あの頃をもう一度。90年代「花とゆめ」懐かしの名作漫画

更新日：2018/12/10

ほかの少女漫画雑誌に比べて、ちょっと大人な恋愛や、壮大なファンタジーを扱うことの多い白泉社の「花とゆめ」。

緻密なストーリーと、しっかりした人間ドラマに夢中になった人も多くいるのではないでしょうか。

ここでは、90年代に連載されていた「花とゆめ」の人気作をご紹介します。
幼い頃に読んでいた、という作品もあるかもしれません。

 

羅川真里茂『赤ちゃんと僕』

『赤ちゃんと僕』
羅川真里茂(著)

母を亡くした小学生の拓也は、多忙な父に代わって2歳の弟・実の子育てに追われる毎日。イヤイヤ期真っ最中の実は、いつも拓也を困らせるワガママを言ってばかりで……。

 

父子家庭の榎木家と、周囲の人たちとの交流を描いたハートフル・コメディ。
育児のこと以外にも、家庭の問題やいじめなどのテーマを扱っているため、大人になって改めて読むと、より面白さを理解できるかもしれません。

イヤイヤ期に入った幼児の世話は、大人でもどうしたら良いのか悩む人が多くいます。
子育てや年の離れた兄弟のお世話をしたことがある人なら、試行錯誤しながら実の面倒を見る拓也の姿にきっと共感できることでしょう。

 

中条比紗也『花ざかりの君たちへ』

『花ざかりの君たちへ』
中条比紗也(著)

走り高跳びの選手である泉に強く憧れる瑞稀は、彼が通う日本の男子校・桜咲学園に男装して転入するという暴挙に出た。
運良く泉と同じクラスで、寮も相部屋になった瑞稀だが……。

 

憧れの泉にいつしか恋をしていた瑞稀、瑞稀が女だと気づくも言えずにいる泉、女だと知らず瑞稀に惹かれる自分に悩む秀一の三角関係が描かれます。
実際にはあり得ないような設定ですが、王道の少女漫画を楽しめます。

瑞稀の恋は成就するのでしょうか？ それとも……？
一度読み始めたら、最後まで目が離せなくなることでしょう。

 

絵夢羅『Wジュリエット』

『Wジュリエット』
絵夢羅(著)

男勝りの高校生・糸が所属する廃部寸前の演劇部に、天野真琴という美少女が転校してくる。
意気投合した2人だったが、実は真琴の正体は「男の子」だった！

 

ボーイッシュな糸と、女装男子の真(真琴)が繰り広げる学園ラブストーリー。設定は少し変わっていますが、胸キュン必至の作品です。

女装姿は儚げな美少女そのものですが、なんと真は武道の達人。糸がピンチのときは、男らしく守ります。最初は男の子しか見えなかった糸が、真に恋をすることで女の子らしくなっていく姿も必見です。

「ギャップのある人に弱い」という方には特におすすめですよ！

 

立花晶『サディスティック・19』

『サディスティック・19』
立花晶(著)

1つの話が数ページで完結するオムニバス形式のギャグ漫画。

可愛い絵柄に似合わないブラックジョークと、ニヤリを笑いたくなるようなギャグが魅力の作品です。

当時の「花とゆめ」連載作品の中でも異色の存在だったので、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか？
小ネタも満載！ 何も考えずにギャグ漫画を楽しみたい人は、ぜひ『サディスティック・19』を読んでみてくださいね。

 

山田南平『紅茶王子』

『紅茶王子』
山田南平(著)

奈子、美佳、雪子だけが所属する、風早橋学院のお茶同好会。
ある日、満月の夜に3人で紅茶を飲んでいると、ティーカップの中からアッサム、アールグレイと名乗る2人の小さな王子様が現れて……。

 

お茶会同好会に所属する3人と紅茶王子たちが繰り広げる、可愛らしいファンタジー作品です。
漫画の中でさまざまな紅茶の楽しみ方を紹介しているため、連載当時はこの作品がきっかけで紅茶ブームにもなりました。

紅茶王子たちは、召喚した人間の願いを叶えなければ元の世界に戻ることができません。彼らは、主人たちのどんな願いを叶えるのでしょうか？

ストーリーが進むにつれて明かされていく紅茶王子たちの秘密も見逃せませんよ。

 

由貴香織里『天使禁猟区』

『天使禁猟区』
由貴香織里(著)

怪我ができない、人の血を見ると眠気に襲われるといった特異体質を持つ刹那。
自分は普通の人間だと信じていた刹那だが、実は自分は有機天使アレクシエルの生まれ変わりということを告げられる。

 

地球、死後の世界、地獄、天国の4つの世界が舞台となっており、重厚なストーリーと緻密な心理描写は、とてもクオリティが高いです。

実の妹・沙羅を愛する刹那の禁断の恋の行方を、ハラハラしながら見守った方もいるのではないでしょうか？

壮大な物語を読みたい人におすすめです。

 

高屋奈月『フルーツバスケット』

『フルーツバスケット』
高屋奈月(著)

訳あってテントで生活していた高校生の透。ところがそこは、同級生で学校一の美少年・由希らが住む、草摩家が所有する空き地だった。

 

家族を亡くした透と、生まれつき物の怪にとりつかれた一族・草摩家の人たちとの交流が描かれます。
当時の人気はすさまじく、「最も売れている少女マンガ」としてギネスにも認定されました。

草摩家の人間は、それぞれの特異体質による辛い過去や悩みを抱えています。いつも元気な透も例外ではありません。

お互い欠点や問題を抱えながらも、人を好きになり、傷ついた心を癒やしていくといった、優しさと温かさを感じられる作品ですよ。

 

藤崎真緒『瞳・元気KINGDOM』

『瞳・元気KINGDOM』
藤崎真緒(著)

両親のいない響は、とある事件が原因でお世話になっていた親戚の家を出ることに。1人暮らしを始めたのだが、なんとアパートが火事で焼けてなくなってしまう。
すると学校一の有名人・義王が、響と一緒に暮らすことを提案してきて……!?

 

男性に対してトラウマを抱く響の成長と、義王との恋愛模様が描かれた物語。
心に深いキズを持つ響は、義王の男らしい優しさに触れて、少しずつ男性恐怖症を克服していきます。

義王のちょっと強引だけど男気あふれる優しさに、きっと胸がときめいてしまうはず！
とにかく胸キュンしたい乙女はぜひ！

 

山口美由紀『フィーメンニンは謳う』

『フィーメンニンは謳う』
山口美由紀(著)

貧乏学生のリーナは、可愛らしい少女を拾った。

ある日、その少女を探しにきたという青年シルビィが妖精の世界から現れるが、リーナは彼に対して不信感を募らせていた。
少女の無事を見守るため、リーナは妖精の世界に旅立つことに……。

 

少女の正体は未来の妖精の女王。「ミルッヒ」という名をリーナが与え、ともに旅をします。

子供の頃の記憶がないリーナの過去、ミルッヒの成長、ミルッヒを狙う魔物の女王・ラミアドナとの戦いなど、単行本全5巻と短めではありますが読み応えたっぷりです。

王道ファンタジーが好きな人は手にとってみてくださいね。

 

仲村佳樹『東京クレイジーパラダイス』

『東京クレイジーパラダイス』
仲村佳樹(著)

2020年、犯罪が多発する街となった東京で、両親を亡くした紅月家の4兄弟は路頭に迷っていた。
借金を返済するため、食べていくために、4兄弟の一人・司は、九竜組三代目組長・白神竜二のボディガードになることを決心する。

 

司と竜二が繰り広げるハードボイルドな近未来アクションストーリー。戦闘シーンは少女漫画とは思えぬほど迫力満点です。

バトルだけでなくギャグとラブロマンスがストーリーの中にバランスよく盛り込まれているため、最後まで飽きずに読むことができると思います。

アクションたっぷりの少女漫画を読みたいときにおすすめです。

 

あの頃の「花とゆめ」の世界をもう一度

今回紹介した作品の中に、子供の頃読んでいた漫画、好きだった漫画はあったでしょうか？
大人になった今改めて読んでみると、当時は分からなかった新しい発見もあるかもしれません。

中には続編、外伝のある作品もあるので、あわせて読んでみてくださいね。90年代「花とゆめ」の世界に、どっぷりハマっちゃいましょう！

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