夜眠れなくなる!一気読みしたい小説おすすめ10選
展開が気になって途中で止められず、時間を忘れて読み続けてしまうような小説に出会った体験が一度はあるのではないでしょうか。今回は、ファンタジーからミステリー、歴史ものまで幅広く、読む手が止まらず夜更かししてしまうような小説をご紹介します。
最初から最後まで目が離せないミステリー!
宮部みゆき『火車』
『火車』
宮部みゆき(著)、 双葉社ほか
いくつもベストセラーを出している宮部みゆきさんの中でも、「スピード感がありのめり込んでしまう」ということで人気が高い作品が『火車』です。
失踪した女性を刑事が探っていきます。小説のカテゴリーとしてはミステリーに入りますが、「借金」「多重債権」といった内容を扱っていて社会的な側面も強く出ています。何度でも読み返したくなる名作です。
「暦」に人生をかける人々を描く熱い作品!
冲方丁『天地明察』
『天地明察』
冲方丁(著)、角川書店
『天地明察』の舞台は江戸時代。自分の仕事に打ち込めず、今でいう数学にあたる「算術」にのめりこんでいる侍が主人公です。
当時の「算術」は学者だけのものではなく、身分を問わず多くの人が熱中していました。
主人公の渋川春海は、その算術の能を買われて「暦」を改めるという国家的な計画に関わることとなります。主人公を取り囲む人物は、「算術」のライバルや、「暦」に人生をかける先輩たち、違う暦を採用させようとする勢力などと、時に主人公と対立し、はげまし、希望をくれる魅力的なキャラクター揃いです。コンピューターのない時代に、足で観測した情報と自分の頭だけで国家を動かす「暦」に挑戦する姿は心が熱くなります。
学生から大人まで魅了する壮大なファンタジー!
小野不由美『十二国記』
『十二国記シリーズ』
小野不由美(著)、講談社ほか
中高生のころに、この『十二国記』シリーズに出会って、翌日学校があるのについ夜更かししてしまったという人も少なくないはず。
「月の影 影の海」から始まる『十二国記』シリーズは、鮮やかに描き出される異世界、決してきれいごとでは終わらない物語、愛すべきキャラクター達によってたくさんの人々を魅了してきました。
人物がしっかりと描かれているので、感情移入しながら読むこともできます。シリーズで何冊も出ているので、ハマってしまうとしばらく戻って来られなくなるかもしれません。
世界に衝撃を与えた作品!
スティーグ・ラーソン『ミレニアム』
『ミレニアム』
スティーグ・ラーソン(著)、早川書房
『ミレニアム』は、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソン氏によって書かれたミステリーです。世界各国でベストセラーになり、日本でも人気を博しました。かつて月刊誌の発行責任者を務めていた主人公に、失踪事件の依頼が舞い込むところからストーリーが始まります。
スウェーデン人の登場人物たちの名前を覚えるのに少し苦労するかもしれませんが、だんだん覚えてきたころには続きが気になって仕方なくなるでしょう。第3巻の「眠れる女と狂卓の騎士」まで各上下巻というボリュームですが、ぐいぐいと読めます。作者が亡くなったことにより、4巻からは構想をもとに別の方が書いています。
青春を一緒に駆け抜ける!
佐藤多佳子『一瞬の風になれ』
『一瞬の風になれ』
佐藤多佳子(著)、講談社
さわやかな気分になりたいならこの『一瞬の風になれ』をおすすめします。高校生を主人公としたこの小説は、陸上を通して一度しかない青春を描く作品です。サッカーに挫折した主人公が陸上を始め、打ち込んでいく姿はつい同じ気持ちになってのめりこんでしまいます。文字を読んでいるだけなのに一緒に走っているような疾走感。全3巻を読み切れば、彼らの青春を一緒に過ごしたような気分になるでしょう。
心にしみる夏休み小説!
角田光代『キッドナップ・ツアー 』
『キッドナップ・ツアー』
角田光代(著)、新潮社ほか
夏休みの初日、私はユウカイされた。誘拐犯はなんと2ヶ月前に家から姿を消したお父さんだった。
なんとも奇想天外な設定が楽しいこの小説は、人気女性作家・角田光代さんの作品です。肝試しをしたり海水浴をしたり、自転車泥棒までしてしまう珍道中、子供のような頼りないお父さんとちょっとクールな女の子の非日常の夏休み。楽しいだけでなく切なさも感じられ、家族について考えさせられる話です。
音楽好きの人は必見!
宮下奈都『羊と鋼の森』
『羊と鋼の森』
宮下奈都(著)、文藝春秋
2016年の本屋大賞で大賞を受賞、さらに2018年6月に映画化されたことで、話題を呼んだ本作。
高校時代にピアノの調律師と出会った主人公は、調律師としての道を進み始めます。平凡な主人公が、先輩たちや音楽好きな双子の姉妹など、周りの人々との交流を通じて成長していく物語です。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。」という言葉は、進路に迷う若者の読者にも勇気と希望を与えてくれます。
大人の恋愛小説!
平野啓一郎『マチネの終わりに』
『マチネの終わりに』
平野啓一郎(著)、 毎日新聞出版
2015年から2016年まで毎日新聞の朝刊に掲載された長編小説です。
ギタリストの蒔野と通信社記者の洋子は、出会ったその瞬間から強く惹かれ合います。しかし洋子にはすでにアメリカ人の婚約者がいました。東京、ニューヨーク、パリ、バグダットと世界を舞台に繰り広げられるこの物語は、普通の恋愛小説を超えて、音楽、映画、社会情勢などいろいろな問題と絡められながら展開していきます。しっとりとした大人の恋愛小説です。
感動の青春物語!
森絵都『ラン』
『ラン』
森絵都(著)、角川書店ほか
主に児童文学を手がける直木賞作家・森絵都さんの『ラン』。
9年前に家族を事故で失い、入った大学も中退し、孤独な日々を送る主人公の女の子・環。唯一仲良くなった自転車屋さんからもらった手作りの自転車に乗っているうちに、異次元に迷い込みます。そしてそこには、死んだはずの家族が暮らしていて……。
少しSFタッチの設定にぐんぐん引き込まれる、感動の青春物語です。
人気のロングセラー作品!
筒井康隆『旅のラゴス』
『旅のラゴス』
筒井康隆(著)、新潮社ほか
人気作家筒井康隆さんの作品の中でも、多くの人に愛され続けている作品がこの『旅のラゴス』です。高度な文明を突然失い、人々が超能力を身につけた世界が舞台となっています。
主人公のラゴスがいろいろな人々と出会いながら、この世界をひたすら旅し続ける物語です。全体を通して感じられる不思議な異世界の中で、ロードムービーのように自分も一緒に旅をしているような気分になりますよ。
一気読み小説を読んでみよう!
一気読みにおすすめの小説をご紹介しました。一気読みできる作品を読み終わったときの、何物にも代えがたい満足感は読書ならではの体験です。作品の世界に入り込んで、主人公たちと一緒に過ごすぜいたくな時間をぜひ味わってみてください。
ご紹介した一気読み小説
『火車』
宮部みゆき(著)、 双葉社ほか
『天地明察』
冲方丁(著)、角川書店
『十二国記シリーズ』
小野不由美(著)、講談社ほか
『ミレニアム』
スティーグ・ラーソン(著)、早川書房
『一瞬の風になれ』
佐藤多佳子(著)、講談社
『キッドナップ・ツアー』
角田光代(著)、新潮社ほか
『羊と鋼の森』
宮下奈都(著)、文藝春秋
『マチネの終わりに』
平野啓一郎(著)、 毎日新聞出版
『ラン』
森絵都(著)、角川書店ほか
『旅のラゴス』
筒井康隆(著)、新潮社ほか
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