どうやって比較する?『伝説のホテルマンが教える 大人のためのホテルの使い方』
『伝説のホテルマンが教える 大人のためのホテルの使い方』
窪山哲雄(著)、SBクリエイティブ
石ノ森章太郎原作のドラマ「ホテル」のモデルになった伝説のホテルマンが教える
トクするホテルの使い方(帯)
本書の作者は、「伝説のホテルマン」として広く知られる窪山哲雄さん。ホテルマン歴40年以上、さまざまなホテルの経営に携わり、現在は株式会社ザ・パークグレイス・ホテルズの代表取締役社長として活躍されています。
ホテルは単なる「泊まるための場所」という機能だけでなく、様々な使い方やサービスがあることや、知っていれば役に立つことを窪山さん流にまとめたのがこの一冊。
私は「いいホテルの見極め方」に興味を持って本書を購入しましたが、それ以外にも、「客室はこう使え」「フロント・コンシェルジュ活用法」「レストランとバーの使いこなし方」「高級ホテルの楽しみ方」など、すぐに実践できる内容がたっぷり収録されています。
興味を持っていただいた方はぜひお手に取ってみてくださいね。
失敗しないホテル選びとは?「???」が少ないホテルを選ぶ
本書の冒頭部分には「失敗しないホテル選び」について詳しく書かれています。作者は「いいホテルかどうか見極める」ポイントを3つ紹介していますが、そのうちの一つを紹介したいと思います。
パッケージツアーの宿泊先に組み込まれるような、団体客の受け入れの多いホテルを避けるというのもポイントです。(中略)
団体のお客様というのはスケジュールどおりに一斉に動くので、チェックイン、チェックアウト時など大きな動きがある時間帯以外は、ホテルスタッフが少なくなることがあります。待機しているスタッフが少なければ、「フロントに電話をしてもなかなかつながらない」など、困ったことが起きる可能性も高いのです。(p18-19)
プライベートでも、ビジネスでも、「いいホテルに泊まりたい」と考える人は多いはず。
「いいホテル」の条件に「いいサービス」は必須です。つまり、個人向けのサービスが充実しているホテルというのが、ひとつの指標なのです。
作者曰く、団体客への対応は慣れていても、個人客向けのサービスには不慣れというホテルは多いのだとか。
これは、ホテルマンだからこそ知り得るポイントだと思います。ぜひホテル選びの参考にしてみてくださいね。
朝食のクオリティは「????」でわかる
スクランブル、目玉焼き、オムレツといった卵料理。新鮮な野菜。しぼりたてのジュース。焼きたてのパン。
読者のみなさまのなかには、ホテルに泊まる一番の楽しみが「朝食」という方も多いのではないでしょうか?
作者いわく、「朝食に力を入れているホテルは、サービスのクオリティも高い」とのこと。朝食とホテルのレベルが連動するのであれば、出張や旅行でホテルを選ぶポイントの一つに、「朝食のクオリティ」を入れるのは賢い方法ですよね。
では、「朝食のクオリティ」とは、どのように測ればいいのでしょう?実は、朝食のある「一品」で見極められるのだとか。
ある程度のグレードのホテルなら、朝食に出されるベーコンはプレスされたもの(成形肉、つまり細かいくず肉などを寄せ集め、固められた肉)ではないはずです。もしもプレスされていないベーコンが並んでいたら、その朝食は「合格」です。一方、高い客室料金を取っているのに、朝食のベーコンがプレスしたものだったり、シュガーの種類も選べないようなレベルでは不誠実です。
いいベーコンは「色」と「脂」で見分けられます。ピンク色をした脂身のないベーコンはプレスされたもの、一方、脂身がしっかりしているものが本物です。(p142)
そう、答えは「ベーコン」です。卵料理の付け合わせとして、ほとんどのホテルの朝食で登場する一品です。
最近、朝食に力を入れるホテルが増えてきています。ぜひ、「朝食のクオリティ」の指標として、気にかけてみるのも面白いですよ。
「ホテル」を楽しもう!
少しの知識で、ホテル選びのレベルがぐんとグレードアップします。
せっかくホテルに泊まるなら、満足度の高いホテルに泊まりたいですよね。ぜひ参考になさってください。
今回ご紹介した書籍
『伝説のホテルマンが教える 大人のためのホテルの使い方』
窪山哲雄(著)、SBクリエイティブ