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“生きた英語”を話すために!「歩きスマホ」を英語で言うと?


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世の中では、日々新しいものが流行し、新しい言葉が生まれていきます。その言葉を、英語でうまく訳したり伝えたりすることができるでしょうか?
あるいは、英語圏で生まれた新しい言葉、インターネットスラングなどに出会ったとき、その意味を正しく理解することができるでしょうか?

今回ご紹介する『「歩きスマホ」を英語で言うと? −時事語・新語で読み解く日米の現在』(石山宏一著、小学館新書)は、最近生まれた時事語や新語を取り上げ、解説した本です。

 

「この言葉は英語でなんて言えばいいのだろう?」と思った経験はありませんか?

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英語圏の人と話していると、思わぬところで「この言葉、英語で何て言うのかな?」という疑問にぶち当たることがあるかと思います。
一般的な言葉であれば、辞書を調べれば一発ですぐにわかりますが、流行の言葉、新語、俗語(スラング)などは辞書を調べても見つかりません。説明をしようと思っても、英語圏にはない事象の言葉だったりすると、なかなかうまい説明ができずに終わってしまうことも少なくないのではないでしょうか。

この本は、「小学館ランゲージワールド」に7年弱にわたって連載されていた「石山宏一の新語ウォッチング」というコラムを1冊にまとめたものです。本の中では、時事語や新語が、合計で約180語も解説されており、その最大の特徴は日本で生まれた新語、英語圏で生まれた新語の両方を取り上げていることです。

しかし、私たち日本人は今までfracking(フラッキング)やshowrooming(ショールーミング)などのように、英語の新語を和訳して紹介することはしてきたが、逆に日本語の新語を英訳して外国に紹介する努力は怠ってきたように思われる。(p.3)

また、単に英語から日本語へ、日本語から英語へと翻訳しているだけではなく、それぞれの言葉に対して、その言葉が生まれた背景や使われる場面などの詳しい解説がついています。そのおかげで、知らなかった言葉もすんなり理解することができるようになっています。

それでは、本の中で紹介されている時事語・新語にはどのようなものがあるかをちょっとだけ知ってもらうために、日常よく使う語をピックアップしていくつかご紹介してみたいと思います。

 

日本語の新語を、英語に訳す

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「歩きスマホ」= smartphoning while walking(p.11)

この本のタイトルにも使われている「歩きスマホ」は、文字通り道を歩きながらスマートフォンを操作すること。この言葉には、smartphoning while walkingという英訳が提案されています。

Smartphoneという名詞を、動詞のように-ingを使って表現しているのは、動詞phoneの動名詞がphoningであることにならっているからです。
また、アメリカでは歩きながらメールをする「歩きメール」のことをtexting while walkingということから、歩きスマホもそれを参考に英訳されています。

 

「婚活」 = mate-hunting(p.26)

結婚相手を探すための活動のことを、「婚活」といいます。書籍『「婚活」時代』が発祥で、現在ではテレビや雑誌、インターネットなどでも頻繁に使われている言葉です。

「婚活」は、もともとあった「就活」をもとに作られた新語です。そのため、著者が提案する英訳も、英語で「就活」を意味するjob-huntingをもじってつけられています。

 

英語圏で生まれた新語

「組織[会社]のボス」 = an alpha male(p.148)

an alpha maleは日本ではあまり聞かれない言葉ではないでしょうか。ある組織や会社などで支配的な力を持つリーダーを表す語で、この本によれば、「alphaはギリシャ語アルファベットの第1文字(p.148)」であり、「元来はチンパンジーなどのサルの群れを支配するオス(p.148)」を意味していたそうです。
火付け役は2006年の「Alpha Male」という映画でしたが、日本では公開しなかったということで、日本人には馴染みのない表現かもしれません。

 

「バイラル/インスタントに名声を得る」= viral(p.164)

「バイラル・マーケティング」という言葉は聞いたことのある方も多いかもしれません。企業や商品、芸能人やミュージシャン、一般の人などが動画サイトなどのメディアで人気になり、口コミで一気に広まっていくという現象は、現在では当たり前のことになってきています。

viralは、もともとウィルス(virus)の形容詞であり、「ウィルスに伝染するように急速に広まること、有名になることを表す。」(p.164)そうです。

 

日本語・英語で共通の新語

「炎上」= flaming(p.14)

インターネット上のブログやSNSなどで、ある人の発言に批判や中傷が殺到する「炎上」という現象は、しばしば見られるようになってきました。「炎上」は、すでに一般的に使われる言葉として定着していきている感じがしますね。

面白いことに、英語圏でもflamingという「燃え上がる」イメージの単語が使われているようです。
英語のflamingとは、中傷や侮辱を目的にSNSやブログに書き込む文書のこと。ネット上のけんかやトラブルはフレーム(flame)という。(p.14)

 

「自撮り」= selfie(p.89)

最近では、観光地に行くと、スマートフォンに「自撮り棒」を取り付けて記念撮影をする若者たちをよく見かけるようになりました。
スマートフォンにも自撮り機能が搭載され、自撮りはすっかり当たり前のものになった感じがあります。

これは海外でも同じこと。英語で自撮りは「selfie」と言うそうです。「self-は「自分を、自分(だけ)で、自分に(たいして)」などの意味をもつ構成要素(p.89)」ということで、自分で自分を写す「自撮り」に使われているようです。

 

教科書を読むだけではなく、「生きた英語」を学ぼう

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いかがでしたか?
英語でどう言えば良いか分からなかった言葉や、初めて聞いた言葉などもあったのではないでしょうか。

もちろん、ここで紹介したのはほんの一部分だけです。その他にも、日常の言葉から政治・経済に関わる言葉まで、非常に幅広く紹介されています。よくニュースなどで見かける言葉が多く、単に英単語を学ぶだけでなく、最新の時事問題などにも詳しくなることができます。

どうしても、「英語を勉強する」というと、教科書のような本で文法を学んだり、一般的な単語集を使って語彙を増やしたりすることが多くなると思います。
しかし、言葉は生き物で、常に移り変わっています。世の中で日々さまざまな出来事が起こり、新しい概念が生まれていく中で、それに応じてどんどん新しい言葉が生まれてきています。そういった新しい言葉を自分ひとりでキャッチアップしていくのはとても大変ですが、こういった本にまとめられていると手軽に学ぶことができますね。

この本を読んで、最新の「生きた英語」を身につけてみましょう。

■ご紹介書籍
「歩きスマホ」を英語で言うと? −時事語・新語で読み解く日米の現在』 / 石山宏一 小学館新書

 

ライター

ラッテ
3度の飯より本が好き。興味のおもむくままに、いろいろな分野の本を読んでいます。特によく読むジャンルは、IT、美術、語学、旅行、インテリア、漫画など。本好きが高じて、書店員をしていたこともあります。