衝撃のトリックミステリー小説|本格推理を楽しもう!
更新日:2017/6/13
この頃、「叙述トリック」(読者のミスリードを誘う仕掛け)を使用したミステリー小説が流行っていますね。私も愛好者の1人です。
ですが、”どんでん返し”ではなく、”謎を解く過程”こそがミステリーの醍醐味だ!と言う読者も少なくないのではないでしょうか。
今回取り上げるのは『本格ミステリ』。
・技巧的なトリックがとにかくすごい
・世界中もしくは日本中で、知れ渡っている
・衝撃の結末が待っている
そんな作品を中心にピックアップしましたが……、ここで1点ご注意ください! この先の紹介文中、人によってはネタバレと感じる記述もあるかもしれません。
「予備知識なく作品を楽しみたい!」という方はこの先は読まないでください。
ですが、本当に面白い!と感じた作品をチョイスしましたので、次に読む作品選びの参考になればうれしいです。
あなたも探偵の目線に立って、ペンとメモを片手に、謎を解き明かしてみませんか?
金田一耕助シリーズの傑作!
『獄門島』
『獄門島』
横溝正史(著)、角川グループパブリッシング
500名の推理小説作家やミステリ評論家が選ぶ『週刊文春 東西ミステリーベスト100』(1985年・2012年に開催)で、両年ともに1位を獲得した作品。
主役は、かの名探偵・金田一耕助。なんども映画やドラマになっているので、ご存知の方も多いでしょう。
1947年~48年に連載されていた作品なので、約70年前に描かれた作品ではありますが、今読んでも古さを感じさせないことに驚きます。
日本最高峰のトリックは、ぜひ手に取って確認してみてください。
最後の最後にすべてが解ける
『そして誰もいなくなった』
『そして誰もいなくなった』
アガサ・クリスティ(著)、早川書房ほか
世界中のミステリ好きに愛され、累計1億部以上を売り上げるアガサ・クリスティの代表作。
こちらも『獄門島』と同様、孤島ものです。本書は、孤島ものの走りとも評されています。あまりにも有名な作品ですが、読んでいて背筋が凍るような恐怖感や緊迫感は、さすがの筆致だと言わざるを得ません。
事前知識なしで、この難解なトリックを解き明かすことができる人などいるのでしょうか…?
「館シリーズ」の1作目
『十角館の殺人』
『十角館の殺人』
綾辻行人(著)、講談社
アメリカの情報誌「パブリッシャーズ・ウィークリー」が選ぶ2015年・ベストブックを獲得した作品。各国で翻訳され、海外でも評価が高いミステリとして知られています。
クリスティの『そして誰もいなくなった』をオマージュした作品なので、本書を読む前に『そして誰もいなくなった』を読んでいると、ますます面白く読み進めることができますよ。
なお、衝撃的な結末は、叙述トリックの先駆けとしても評されています。
島田荘司氏のデビュー作!
『占星術殺人事件』
『占星術殺人事件』
島田荘司(著)、講談社
”ゴッドオブミステリ”!日本ミステリ界の重鎮として人気が高い、島田荘司さんのデビュー作。
『金田一少年の事件簿 異人館村殺人事件』に大きな影響を与えた作品として、取り上げられたことでも有名な作品ですね。
猟奇的でグロテスクな表現も多々あり、読むのが辛い場面もありますが、トリックのすごさには言葉を失います…(そして読んでよかったと思います)。
なお、「週刊文春 東西ミステリーベスト100」(2012年)3位受賞作品でもあります。
S&Mシリーズ第3弾
『笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE』
『笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE』
森博嗣(著)、講談社
”理系ミステリィ”を描く、森博嗣さんの作品。森作品の中でもっとも”本格ミステリ”である一冊です。
「トリックはわざと簡単にして、もう一つ裏のトリックとも言うべき謎を提起した」と森さんが発言したことにより、裏のトリックとはいったい何なのか?ということが、ミステリ好きの間で話題になりました。
”逆トリック”を堪能したいならこの作品をお勧めします。
本格ミステリで謎解きを楽しもう
本格ミステリの醍醐味は、謎解きまでの過程です。名探偵気分で、謎を解いてみてはいかがでしょうか?
【関連記事】叙述トリックとは?叙述トリックの意味とおすすめ小説20選
今回ご紹介した書籍
『獄門島』
横溝正史(著)、角川グループパブリッシング
『そして誰もいなくなった』
アガサ・クリスティ(著)、早川書房
『十角館の殺人』
綾辻行人(著)、講談社
『占星術殺人事件』
島田荘司(著)、講談社
『笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE』
森博嗣(著)、講談社
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