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東野圭吾の短編小説おすすめBEST5! 空いた時間に読むならコレ!


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社会派からお笑いまでバラエティに富んだ作品を、読みやすい文章でわかりやすく語るところが東野圭吾作品の魅力のひとつですね。

好きな作家の違う作風に触れるには短編小説がおすすめです。今回、空いた時間にサッと気軽に読める東野圭吾さんの短編小説をご紹介しますまだ読んでいない短編小説があったら、ぜひ読んでみてください。

 

大人も楽しめるジュブナイル・ミステリー『おれは非情勤』

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■『おれは非情勤』 / 東野圭吾(著)、集英社文庫

ミステリー作家をめざす修業中の「おれ」は、下町の小学校の非常勤講師。赴任して2日目に、女性教諭の死体が体育館で発見されます。謎のダイイングメッセージや受け持ちのクラスに漂ういじめの気配……。盗難、自殺、脅迫、そして毒殺未遂までと次々に起こる事件を、クールな非常勤講師が見事な推理で解明します。

『おれは非情勤』は、連作短編推理小説集です。1997年から1999年にかけて学研の小学生向け学習雑誌である『5年の学習』と『6年の学習』に連載されたものに大幅に加筆を加え、2003年に刊行。

ほか、2編のジュブナイル短編、「放火魔をさがせ」と「幽霊からの電話」も収録されています。複雑な要素が絡み合った怪事件の謎も、最後はスカッと爽快に解けていき、大人でも十分に楽しめます。最後の2編は「おれは非情勤」とは異なる味わいがあり、どれも読みやすく書かれていて肩の力を抜いて気軽に楽しめます。

 

「黒い笑い」がいっぱいの13編『黒笑小説』

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■『黒笑小説』 / 東野圭吾(著)、集英社文庫

作家の寒川は、編集者と一緒に文学賞の選考結果を待っていました。内心は賞が欲しくてたまらないにもかかわらず、小説は賞をもらうために書いているわけではないと格好をつけます。一方、編集者は作家の受賞を信じていることを熱心に伝えながらも、心の中では「賞は無理だな」とつぶやいて……。

そして遂に電話が鳴ります。
何回も候補になりながら、文学賞がとれずに、旬が過ぎた作家の根性を皮肉っている『もうひとつの助走』と『選考会』。新人賞を受賞、念願の作家デビューを果たし、舞い上がっている男を描いた『線香花火』と『過去の人』など。

編集者と作家たちの本音のバトルが伝わってきておもしろいです。喉から手が出るほど賞が欲しいのに、欲しくないと平静を取り繕っているベテラン作家。どうせ賞は無理と思いながらも受賞の連絡を作家と共に待っている編集者たちのやり取り。

また、不作の年にたまたま新人賞を受賞してしまい、すっかり作家気取りになり仕事を辞めてしまった男とそんな男を敬遠する編集者。東野圭吾さん自身も有名な賞をとるまで下積み時代が長かったようですが、この話は実体験なのかと想像してしまいます。

 

著者が「わけあり」と語る短編小説『あの頃の誰か』

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■『あの頃の誰か』 / 東野圭吾(著)、光文社文庫

メッシー、アッシー、そしてミツグ君という言葉が流行ったあの頃、誰もが華やかな好景気の中浮かれるように躍っていました。時が経った今、当時を振り返ってみませんか。
東野圭吾が描く「誰かの物語」はあなただったかも……。名作『秘密』の原型である「さよなら『お父さん』」ほか8編が収録されています。

バブル時に書いたものばかりで、単行本未収録だったため、著者はわけありと語っています。収録の短編の中の「再生魔術の女」は、テレビドラマの『東野圭吾ミステリーズ』で映像化されました。

 

加賀恭一郎シリーズの第6作嘘をもうひとつだけ

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■『嘘をもうひとつだけ』 / 東野圭吾(著)、講談社文庫

本作に収録されている5つの短編は、真実を追求する加賀と真実を隠そうと嘘をついている犯人との駆け引きが主題となっています。加賀の冷静な捜査に動揺しながらも、犯人は嘘を守り通そうとします。追い詰められた犯人が嘘をついてまで守ろうとしたものは、人の尊厳だったり、愛するものだったり……。

しかし、守るためについてきた嘘は大きなものを失うことに後から気づきます。人の哀しさのようなものを感じ、読み進めるうちに切ない気持ちになる作品です。

加賀恭一郎シリーズ(文庫版)セットはこちら

 

おかしな人間たちを描く傑作短編小説「怪笑小説」

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■『怪笑小説』 / 東野圭吾(著)、集英社文庫

本書は、ブラックでシニカル、怪しい笑いがいっぱいの9編からなる短編小説です。

27歳で江戸川乱歩賞を受賞し、ミステリーの世界に登場した著者が、異なる作風の小説を手がけ始めた頃に書かれた作品です。解説で、真保裕一氏が本書に似たタイプの作品が以後増えていくことを指摘しているように、この作品のあとに『毒笑小説』『黒笑小説』などが次々と刊行されていきますが、『怪笑小説』はその第一弾です。怪しい笑いに浸りたい方におすすめです。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。読んでみたい短編小説はありましたか。短編小説は、1冊の本の中で多彩な体験ができたり、1つの物語と思っていたらそれぞれ短編が繋がっていたりすることもあります。それは短編小説だからこそ味わえる面白さかもしれません。ぜひ、電車の中のお供として、気軽に読んで楽しんでください。

 

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