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コーヒーのおともに小説? コーヒーがモチーフのおすすめ小説


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小説のおともにコーヒー。コーヒーのおともに小説。
どちらが主役でもおかしくないコーヒーと小説。この二つは、切っても切り離せない抜群の組み合わせですよね。

そんな、コーヒー好きの読書家の皆さまにオススメなのが、コーヒーをモチーフにした小説。
単なる小道具としてコーヒーが出てくる小説ではなく、コーヒーがモチーフとなっている小説って意外と少ないんですよね。

どの作品もコーヒーの描写が多いので、コーヒーを飲みながら読むと、まるで疑似体験をしているような、不思議な気持ちになること間違い無しですよ。

 

 

島田 荘司『御手洗潔と進々堂珈琲』

『御手洗潔と進々堂珈琲』
島田荘司(著)、新潮文庫nex

かの有名な御手洗潔の若かりし頃(京大医学部時代)が描かれた作品。島田荘司さん・御手洗潔ファンはもちろん、世界中で起こっている社会問題に興味がある方に。

 

<あらすじ>

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京大を目指して浪人中のサトルは、京大近くの珈琲店「進々堂」で知り合った京大生と話すのがもっぱらの楽しみだ。彼の名は御手洗潔。世界中を旅し帰ってきたばかりで、色んな話をしてくれる。
そして、世界中に溢れる悲しい現実に直面した御手洗は……。

 

<読みどころ>

御手洗潔といえば謎解き、本格派ミステリですよね。しかし、この作品にはミステリ要素がほとんどありません。
代わりに描かれているのは、世界中にある差別や戦争、歴史などの悲しき現実。普段は聡明なキャラクターである御手洗潔が、社会的に弱い人たちに寄り添う姿には心を動かされることでしょう。

また、進々堂という珈琲店は実在します。この小説を読みながら、美味しいコーヒーとパンをいただきたいものですね。

 

 

池永 陽『珈琲屋の人々』

『珈琲屋の人々』
池永陽(著)、双葉文庫

東京の小さな商店街に住む人々が、珈琲屋で語った物語を7編収録した短編集。暗い中にも光がある人間ドラマがお好きな方に。

 

<あらすじ>

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珈琲屋の主人・行介は、悲しき理由のため殺人を犯し警察に逮捕された過去があった。
出所し、実家の珈琲屋のマスターとして働いていると、学生時代から密かに行介と思い合っていた女性・冬子が離婚してお店に来る。

「子供さえ、つくらなければ。私たち」。

二人は見つめ合うが、しかし、最後にはぞわりとするオチが待っていて……。(「初恋」より)

 

<読みどころ>

つらい過去を持つ登場人物たちの、何気ない日常が描かれた小説です。
どんでん返しあり、情感たっぷり、コーヒーのようにほろ苦い人間模様。人生の酸いも甘いも噛み分けた大人の読者にぜひ読んでほしい一冊です。

苦くて深いコクがあるコーヒーを飲みながら読むと、自分が「大人」になったことをつくづくと感じさせられることでしょう。

『珈琲屋の人々』のタイトルでシリーズ化されているので、気にいった方は続編もどうぞ。

 

 

獅子 文六『コーヒーと恋愛』

『コーヒーと恋愛』
獅子文六(著)、ちくま文庫

50年以上前に発行された、昭和の人気作家・獅子文六さんのユーモア溢れる恋愛小説。コミカルなドタバタ劇がお好きな方に。

 

<あらすじ>

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舞台は、テレビが売り出されたばかり、コーヒーが一般人に普及し始めた昭和30年代。ベテラン脇役として人気の女優・坂井モエ子(43歳)は、コーヒーを淹れることが得意。コーヒーが縁となり、8歳年下の劇団員の男の子と同棲をしていたが、ある若い女優に彼を奪われてしまい……。

 

<読みどころ>

ミュージシャンの曽我部圭一さん(サニーデイ・サービス)はこの小説を以下のように評しています。

読了された方は、この小説の持つ独特のヒップさを堪能されたことと思います。どのページからも、昭和のある時期の風景からのみ立ちのぼる洗練が顔をのぞかせています。進歩的でどこか柔和な、協調性をもったクールなライフスタイルというようなものです。携帯電話もパソコンも無い時代の濃厚でゆったりとしたコミュニケーションが、この時代を経験したわけでもないのに、ちょっとなつかしい気持ちになってしまったりするのは不思議です。

(解説 曽我部恵一 p392)

50年経った今読んでも古臭さは一切ありません。この時代に生きていたわけでもないのに、どこか懐かしく感じる、そんな人は多いはず。

普段はインスタントコーヒーで済ませている人も、時間をかけて美味しいコーヒーを淹れて飲みたくなる作品です。

 

片岡義男『豆大福と珈琲』

『豆大福と珈琲』
片岡義男(著)、朝日新聞出版

朝日新聞に1ヶ月だけ連載されていた作品をはじめ、スタイリッシュで奇妙な小説たちが収録された短編集。村上春樹さんのようなクセのある世界観がお好きな方に。

 

<あらすじ>

子連れで地元に戻ってきた幼なじみと、主人公の男。子どもを優先し、二人は結婚をしないまま、新しく家族を作ろうとするが……。

 

<読みどころ>

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なんといっても装丁が美しいこの作品。目を引く装丁は、作品の中で描かれる、非現実的な世界観をあらわしているかのようです。
また、<小説的企み>がされていることも本書の醍醐味です。<小説的企み>とは一体何なのか?ぜひ確認してみてくださいね。

豆大福以外にも、いくつかの和菓子が登場します。本書を読みながら、甘い和菓子とコーヒーをいただきながら読むと、読書の楽しみがより倍増しますよ。

 

 

コーヒーを片手に味わってほしい小説

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私たちのライフスタイルに欠かせないコーヒーですが、これらの小説を読むと、また違った視点でコーヒーを愉しむことができるかも?

ぜひコーヒー片手に、独特な世界観を味わっていただきたいと思います。

 

小説の世界観をより味わうには…↓↓↓
本をより楽しく、コーヒーをより美味しく♪


■今回ご紹介した書籍

御手洗潔と進々堂珈琲』島田 荘司 (著)、新潮文庫nex
珈琲屋の人々』 池永 陽 (著)、双葉文庫
コーヒーと恋愛』獅子 文六 (著)、ちくま文庫
豆大福と珈琲』片岡義男 (著)、朝日新聞出版

 

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