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一度読んだら抜け出せない! 絶対読むべき伊坂幸太郎作品5選


デビューから数々のヒット作を生み出してきた伊坂幸太郎さん。作品の多くが映像化され、若者から大人まで絶大な人気を誇っている彼は、今や日本を代表するエンターテイメント作家といっても過言ではありません。

ここでは、ジャンルや読み味が違う伊坂作品五作を用意しました。これから伊坂作品を読もうとしている方は是非参考にしてみてください。

 

アヒルと鴨のコインロッカー

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~あらすじ~

大学へ進学するにあたって一人暮らしをはじめた椎名。引っ越してきた早々アパートの住人の河崎から、『「一緒に本屋を襲わないか」(p24)』と持ち掛けられます。断り切れなかった椎名は、河崎と共に、広辞苑を奪うため、本屋を襲いに行きます。

一方二年前。ペットショップ店員である琴美は、ペット惨殺事件の犯人の若者たちと出くわします。彼らに目をつけられてしまった琴美は、たびたび彼らに襲われるようになります。警察に行っても動いてはくれません。そこで琴美は、犯人たちを捕まえるため、自ら動き出します。

現在と過去が繋がり、物語はやがて切ない結末を迎えます――。


終盤の仕掛けに思わず膝を打つこと間違いなし

吉川英治文学新人賞を受賞した本作。物語は、現在と過去が交錯しながら展開していきます。

大学生の椎名。ペットショップ店員の琴美。二人の物語が少しずつ繋がりを見せ、終盤に驚愕の事実が明かされます。

どこかほろ苦く切ないストーリー。人間ドラマの裏にあるミステリー的な仕掛けにも注目です。

アヒルと鴨のコインロッカー(創元推理文庫)

 

グラスホッパー

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~あらすじ~

交通事故で妻を亡くした鈴木。妻を轢いた男は、フロイラインという会社を経営する寺原の長男でした。鈴木は寺原の長男に復讐をするため寺原の会社に入社し、復讐の機会を伺います。

そんな折、寺原の長男が、車に撥ねられて亡くなります。ただこれは事故ではなく、「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業。復讐を横取りされた鈴木は、わけのわからぬまま業務命令で「押し屋」の男を追い、彼と接触します。ただ、その「押し屋」と思われる男はごくごく普通の家庭を持っていて――。


やがて一つに繋がる話。構成が見事

本作は、「鈴木」、「鯨」、「蝉」の三人の視点から展開されます。「押し屋」と呼ばれる殺し屋をめぐり、つながっていく三人の物語。伏線が回収され、やがて物語は一つの結末を迎えることになります。

2015年に映画化されたことが記憶に新しい本作。続刊に「マリアビートル」があります。「グラスホッパー」を気に入った方は、そちらを手に取ることをお勧めします。

グラスホッパー(角川文庫)
マリアビートル(角川文庫)

 

陽気なギャングが地球を回す

~あらすじ~

嘘を見抜く達人である公務員の成瀬。スリの天才久遠。正確な体内時計を持つ雪子。口の立つ男響野。彼ら四人は百戦錬磨の銀行強盗。その日も綿密な計画のもと、銀行から数千万円ものお金を奪います。ただ、その逃走中、一つのアクシデントが彼らを襲います。それというのも、同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯の犯人に車を奪われ、それと同時にお金も持っていかれてしまいます。

四人組の銀行強盗は奪われた金を奪還するため動き出します――。


疾走感あふれるクライムサスペンス

本作はギャングシリーズ第一弾。次々と展開していく話が一つに収束していく様は爽快です。繋がる伏線、意外な結末、魅力的なキャラクターなど、一級品のエンターテイメント作品となっています。

陽気なギャングが地球を回す(祥伝社文庫)

 

チルドレン

~あらすじ~

何事にも物おじせず、歯に衣着せない破天荒な男陣内。彼の周りには「時間が止まる場所」や「消えた銀行員」など、魅力的な謎であふれています。陣内を中心とした五つの物語。それらが語られたとき、物語は爽快感あふれる結末を迎えます――。


伊坂幸太郎がおくる日常の謎

本作は伊坂幸太郎さんが描く日常の謎ミステリー。陣内含め、盲目の青年永瀬など、魅力的な登場人物たちが織りなす、スカッとする物語となっています。

本作チルドレンは、伊坂作品の中では最も「本格ミステリー」に近いのではないかなというのがわたしの感想です。

「不可解な謎」と「結末の意外性」。本作はそのどちらも併せもっていて、さらに「本格ミステリー」には欠かせない「探偵役」も登場します。

ミステリー好きにお勧めの伊坂作品となっています。

チルドレン(講談社文庫)

 

オーデュボンの祈り

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~あらすじ~

「未来予知をするなんでも知っているカカシ」、「人を殺すことが許されたサクラ」、「あべこべのことしか言わない男」など、おとぎ話に出てきそうな人や物が当たり前に存在する島、「荻島」。警察に追われていた伊藤は、島民に助けられ、荻島へ連れてこられます。

島には足りないものがあり、外から来た人間がその足りない何かを持ちこんでくれるという話を聞く伊藤。しかし、自分は何も持ってはいません。果たして、この島に足りないものとは一体なんなのか。

そんな折、未来予知をするカカシが、ばらばらに壊されてしまいます。カカシを壊したのは一体誰なのか。目的はなにか。カカシは自分が壊されることを予知することができなかったのか。

カカシが壊された真相を追っていく伊藤はやがて一つの真実に辿りつきます――。


イチオシ! ファンタジーミステリー

本作は伊坂幸太郎さんのデビュー作。設定はファンタジーですが、話の展開はミステリーです。伊坂作品の魅力でもある洒脱な会話や繋がる伏線は本作でも健在。

デビュー作でありながら完成度は非常に高く、構成力や発想力など伊坂幸太郎さんの地力の高さが伺い知れる作品となっています。

伊坂作品を読むならば、まずはこれから!というような作品です。

オーデュボンの祈り(新潮文庫)

 

まとめ

ジャンルや読み味の違う五作。これらの中からお好みに合わせてまずは一作手にとってみてはいかがでしょうか。

ちなみに筆者のイチオシは、デビュー作である「オーデュボンの祈り」です。

どの作品にも伊坂幸太郎さんの作家性のようなものが滲みでているため、一つ気にいれば、他の作品も気にいること間違いなしです。

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ライター

ツナシ
青春小説とミステリー小説が好きな20代。ライトノベルから純文学まで読みますが、浅く広くといった感じです。小説は読むのも好きですが書くのも好きです。
先日某小説新人賞を賜り、現在出版に向けて作業中。