東野圭吾の泣ける・感動する小説おすすめ5選
東野圭吾さんはミステリー作家というイメージが強いですが、実際には謎解きやトリックの無い、人間ドラマを描いた小説も多く執筆されています。
ここでは、東野さんのミステリー作品や人間ドラマ作品から、泣ける・感動できる作品のおすすめ小説を5作ご紹介します。
『手紙』(2003年)
『手紙』
文藝春秋
逮捕された犯人と残された家族の交流と、家族が困難を乗り越えていく姿を描いた作品です。
二人暮らしの弟・直貴を大学に行かせたい一心で、兄の剛志は裕福な老人の家で強盗殺人に及んでしまいます。
獄中で罪を償う兄にとって、弟との手紙のやりとりが唯一の生きがい。しかし弟の人生は、「犯罪者の弟」というレッテルが付きまとい苦労の連続です。それでも、自分のためを思って犯罪に手を染めてしまった兄を捨てることができません。
そんな弟が最後に下す決断とは――。
家族の複雑な愛情を描いた内容に引き込まれます。もし自分が兄の、弟の立場になったら……涙が止まらぬ感動作です。
『容疑者Xの献身』(2006年)
『容疑者Xの献身』
文藝春秋
「ガリレオシリーズ」の3作目は、ガリレオこと物理学の助教授・湯川の大学時代の友人である天才数学者・石神の恋と献身の物語。
湯川と大学時代の友人で、湯川と並び天才といわれた高校教師の石神は、アパートの隣人である花岡靖子が前夫を殺してしまったことを知ります。
靖子に想いを寄せていた石神は、靖子とその娘を守るため、鉄壁のアリバイづくりに協力を申し出るのです。
草薙刑事から相談を受けた湯川が、石神のアパートを訪れます。2人は旧交を温めますが、湯川は次第に石神を疑うように……。
草薙刑事とともに事件の謎を解き明かした湯川が、断腸の思いでとった行動とは? 美しくもあまりに悲しい純愛に心が震えます。
『聖女の救済』(2008年)
『聖女の救済』
文藝春秋
「ガリレオシリーズ」の5作目で、今度は湯川が草薙刑事の恋を見守る物語。
パッチワーク作家の真柴綾音は、事件の被害者である夫・義孝と結婚するときに、ある約束をしていました。しかし綾音は、義孝がそうしないことを1年ものあいだ願っていたのです。
結果、義孝は毒殺されてしまいます。
捜査を始めた草薙ですが、綾音に強く惹かれる自分に動揺。湯川は、草薙の気持ちを知りながらも真実を追究し、ついに真相にたどり着きます。
最後にわかる作品タイトルの意味に、思わず「えーっ」と叫びたくなるかもしれません。
『真夏の方程式』(2011年)
『真夏の方程式』
文藝春秋
「ガリレオシリーズ」の6作目は、いつもクールな理系人間・湯川の温かな真情が胸を打つ感動作。
「子どもは論理的でないから嫌い」という湯川と、たまたま出会った小学5年生の柄崎恭平の掛け合いが楽しめます。
恭平の伯父が経営する旅館で宿泊客が死亡。初めは単純に見えた死ですが、実は過去の事件と深いつながりがあることが分かってきます。
湯川は「ある人物の人生がねじ曲げられるおそれがある」と言って捜査に加わりますが、そのある人物とは一体誰なのでしょうか?
『麒麟の翼』(2011年)
『麒麟の翼』
講談社
「加賀恭一郎シリーズ」の9作目。息子と正面から向き合う勇気の無い父と、何か悩みのある息子の物語です。
ある夜、1人の男がの何者かに刺されたのち、歩いて麒麟の翼像の前にたどり着き力尽き死んでしまいます。その男は建築部品メーカーの製造本部長・青柳武明でした。
誰が武明を刺したのか、武明はなぜ麒麟の翼像まで行ったのか……。加賀が鋭い洞察力を働かせ、父の最後の思いは息子・青柳悠人に伝えられることとなります。
「加賀シリーズ最高傑作」と謳われた本作。ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
おわりに
不器用ながらも懸命に生きる人々が描かれた東野圭吾さんの「泣ける・感動する」長編を、5つご紹介しました。
まだ読んだことのない人は、大きめのハンカチを用意してから、誰もいないところでこっそりと読み始めることをおすすめします。
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