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西加奈子のおすすめ著書『さくら』など、笑えて泣けてる名作小説


更新日:2016/8/21

西加奈子のおすすめ著書

あなたは『サラバ!』で直木賞を受賞した西加奈子さんの小説を読んだことがあるでしょうか?

西加奈子さんが描く小説は、笑いあり涙ありの心温まるものが多く、読んだあと「あ~読んでよかった」と思える本であることが特徴です。

現実に疲れた時のサプリメントとしていかがでしょうか?

 

西加奈子おすすめ小説1
『きいろいゾウ』

『きいろいゾウ』表紙

きいろいゾウ
小学館

東京から九州の田舎に移住してきた、売れない小説家の夫「ムコ」と妻「ツマ」。ムコは背中に大きなタトゥーが入っており、ツマは花や動物・虫などの声を聞き取ることができる。

近所の人たちは少し変わっているものの、ゆるやかな田舎暮らしを満喫していた2人だったが……。

 

西加奈子さんの代表作。2013年に、ムコ役に向井理さん、ツマ役に宮崎あおいさんで実写映画化しました。

愛することの痛みを描いた名作であり、夫婦愛を見つめ直したい時にぴったりの1冊です。ファンタジックな部分もあり、笑える部分もあり、重苦しい部分もある。その緩急のつけ方が秀逸です。

 

西加奈子おすすめ小説2
『さくら』

『さくら』表紙

さくら
小学館

兄の一は長谷川家のスーパーヒーローだった。格好良く、小学生の頃から女子の注目を独り占め。次男の薫と末娘のミキにとっては、一は自慢のお兄ちゃんだった。

優しい父と明るい母、3人の孫を見守るおばあちゃんと、愛犬のサクラ。幸せな家庭は、ある日一が事故に遭ったことをキッカケに、崩壊していく。バラバラになってしまった家庭に、ある日ひとつの奇跡が起こり……。

 

本屋大賞にノミネートされた、26万部突破のロングセラー。

「もし、自分の家族が自殺したら」。本書で取り上げられているテーマは重く悲しいものです。

幸せな家庭が、みるみるうちに転落していく姿は、読んでいて胸が締め付けられます。
しかし、人生、何が起こるかは誰にも分かりません。たとえどんなに悲しいことがあっても、遺された者は生きていかないといけないのです。

どんなことがあったって、切ることができない家族の縁。読んだ後は、自分の家族や周りの人を大切にしたくなることでしょう。

 

西加奈子おすすめ小説3
『漁港の肉子ちゃん』

『漁港の肉子ちゃん』表紙

漁港の肉子ちゃん
幻冬舎

若いころからダメな男に騙され借金を背負わされきた菊子は、娘の喜久子と日本各地を渡り歩き、やっと辿り着いた漁港の町で、焼肉屋店員として働くことに。
明るいキャラクターと大阪弁で、たちまち商店街の人気者となった菊子は「肉子ちゃん」と呼ばれるようになります。

一方、娘の喜久子は、早くクラスに溶け込めるようにと大阪弁を封印。母に辟易しながらも、喜久子は菊子のことを羨ましいと思っていて……。

 

人間関係に悩んだり、毎日が少ししんどくなった時に読んでほしい本です。

喜久子は周囲のことを気にしすぎるあまり、気を遣いすぎ、その結果息苦しさを感じながら暮らしていました。しかし成長していくにつれて、閉鎖的だったのは自分のせいだと気づきます。

みんなが肉子ちゃんのようになれない。でもわたしはわたしでいい。と前向きな気持ちになれます。

 

西加奈子おすすめ小説4
『炎上する君』

『炎上する君』表紙

炎上する君
角川書店

山崎ナオコーラさんに嫉妬する作家志望の女性の話「甘い果実」や、拾った携帯電話に届く“あっちゃん”とのメールのやり取りに心を動かされる話「空を待つ」、足首から下が炎上している男の話「炎上する君」など、バラエティ豊かな短編が8編収録された短編集。

 

足が炎上しているなんて、発想の奇抜さは秀逸です。文体も主人公ふたりの喋り方も個性的ですし、何より「炎上」しているのは、なんと足だけではないのです。
炎上の正体と、ふたりの結末を見届けてください!

モヤモヤを感じながら日常を生きる主人公たちに、一筋射す光。ふと立ち止まってしまった時に、背中を押してくれるやさしい1冊です。
コミカルで笑えるけれど、ホロっとあたたかい気持ちになれる。そんな西ワールドを、短時間で愉しめますよ。

本書は、芸人のピース・又吉さんの解説付き。本書に出てくるある言葉を引用し「自分の背中に彫りたいぐらい美しくて、強い」と評しています。
又吉さんをそれほどまでに言わしめる言葉とは? ぜひ本書で確認してみてくださいね。

 

西加奈子おすすめ小説5
『しずく』

『しずく』表紙

しずく
光文社

恋人の娘を1日預かることになった子ども嫌いの女性の話「木蓮」、いくつになっても可愛い母といくつになっても可愛げのない娘の話「シャワーキャップ」、同棲することになった恋人同士がそれぞれ買っていた雌猫の話「しずく」など、何気ない日常を描いた6編の短編が入った短編集。

 

本書のテーマは「女ふたり」。
幼なじみの2人、恋人の子供(女児)と三十路女性、2匹の雌猫、母と娘など、シチュエーションはバラバラです。

同性ならではの、登場人物たちが抱える嫉妬やエゴは、決して陰湿ではなく、分かる分かる!と共感できるものばかり。

いつの間にか女の子という時期を終え、いつしか大人になって、大人になったということに気づかないまま時は過ぎている女性たちに贈りたい1冊です。

迷っても、つまずいても、人生ってそんなに悪くない。読後感は爽やかで、また明日も頑張ろうと思えるはずです。

 

西加奈子おすすめ小説6
『きりこについて』

『きりこについて』表紙

きりこについて
角川書店

小学5年生のときに、好きな男の子に「ぶす」と言われてショックを受け引きこもるようになった主人公のきりこは、ある日人の言葉がわかる黒猫と出会います。

 

「女性は可愛い方がいい」と思うものですよね。でも「ぶす」に生まれてしまったらどうしたらいいのでしょうか。
ハッキリ「ぶす」という言葉を使っても不思議と嫌な気持ちにならないのは、西さんの優しい視線がこの本に注がれているからでしょう。

「外見より大切なものって何?」
その答えがこの本を読めば見つかるかもしれませんよ。さらりと気軽に手にとって楽しく読める小説です。

 

西加奈子おすすめ小説7
『おまじない』

『おまじない』表紙

おまじない
筑摩書房

悩んでいるときに、ふと出会った言葉に救われて元気が出たということはありませんか? それはきっとおまじないの言葉なのです。

本作は「あなたを救ってくれる言葉が、この世界にありますように」という作者の願いが込められて描かれた小説です。

主人公は女の子で、おまじないの言葉をくれるのがおじさん、という一見不思議な設定を決めた上で自由に綴ったという8つの短編集には、心がほんわか暖かくなる物語が詰まっています。

特に「燃やす」という作品は、辛くて忘れたい過去の記憶をもつ人にぜひ読んでもらいたいです。

 

西加奈子おすすめ小説8
『まく子』

『まく子』表紙

まく子
福音館書店

ひなびた温泉街に住む小学5年生の男の子「ぼく」の物語。

「ぼく」は思春期にさしかかる微妙な年齢となり、自分の身体の変化に戸惑いを感じていました。クラスの女の子たちも、どんどん大人になっていきます。
そんなとき、小銭や砂利など、なんでもかんでも「撒く」ことが好きな不思議な女の子・コズエと出会い……。

 

コズエと出会い、大人になりたくないと悩んでいた「ぼく」の世界は一変していきます。

子供の頃、思春期に対して同じ気持ちを感じていた人も多いのではないでしょうか。そんな子供の頃の不安定な気持ちを、西さんが丁寧に描いています。

本作は2019年に映画化が決定。14歳の山崎光さんが映画初主演を務めるほか、主人公の父親役に草彅剛さんが抜てきされ注目されている作品です。

 

西加奈子おすすめ小説9
『i (アイ)』

『i』表紙

i (アイ)
ポプラ社

主人公は、ワイルド曽田アイ。生まれはシリア、育ちはアメリカと日本。
アメリカ人の父と日本人の母がいるけれど、アイは両親のどちらにも似ていません。なぜならアイは、「養子」だから。

自分の存在について問い続けるアイ。しかし人には誰しも、想ってくれる人がいるものです。親友、家族、恋人、遠い国の誰か……たとえ自分は気づかなくても、この世界には誰かの「想い」が溢れていると感じる作品です。
セクシュアリティやアイデンティティの問題も多く盛り込まれており、多様性の大切さを改めて考えさせられます。

私は本屋さんで1ページ開いて、冒頭の立ち読みをしてすぐ『i(アイ)』をレジに持っていきました。読む手を止める自信がなかったからです。

『i(アイ)』に出会ったら是非1ページ、めくってみてください。

 

西加奈子おすすめ小説10
『円卓』

『円卓』表紙

円卓
文藝春秋

両親、祖父母、三つ子の姉という大家族の中で暮らす小学3年生の「こっこ」こと琴子。好きな言葉は「孤独」という、ちょっと変わった感性を持ったこっこが成長していく物語です。

子供の頃って、意外とクールに世の中のことを見たりしていませんでしたか? そんな子供の頃の自分に出会える作品です。

テンポが良く、琴子以外の登場人物もとても魅力的に描かれています。読み終わったあとには、ほんわかと優しい気持ちになれますよ。

 

西加奈子おすすめ小説11
『窓の魚』

『窓の魚』表紙

窓の魚
新潮社

温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠陥を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される――恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。(文庫裏表紙より)

一般的に言われている「ミステリー」とは少し違いますが、ミステリーのエッセンスが盛り込まれた作品です。新しいミステリーといえるかもしれませんね。

温泉宿で起きた一夜の出来事を、4人それぞれの視点で、丁寧にじっくりと描いていきます。
読んでいくうちに、同じ出来事を体験している4人の見え方がどれだけ違うのかということに驚くはずです。

自分が見えているものと、他人が見えているものは、同じだとは限りません。多くの謎を宿した本書、「窓の魚」が意味するものとは……?

西加奈子さんの描く、水の中にいるような不思議な感覚に、どっぷり吞まれていきますよ。

 

西加奈子おすすめ小説12
『地下の鳩』

『地下の鳩』表紙

地下の鳩
文藝春秋

「地下の鳩」と「タイムカプセル」の2編収録。
表題の「地下の鳩」は、プライドの高いキャバレーの客引きの吉田と、チーママのみさをが出会い惹かれあう物語。
「タイムカプセル」は、表題作に登場するオカマバーのママ、ミミィが起こしたある事件について描かれます。

西加奈子さんの小説の中では、他の作品とはテイストが異なる作品です。

情けないヒモの吉田、食べては吐いてを繰り返す左右の目の大きさが違うみさを。
大阪の繁華街ミナミを舞台に、必死に生きる人たちの描写がリアルで、現実を受け止めることがどういうことなのか、教えられるようです。

わたしは、自分の中にある感情を、過去の出来事を、見透かされているようでドキリとしました。だからこそ、彼らに共感できる部分があり、愛おしく思えるのでしょうね。

 

西加奈子おすすめ小説13
『サラバ!』

『サラバ!』表紙

サラバ!
小学館

2014年第152回直木賞を受賞、さらに2015年本屋大賞を受賞しました。加奈子さん初の長編小説であり、作家生活10周年記念作でもあります。

本作は、主人公、圷歩(あくつあゆむ)の半生を描いた作品です。

歩はイランで生まれ、大阪に住んだのち、家族でエジプトに住むことになります。
西加奈子さん自身、イランで生まれ、小学1年生から5年生までをカイロで過ごし、その後大阪で暮らしており、その経験が存分に生かされている作品といえます。

目を引くカバーデザインは、なんと西加奈子さんが描いた16枚のイラストをコラージュしたものなんです!

自分の信じるものが何なのか、ちゃんと自分で決めてきたのか、と読んでいてはっとしました。
「出会えて良かった」「頑張ろうと思えた」との声が絶えない本書。圧倒的な言葉の力を感じてみてください!

 

西加奈子の本を読んで心をデトックスしよう

つい吹き出してしまったと思ったら、ポロっと泣けてしまったり。あたたかい気持ちになって、家族や周囲の人を大切にしようと思えたり。

西さんの本を読むと、表情豊かになっている自分に気づくはず。ぜひ一度読んでみてくださいね。

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