「新聞週間」スペシャル!新聞まめ知識
読書週間ならぬ「新聞週間」をご存知でしょうか?
実は毎年10/15から1週間は新聞週間となっているのです。ウィキペディアの「新聞週間」の項目によると、「新聞についての啓発・啓蒙のためのキャンペーン」というのが目的で、日本新聞協会によって主催されています。
「新聞」自体は身近なニュース・情報メディアかと思いますが、こういったキャンペーン期間が設けられているということは知らなかった人も多いのではないでしょうか。
新聞週間の起源はアメリカにあります。1930年代にアメリカ各地で始まったものが広がっていき、日本では戦後間もないころにGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の提唱により開始されました。
新聞週間中には「新聞週間標語募集」や「新聞大会」などの様々なイベントが実施されています。
「新聞週間は新聞に親しもう!」というわけで、このコラムでは新聞週間スペシャル!新聞まめ知識をお送りします。
江戸時代の新聞とは?
まずはこちら。「むかしの新聞ってどんなもの?」です。起源まで遡るとけっこう長い語りになってしまうので、「身近なむかし」こと江戸時代の「新聞」を調べてみました。
江戸時代には「新聞」という名称のものはなかったようなので、似たものを探してみました。……とその前に、そもそも「新聞」を定義する必要がありますね。そこで、ネット辞書で調べてみたところ、以下のように定義されていました。
社会の出来事の報道や論評を、広い読者を対象に伝達するための定期刊行物。日刊が多いが、週刊・旬刊・月刊などもある。(goo国語辞書の「新聞」より引用)
イメージ通りではありますが、「社会の情報をお届けする刊行物」ということですね。特に新聞の場合、速報性が重視されているというのが大きな特徴かと思います。
この観点で調べてみると、江戸時代には「瓦版」という速報お届け情報誌がありました。これが江戸時代の新聞の一つといえそうです。
「瓦版」は天変地異や災害などの速報を伝えるものが多かったため、現在で言うと「号外」の方がしっくりくるかもしれませんが、この「瓦版」をベースに、より情報の範囲を広げて定期刊行したものが「新聞」に進化していったといえます。
ちなみに「瓦版」は読みながら売り歩いたそうで、「読売」とも呼ばれました。現在ある一般紙の一つ「読売新聞」はこの「読売」に由来しています。
印刷と裁断方法の合理点
※画像はイメージです
続いてのはてなポイントは印刷について。新聞の発行部数は、公開されている報道によると全紙トータルで4,000万部/年を超えています。インターネットの普及で読者が減り、発行部数も減少傾向にあると言われていますが、まだまだかなりの数ですね。
年間4,000万部以上となると、日の発行部数も相当なものですが、毎日の大量印刷はどのようにしているのでしょうか?
これには「オフセット輪転機」という高速印刷が可能な印刷機を使用しています。印刷の種類や仕組みの詳細については、新聞社などのページで紹介されていることがありますので、詳しく知りたい方はそちらを見ていただければと思いますが、この方法で印刷することで、短時間での大量印刷を可能にしているというわけです。
そして、この印刷機では大量発行のうえで裁断もしています。瞬時に重ねた紙を切断するためにノコギリ状の裁断刃が用意されているんです。真っ直ぐな刃だと大量の紙はうまく切れないのです。新聞の上下がギザギザになっているのはこのノコギリ状の刃で裁断しているからだったんですね。
「三面記事」=社会面になった理由
“新聞の三面記事”といえばページ数ではなく、“社会面”というのはよく知られている話ですが、これは明治時代の新聞草創期の紙面構成が語源になっています。
明治時代には今より多くの新聞があったそうですが、中でも1892年に創刊された「萬朝報」が社会面を三面に載せており、それが語源になったようです。また、同時期に発行されていた多くの新聞で同じような構成をとっており、「社会面は三面」が定着していきました。当時はまだ新聞自体のページ数が少なく、全部で4ページ程度のものが多かったため、各ページに情報が凝縮されて掲載されていたのです。
昔の定番が今でも定着している例はいろいろありますよね。「筆箱」や「下駄箱」なども今では筆や下駄を広く使ってはいなくても言葉としては残っています。「三面記事」もそうしたものの一種と言えそうですね。
新聞関連の本
以上、新聞週間にちなんで「新聞まめ知識」をお送りしました。
ブックオフオンラインでは新聞・ジャーナリズムに関する本の特集もありますので、新聞に興味のある方は新聞週間に合わせてチェックしてみて下さい!