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いくえみ綾 おすすめ漫画|女性が共感する作品多数!


更新日:2019/11/15

いくえみ綾 おすすめ漫画

2019年に、なんとデビュー40周年を迎えた漫画家いくえみ綾さん。

あくまでも個人的な意見ですが、少女漫画界のカリスマの1人であり、絵を見たら「知ってる!」「読んだことがある!」という人も多いのではないでしょうか?

今回のコラムでは、いくえみ綾さんの代表作から、あまり知られていない作品まで、おすすめの作品を紹介したいと思います。

 

『潔く柔く』

『潔く柔く』表紙

潔く柔く
集英社

由麻は通学電車で痴漢に悩まされている。同級生のスワは由麻を守るため一緒に通学し、2人は付き合い始めることに。だが、由麻は毎朝同じ電車に乗る生物教師の梶間が妙に気にかかり…。(1巻 表紙裏)

 

講談社漫画賞少女部門の受賞作。
青春時代のみずみずしい恋が描かれた、連作短編集です。幼なじみを事故で亡くしたカンナを中心に、毎巻主人公が立ち替わる形で物語が描かれます。

1つの事象に対して、登場人物それぞれの視点・心理描写が丁寧に描かれているため、物語に深みがあり、読んでいるとつい感情移入してしまいます。
意識せずとも、ぐっと引き込まれてしまうのです。

それぞれのエピソードは全て繋がっているので、「あ~この話とこの話が繋がるんだ!」と感動を覚えることも多く、私は13巻一気に読んでしまいました。
切なくて泣きたい方におすすめです。

 

『G線上のあなたと私』

『G線上のあなたと私』表紙

G線上のあなたと私
集英社

寿退職の当日に婚約破棄され、フラフラと立ち寄ったCDショップで聞いた『G線上のアリア』。あの曲を、弾いてみたい。無職になって通い始めた月曜7時、大人のバイオリン教室。優雅な御趣味と思いのほか、人間関係もバイオリンも一筋縄ではいかなくて!? 初心者3名+講師、とりどりの人間模様、華やかに開幕!(1巻表紙裏)

 

大人のバイオリン教室に通う、初心者の元OLの也映子、大学生の理人、パート主婦の幸恵の物語。

発表会を機にクラス外でも一緒に練習するようになり、仲良くなった3人。お茶を飲みながら、婚活・叶わぬ恋・姑問題を語っている姿には、親近感を感じます。

一言で言うならば、大人の習い事漫画です。いくえみさんの作品は、どちらかと言うと闇を感じる作品が多いのですが、本書は珍しく、明るくて楽しい作品です。

忙しい日常の合間に、自分の好きなことを練習したり、頑張るというのは良いですね。読んでいると、何か新しいことを始めたくなりますよ。

 

 『私・空・あなた・私』

『私・空・あなた・私』表紙

私・空・あなた・私
幻冬舎

14歳の鈴木れもんは、ある日「安達家」に引き取られる。「安達家」とは、父親の本妻・胡桃と、異母姉妹の林檎、杏が暮らす家。

実は、れもんは父親の浮気でできた子供なのだ。

新しい「家族」の中で、れもんの暮らしは始まる。(表紙裏)

 

14歳の女の子の鈴木れもんが、植木職人のイズミに恋する物語。れもんが、実の父親の本妻である胡桃の家に引き取られるシーンから物語は始まります。

浮気相手の子供が、本妻&異母姉妹と一緒に暮らす。というと、ありがちな愛憎劇を想像してしまうのですが、ドロドロの描写は全くありません。

ですが、れもんは、家族になりきれない寂しさを感じています。そして、恋に走ろうとするも、恋した相手は義母に恋している……。
現実ではなかなか有り得ない、いびつな家族の形です。ですが、傍目から見ると仲の良い家族に見えても、内心ではことってありますよね。いくえみ作品の中では、暗くもなく、明るくもないという一冊ではないでしょうか。

重いのは苦手だけれど、秋の夕暮れに少し切なくなりたい方に。

 

『あなたのことはそれほど』

『あなたのことはそれほど』表紙

あなたのことはそれほど
祥伝社

医療事務として働く美都は、飲み会の帰り道に、想って想って想い続けた初恋の人・有島に再会、男女の仲に。

しかし、彼は既婚者で、美都にもすでに優しい夫がいて――――。(帯)

 

底なしのW不倫を描いた一冊。

「2番目に好きな人」と結婚した美都。美都の夫であり、彼女の携帯をこっそりチェックするのが日課の涼太。明るくてノリの良いイケメンの有島。有島の妻であり、洞察力が鋭い麗華。
四者四様の心理描写が巧みに描かれていますが、皆それぞれ闇を抱えており、なかなかに難解です。理解ができない価値観もあります。

W不倫でドロドロの漫画ですが、悲壮感は全くありません。登場人物同士の会話も軽妙でテンポが良く、重い気持ちになりません。
でも、その軽妙な会話の中に、数多の伏線や隠喩が張り巡らされているんですよね。

注意を凝らして読んでいると分かるけれど、流し読みしていたら見逃してしまいそうな表現の数々。それが、いくえみファンを増やし続ける所以だと個人的には思っています。

 

『プリンシパル』

『プリンシパル』表紙

プリンシパル
集英社

東京の学校でハブられ3人目の継父とはうまくいかず、札幌の実父のもとへ引っ越した糸真。そこで出会ったのは、和央と弦。2人に近づくとハブられるらしいけど、恋に落ちてしまったら仕方ありませんね。(表紙裏)

 

「普通の女子高生」の等身大の姿を描いた一冊。

東京から札幌へ引っ越してきた糸真(しま)は、ひょんなことから、和央と弦という男の子と知り合います。しかし、2人は学校中の人気者であり、女子の間では「ぬけがけ禁止」が暗黙の了解。

2人と一緒にいるところを見られた糸真はテンパり、「あんたたちみたいな人は、つらいことなんてないんでしょう。あたしもうハブにされたくないもん」と叫びます。

可愛くもなくブサイクでもないキャラクター設定が、妙にリアルなんですよね。
自分の立ち位置をなんとなく理解しつつも、自分の居場所を必死に探す姿に、昔を思い出す方もいるかもしれません。

 

心を掴んで離さない いくえみ綾 作品

2019年でデビュー40周年のいくえみ綾さん。
40年もの間、最前線を走り続けているその魅力を、ぜひとも漫画で確認してみてくださいね。

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ライター:飯田 萌