠の文学の金字塔が新装版に! 〈群像新人賞、芥川賞受賞のデビュー作〉(表紙裏)

芥川賞受賞作品。ベストセラーとして、300万部以上を売り上げている一冊です。

一言で言うと、強烈な作品です。自分のいる世界をまるごと覆してしまうような…。まさしく人生観が変わってしまうのです。そういった意味でも、一度読むと忘れられない作品といえるでしょう。

また、本書を読むときは、一文、一文を味わって読んでみてください。独特な言葉使いの中にある、美しさと静かな狂気を感じることができますよ。

 

人生観が変わる読書体験を

今回取り上げたのは、素晴らしい名著ばかり。ぜひ人生観を変える読書体験を楽しんでください。

【おすすめ記事】超豪華!有名な作家やタレントなどの「豪華すぎる対談集」

 

人生を変えた!? 読者アンケートで決定したもう一度読みたい本はこちら!

 

今回ご紹介した書籍

ただの私
オノ・ヨーコ(著)、講談社

新訂 福翁自伝
福沢諭吉(著)、岩波書店

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか
岡本太郎(著)、青春出版社

夢を育てる 私の履歴書
松下幸之助(著)、日本経済新聞社

限りなく透明に近いブルー
村上龍(著)、講談社