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海外の古典ミステリーの名作といえばこの作品!


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ミステリーには長い歴史があり、今の時代にわたしたちが見る本や映像作品として作られるものも、もとをたどればその原型となる作品があります。

ミステリー作家は、過去の作品のトリックや謎解きのパターンを発展させながら、新しい作品を創り出しているといえるでしょう。

今回は、1990年に英国推理作家協会が出版した書籍リスト『史上最高の推理小説100冊』と、1995年にアメリカ探偵作家クラブが出版した『史上最高のミステリー小説100冊』のなかから、古典的なミステリーの原点となる名作を5つご紹介します!

 

すべての推理小説の原点!
『モルグ街の殺人事件』

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『モルグ街の殺人事件』
エドガー・アラン・ポー(著)、集英社

パリに滞在している「私」は、オーギュスト・デュパンと出会う。
二人が出会って間もなく、モルグ街で猟奇的な殺人事件が起こった。人の出入りができなくなっていた部屋、多数の証言の食い違いなど、謎に満ちた事件に興味を持った「私」とオーギュスト・デュパンは、独自に調査を始める。

 

密室殺人の元祖で、最初の推理小説といわれる作品です。
物語の結末まで明かされない犯人と、事件を解決する名探偵という、推理小説の原型がこの作品から始まりました。世界には、オーギュスト・デュパンに影響を受けて生まれた探偵がたくさん存在します。

ミステリーを語るならこの作品は読んでおかないと! と思い読みましたが、まさかの結末にあんぐりです……。

本作が発表されたのが1841年。その後1887年に日本語訳されたものが出版されました。以降多くの訳者による日本語版が出版されています。違う訳者のものを読み比べてみるというのも、海外古典ならではの楽しみ方です。

 

世界で最も有名な探偵が大活躍!
『シャーロック・ホームズシリーズ』

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『シャーロック・ホームズシリーズ』
アーサー・コナン・ドイル(著)、新潮社

誰もが知っているイングランド生まれの名探偵 シャーロック・ホームズ。

ホームジアン(イギリス)やシャーロキアン(米国、日本)と呼ばれる熱烈な愛好家が存在し、数多くメディア化された作品です。

長編・短編あわせて約60編あり、そのほとんどがホームズの相棒であるワトスンの事件記録という形で書かれているのが特徴です。犯行に至るまでがしっかり描かれているため、最後まで目を離せません!

風変わりな探偵と、常識ある者とのコンビは、先ほど紹介した『モルグ街の殺人事件』から影響を受けているのだそうです。

事件現場の手がかりから仮説を立てて真相を突き止めるというパターンは、以降のミステリーの原型となりました。

 

盛大に騙されて!
『アクロイド殺し』

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『アクロイド殺し』
アガサ・クリスティ(著)、早川書房

未亡人のフェラーズ夫人、その夫人と再婚が噂された富豪のロジャー・アクロイドが何者かに殺された。事件は迷宮入りするかと思われたが、ロジャーの姪であるフローラが、引退した探偵 ポアロに助けを求め、事件は一変する。

 

アガサ・クリスティは、1926年に出されたこの作品でベストセラー作家となりました。
アガサ・クリスティの作品は世界で10億部以上出版されているといわれ、史上最高のベストセラー作家としてギネスブックにも載るミステリーの女王です。

この作品には、読者があっと驚く仕掛けがあります。わたしも犯人はだれか自分なりに推理していましたが、盛大に騙されてしまいました。
発表当時は、この仕掛けを巡り大論争が起こったこともあるそうです。

アガサ・クリスティの工夫が随所に散りばめられた作品です。

 

ハードボイルド作品の先駆け!
『マルタの鷹』

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『マルタの鷹』
ダシール・ハメット(著)、早川書房

妹を探してほしいというブリジット・オショーネシーからの依頼を受けたサンフランシスコの探偵 サム・スペード。相棒のマイルズ・アーチャーに、フロイド・サースビーを尾行させるのだが、その夜二人は死体となって発見されるのだった……。

 

レイモンド・チャンドラーとともに、ミステリーにハードボイルドというジャンルを確立した作家として知られるダシール・ハメット。
本作は1930年に単行本化された、私立探偵サム・スペードを主人公とする長編ミステリーです。

1941年に映画化され、サム・スペード役を務めたハンフリー・ボガートの出世作となった作品でもあります。

 

ハードボイルドとは、登場人物の内面的な描写を排した、客観的で簡潔な文体が特徴のミステリーのサブジャンルのこと。

本格的な推理や謎解きなどはありませんが、息もつかせないスピード感のある展開は読者を惹きつけます!

 

ベッドで寝ていながら推理!?
『時の娘』

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『時の娘』
ジョセフィン・テイ(著)、早川書房

犯人追跡中に足を骨折し、ベッドで退屈していたアラン・グラント警部。そんなグラント警部が、悪評高き王・リチャード三世の肖像画や歴史書から、彼の素顔を読み解こうとする。

 

1951年に発表され、ミステリーのサブジャンルのなかでは歴史ミステリー、アームチェアディテクティブの先駆けとなった名作です。
アームチェアディティクティブは、主人公である探偵が真相の解明にあたり、現場に出向くことはせずベッドやアームチェアに居ながら推理を展開していくというもの。

本作を読むにあたり、イギリスの歴史についての知識がないと読み進めるのが少し難しいかもしれません。しかし、グラント警部のひらめきと思考力には、目を見張るものがありました。

グラント警部により導かれた結論から、教科書で淡々と習ってきた歴史って何なんだろう……と考えさせられます。

 

 

一度味わうべき古典ミステリー!

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これらの他にも、初のスパイ小説であるジョン・ル・カレの『寒い国から帰ってきたスパイ』。ダイイング・メッセージという言葉をはじめて世に送り出したエラリー・クイーンの『Xの悲劇』。アリバイ崩しの典型であるアガサ・クリスティーの『ナイルに死す』など、今は一般的になったジャンルやトリックの原型となった作品が数多く存在します。

そこから発展した後の数々の作品のなかにあって、今も消えずに読み継がれる古典的名作は惹きつけられる素晴らしい何かを持っていると思います。

一度読んでみてはいかがでしょうか?

 


今回ご紹介した書籍

モルグ街の殺人事件』エドガー・アラン・ポー(著)、集英社
シャーロック・ホームズシリーズ』アーサー・コナン・ドイル(著)、新潮社
アクロイド殺し』アガサ・クリスティ(著)、早川書房
マルタの鷹』ダシール・ハメット(著)、早川書房
時の娘』ジョセフィン・テイ(著)、早川書房


海外も名作ぞろいですが、では、日本国内の古典ミステリーは?