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西加奈子のおすすめ著書10選!『さくら』など、笑えて泣けて心温まる名作小説


油絵

あなたは『サラバ!』で直木賞を受賞した西加奈子さんの小説を読んだことがあるでしょうか?

西加奈子さんが描く小説は、笑いあり涙ありの心温まるものが多く、読んだあと「あ~読んでよかった」と思える本であることが特徴です。

現実に疲れた時のサプリメントとしていかがでしょうか?

 

西加奈子の代表作
『きいろいゾウ』

『きいろいゾウ』表紙

きいろいゾウ
小学館

東京から九州の田舎に移住してきた、売れない小説家の夫「ムコ」と妻「ツマ」。ムコは背中に大きなタトゥーが入っており、ツマは花や動物・虫などの声を聞き取ることができる。

近所の人たちは少し変わっているが、ゆるやかに穏やかに田舎暮らしを満喫する2人。

お互いに寄り添いながら生きていた2人だったが、ある日ムコのもとに手紙が届く。それはムコの背中に入ったタトゥーに由来する、悲しい過去に関係があるものだった。ムコは過去に対峙するため東京に向かうことに……。

 

西加奈子さんの代表作。愛することの痛みを描いた名作であり、夫婦愛を見つめ直したい時にぴったりの一冊です。

ファンタジックな部分もあり、笑える部分もあり、重苦しい部分もある。その緩急のつけ方が秀逸です。

なお、小説の帯には、女優の宮崎あおいさんの「いつか、この小説の『ツマ』を演じてみたいです」というコメントが。また、おすすめの一冊として向井理さんが本書を挙げていました。そして数年後、ムコ役が向井理さん、ツマ役が宮崎あおいさんで映画化が決定。本書を読んで気に入った方は、映画もぜひ。

 

胸が締め付けられる…
『さくら』

『さくら』表紙

さくら
小学館

兄の一は長谷川家のスーパーヒーローだった。格好良く、小学生の頃から女子の注目を独り占め。次男の薫と末娘のミキにとっては、一は自慢のお兄ちゃんだった。

優しい父と明るい母、3人の孫を見守るおばあちゃんと、愛犬のサクラ。幸せな家庭は、ある日一が事故に遭ったことをキッカケに、崩壊していく。バラバラになってしまった家庭に、ある日ひとつの奇跡が起こり……。

 

本屋大賞にノミネートされた、26万部突破のロングセラー。

「もし、自分の家族が自殺したら」。本書で取り上げられているテーマは重く悲しいものです。

幸せな家庭が、みるみるうちに転落していく姿は、読んでいて胸が締め付けられます。

しかし、人生、何が起こるかは誰にも分かりません。たとえどんなに悲しいことがあっても、遺された者は生きていかないといけないのです。

どんなことがあったって、切ることができない家族の縁。読んだ後は、自分の家族や周りの人を大切にしたくなることでしょう。

 

前向きになれる!
『漁港の肉子ちゃん』

『漁港の肉子ちゃん』表紙

漁港の肉子ちゃん
幻冬舎

主人公の菊子は、若いころからダメな男に騙され借金を背負わされては、逃げられる日々を繰り返していた。それでも人を信じ続けるお人好しの菊子。

娘の喜久子と日本各地を渡り歩き、やっと辿り着いた漁港の町で、焼肉屋店員として働くことになる。明るいキャラクターと大阪弁で、たちまち商店街の人気者となった菊子は「肉子ちゃん」と呼ばれるように。

一方、娘の喜久子は、小学校でもクラスに溶け込めるように、周囲に合わせて生きようと大阪弁を封印する。喜久子は母に辟易しながらも、どこか羨ましいと思っている……。

 

人間関係に悩んだり、毎日が少ししんどくなった時に読んでほしい本です。

喜久子は周囲のことを気にしすぎるあまり、気を遣いすぎ、その結果息苦しさを感じながら暮らしていました。しかし成長していくにつれて、閉鎖的だったのは自分のせいだと気づきます。

みんなが肉子ちゃんのようになれない。でもわたしはわたしでいい。と前向きな気持ちになれます。

また、芸人の明石家さんまさんが、本書を購入し読んだ後、これはいける!と考え吉本興業に映画化の権利を購入するように勧めたというエピソードもあります。

 

西ワールドを楽しめる短編集
『炎上する君』

『炎上する君』表紙

炎上する君
角川書店

山崎ナオコーラさんに嫉妬する作家志望の女性の話「甘い果実」や、拾った携帯電話に届く“あっちゃん”とのメールのやり取りに心を動かされる話「空を待つ」、足首から下が炎上している男の話「炎上する君」など、バラエティ豊かな短編が8編収録された短編集。

 

モヤモヤを感じながら日常を生きる主人公たちに、一筋射す光。ふと立ち止まってしまった時に、背中を押してくれるやさしい一冊です。

作中に、実在する作家・山崎ナオコーラさんが登場したり、比喩ではなく実際に炎上している人など、予想の斜め上をいくキャラクターが勢ぞろいの作品です。

コミカルで笑えるけれど、ホロっとあたたかい気持ちになれる。そんな西ワールドを、短時間で愉しめる一冊です。

本書は、芸人のピース・又吉さん(芥川賞受賞前)の解説付き。本書に出てくるある言葉を引用し「自分の背中に彫りたいぐらい美しくて、強い」と評しています。又吉さんをそれほどまでに言わしめる言葉とは?ぜひ本書で確認してみてくださいね。

 

共感できるものばかり!
『しずく』

『しずく』表紙

しずく
光文社

恋人の娘を1日預かることになった子ども嫌いの女性の話「木蓮」、いくつになっても可愛い母といくつになっても可愛げのない娘の話「シャワーキャップ」、同棲することになった恋人同士がそれぞれ買っていた雌猫の話「しずく」など、何気ない日常を描いた6編の短編が入った短編集。

 

本書のテーマは「女ふたり」。

幼なじみの2人、恋人の子ども(女児)と三十路女性、2匹の雌猫、母と娘など、シチュエーションはバラバラ。

同性ならではの、登場人物たちが抱える嫉妬やエゴは、決して陰湿ではなく、分かる分かる!と共感できるものばかり。

いつの間にか女の子という時期を終え、いつしか大人になって、大人になったということに気づかないまま時は過ぎている女性たちに贈りたい一冊です。

迷っても、つまずいても、人生ってそんなに悪くない。読後感は爽やかで、また明日も頑張ろうと思えるはずです。

 

外見より大切なこと
『きりこについて』

『きりこについて』表紙

きりこについて
角川書店

小学5年生のときに、好きな男の子に「ぶす」と言われてショックを受け引きこもるようになった主人公のきりこは、ある日人の言葉がわかる黒猫と出会います。

 

「女性は可愛い方がいい」と思うものですよね。でも「ぶす」に生まれてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

ハッキリ「ぶす」という言葉を使っても不思議と嫌な気持ちにならないのは、西さんの優しい視線がこの本に注がれているからでしょう。

「外見より大切なものって何?」
その答えがこの本を読めば見つかるかもしれませんよ。さらりと気軽に手にとって楽しく読める小説です。

 

あなたを救う言葉がある
『おまじない』

『おまじない』表紙

おまじない
筑摩書房

悩んでいるときに、ふと出会った言葉に救われて元気が出たということはありませんか? それはきっとおまじないの言葉なのです。

本作は「あなたを救ってくれる言葉が、この世界にありますように」という作者の願いが込められて描かれた小説です。

主人公は女の子で、おまじないの言葉をくれるのがおじさん、という一見不思議な設定を決めた上で自由に綴ったという8つの短編集には、心がほんわか暖かくなる物語が詰まっています。

特に「燃やす」という作品は、辛くて忘れたい過去の記憶をもつ人にぜひ読んでもらいたいです。

 

映画化決定の話題作
『まく子』

『まく子』表紙

まく子
福音館書店

ひなびた温泉街に住む小学5年生の男の子「ぼく」の物語。

「ぼく」は思春期にさしかかる微妙な年齢となり、自分の身体の変化に戸惑いを感じていました。クラスの女の子たちも、どんどん大人になっていきます。
そんなとき、小銭や砂利など、なんでもかんでも「撒く」ことが好きな不思議な女の子・コズエと出会い……。

 

コズエと出会い、大人になりたくないと悩んでいた「ぼく」の世界は一変していきます。

子供の頃、思春期に対して同じ気持ちを感じていた人も多いのではないでしょうか。そんな子供の頃の不安定な気持ちを、西さんが丁寧に描いています。

本作は2019年に映画化が決定。14歳の山崎光さんが映画初主演を務めるほか、主人公の父親役に草彅剛さんが抜てきされ注目されている作品です。

 

自分と世界との折り合いをつける
『i (アイ)』

『i』表紙

i (アイ)
ポプラ社

アメリカ人と日本人の養子として日本で暮らすシリア人・アイが主人公の物語。

「この世界にアイは存在しません。」という数学教師の言葉に衝撃を受けたことがきっかけで、自分のアイデンティティーや生き方を模索するアイの成長が描かれています。

日頃の不自由ない生活が当たり前になってしまっている方に、ぜひ読んでもらいたい作品。生きていくためのヒントも見つかるはずです。

 

クールな子どもの視点を思い出す
『円卓』

『円卓』表紙

円卓
文藝春秋

両親、祖父母、三つ子の姉という大家族の中で暮らす小学3年生の「こっこ」こと琴子。好きな言葉は「孤独」という、ちょっと変わった感性を持ったこっこが成長していく物語です。

 

子供の頃って、意外とクールに世の中のことを見たりしていませんでしたか? そんな子供の頃の自分に出会える作品です。

テンポが良く、琴子以外の登場人物もとても魅力的に描かれています。読み終わったあとには、ほんわかと優しい気持ちになれますよ。

 

西加奈子の本を読んで心をデトックスしよう

つい吹き出してしまったと思ったら、ポロっと泣けてしまったり。あたたかい気持ちになって、家族や周囲の人を大切にしようと思えたり。

西さんの本を読むと、表情豊かになっている自分に気づくはず。ぜひ一度読んでみてくださいね。

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今回ご紹介した西加奈子さんの書籍

きいろいゾウ』 小学館

さくら』小学館

漁港の肉子ちゃん』幻冬舎

炎上する君』 角川書店

しずく』光文社

きりこについて』角川書店

おまじない』筑摩書房

まく子』福音館書店

i (アイ)』ポプラ社

円卓』文藝春秋

西加奈子さんのおすすめ作品を、ピース 又吉さんの帯と共にご紹介

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。