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万人に読んでほしい! 『お坊さんが教える「悟り」入門』で生き方を学ぶ


『お坊さんが教える「悟り」入門』表紙

お坊さんが教える「悟り」入門
長谷川俊道(著)、ディスカヴァー・トゥエンティワン

善きことを思いなさい。

 

そうすれば必ず、あなたの人生も好転していきます。

 

日常の暮らしのなかですぐに試せる禅の教え48。(帯)

 

作者の長谷川俊道さんは、群馬県・太田市の瑞岩寺(ずいがんじ)というお寺の副住職ならびに、毛里田(もりた)こども園の園長・理事長を務められています。

長谷川さんは、今ではお寺の副住職となっていますが、お寺の家に生まれてきたゆえに辛い経験もたくさんあったそうで、ずっと自分の人生を恨めしく思っていたのだそうです。
「たまたま寺の長男に生まれただけなのに、どうして僕はお寺を継がなくちゃいけないのだろう?」と。

ですが、それらの経験を経て今、長谷川さんはこう語っています。

 

何より思い出していただきたいのは、私たちはさまざまな「いのち」のつながりの中で生かされているということです。

 

多くのご先祖様の、ご両親の、友人のいのちと、また、自然と、暮らしの中のあらゆるもののいのちと、私たちはつながって、今を生きています。

 

いろいろな縁の上に成り立つ大切ないのちですから、ずっと悩んだり、苦しんだりしているよりも、楽しく、幸せに使った方がよいでしょう。(p14)

 

本書が、読者のみなさまの気持ちを、さらに前向きにしてくれることを願っています。

 

お釈迦様が悟った4つの心理

突然ですが、読者のみなさまに質問です。「現在、日本にはいくつのお寺があるでしょう?」

 

答えは、約8万寺。

コンビニエンスストアが全国に約4万店舗あるのに対し、お寺は全国に約8万寺あるのだそう。年々、お寺が減少していると言われているとはいえ、今でもこれだけの数のお寺が存在しているのです。

言い換えれば、日本人にとってお寺は欠かせないものであるということです。

 

また、本書の素晴らしいところは、「悟り」入門書でありながら、「仏教」の入門書も兼ねているところです。

スピリチュアルや、感覚的な部分を前面に打ち出すことなく、あくまでも「仏教」の教えに沿った「悟り」を教示している書籍であるため、読みながら仏教の知識も身につけることができるのです。

たとえば、仏教の教えの大原則「四法印」については、以下のように解説がされています。

 

「四法印」とは

 

・諸行無常・・・この世のものごとは、全て変化している

・諸法無我・・・この世のものごとは、全てつながっている

・一切皆苦・・・この世のものごとは、すべて思いどおりにならない

・涅槃寂静・・・煩悩の消えた悟りの世界は、静かで安らぎの境地である(p28-29)

 

大変わかりやすいと思いませんか?

本書では、仏教の単語説明は最小限に抑え、「実践」の部分がたっぷり書かれています。こんな時にはこんな風に動く、といった「考え方」に沿って行動してみれば、きっと自身の変化を感じていただけるはずです。

 

願いが叶うための「ご祈祷」の心構え

たとえ仏教信者でなくとも、人生のなかで一度は、お寺で「○○祈願」の祈祷をした経験がある。そんな方が多いかと思います。

長谷川さんいわく、「ご祈祷」にも心構えがあるのだそうです。

 

①神社仏閣は欲がなく、清浄な気で満ちています。その中で、静かに、自分の心を鎮めましょう。

 

②お賽銭を奉じるのは、欲を捨てるという行為です。「お金を払うんだから、私の願いを叶えてね!」という執着いっぱいのお願い方法は、祈りの姿勢と少し違いますし、願いも叶いません。祈祷では、神仏に感謝し、自分に感謝し、全てに感謝する姿勢が大事です。(中略)

 

③神仏に祈り、決断したら、次は行動です。いくら懸命にお祈りしても、何もしなければ、何も起こりません。未来の自分をイメージして、そこに意識を飛ばしてみてください。(p205-206)

 

祈りを捧げるときに頭に浮かぶのは、自分のことや家族のこと。長谷川さんの言葉を借りるならば「執着いっぱい」の状態だった自分が、少し恥ずかしくなりました。

 

また、祈祷すれば願いは叶う、というのはあまりにも人任せだということを、改めて教えられたような気がします。

 

願いが叶った自分をイメージして、行動をすれば、願いは叶って行くはずです。

入学祈願であれば、「行きたい学校に入学して、校門で記念写真を撮っている自分」をイメージして勉強する。

厄除け祈願であれば、「何ごともなくてよかった、と穏やかに暮らしている自分」をイメージして、丁寧な生活を心がける。

 

当たり前のことかもしれませんが、心がけるだけで人生が豊かになるような気がしませんか。

実際、私は本書を読んでワクワクした気持ちになりました。そして、ますます毎日を楽しめるようになった気がしています。

 

お坊さん直々の教えを学ぼう

落ち込んだり悩んだりした時に読めば、力がみなぎってくれるような良書。

本書はまさしくそのような本だと思います。ぜひとも本書を読んで、日々の暮らしをさらに楽しいものにしてくださいね。

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今回ご紹介した書籍

お坊さんが教える「悟り」入門
長谷川俊道(著)、ディスカヴァー・トゥエンティワン