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東野圭吾の笑える小説おすすめ5選


更新日:2016/7/12

東野圭吾の笑える小説

日本中でその名を知らないものはいない、といっても過言ではないベストセラー作家・東野圭吾さん。

ミステリー小説や社会派小説など、様々なジャンルを書くことで有名な東野さんですが、東野さんが描く作品のジャンルのひとつに「笑える小説」があることはご存知でしょうか。

実は、コテコテの大阪人である東野さん。「笑える小説」といっても、東野さんの作品には、大笑いできるものから、コミカル要素が強いもの、クスッと笑えるもの、ブラックユーモアと、幅広い「笑い」が詰まっています。

今回はそんな幅広い「笑える小説」を、5作品ピックアップしたいと思います。

 

舞台裏も見せちゃうコメディミステリー!

『名探偵の掟』表紙

名探偵の掟
講談社

名探偵の天下一大五郎と大河原警部のコンビが、12の難事件に挑む痛快ミステリー短編集。

ただ、ありきたりなミステリー短編集ではありません。
本の中の2人が、ときどき小説の世界を離れては愚痴を言ったり、ミステリー小説の舞台裏を明かしながら話が進んでいくのです。

事件のシチュエーションも、完全密室、時刻表トリック、バラバラ殺人、童謡殺人、見立て殺人など、ミステリー小説のド定番。

また、なぜか崖っぷちに犯人を呼び出して事件解決となる、ミステリー小説にありがちな「お約束」を皮肉る一面も。ミステリー好きが読むと「あるある!」「わかるわかる!」などと頷きながら、笑ってしまうことでしょう。

なお、番外では西野刑吾(※東野さんではありません)が登場! ミステリー小説をぶった斬ってくれます。

「天下一大五郎シリーズ」セットはこちら

 

毒舌非常勤講師がクールに学校の事件を解決!

『おれは非情勤』表紙

おれは非情勤
集英社

本書は、学習研究社の小学生向け学習雑誌「学習」に掲載された作品を1冊にまとめたジュブナイル(少年・少女向けの本)です。
小学生向けの作品も書いているとは、東野圭吾さんが描く世界の幅広さを改めて感じさせられますね。

主人公の「おれ」は、いくつかの学校を渡り歩く25歳の非常勤講師。タイトルの「非情勤」は「非常勤」と「非情」を合わせたものとなっています。

「おれ」が赴任する小学校は一話ごとに異なり、「おれ」は小学校で起こる盗難事件、いじめ、殺人事件をクールに解決していきます。

「だから、世の中は狂っているんだよ」などと小学生に発言する先生……非情というほどでもありませんが、なかなかいませんよね。その毒舌ぷりにはついクスッと笑ってしまうことでしょう。

 

東野流ブラックユーモアを楽しめる短編集

『毒笑小説』表紙

毒笑小説
集英社

社会的テーマをブラックユーモアに変換した短編集。
本書では、老人の福祉における問題が多く取り上げられています。

収録されているタイトルも「マニュアル警察」「ホームアローンじいさん」「花婿人形」「殺意取扱説明書」など、どんな内容なのか想像できないものばかり。

なお、収録されている「本格推理関連グッズ鑑定ショー」は、はじめに紹介した「名探偵の掟」に出てくる天下一大五郎の心張り棒が持ち込まれたり、第一発見者の山田鉄吉が登場するなど、笑えるポイントが満載です。
先に「名探偵の掟」を読むと面白さ倍増ですよ。

 

短編のタイトルが気になったら読んで損なし!

『怪笑小説』表紙

怪笑小説
集英社

こちらも、社会的テーマをブラックユーモアに変換した短編集。
本書では、老人の福祉における問題が多く取り上げられています。

収録されているタイトルも「鬱積電車」「おっかけバアさん」「超たぬき理論」「無人島大相撲中継」「しかばね台分譲住宅」「あるジーサンに線香を」などなど、ユニークなものばかり。「あるジーサンに線香を」は、「アルジャーノンに花束を」のパロディとなっています。

オチにひねりが効いており、つい笑ってしまうものの、考えさせられる作品が揃っているといえます。短編のタイトルが気になったら読んで間違いなしのブラックユーモア短編集させられる作品が揃っているといえます。

 

下ネタ全開の1冊!
『白夜行』を読んでから読みたい1編も

『黒笑小説』表紙

黒笑小説
集英社

こちらは、下ネタ全開の短編集。
タイトル通り、黒い笑い=ブラックな笑いが欲しい時にぴったりの1冊です。

あらゆるものがなぜか巨乳に見えてしまう男を描いた「巨乳妄想症候群」というタイトルには少し驚いてしまいました!途中で巨乳うんちくを披露したり、なぜ男は巨乳が好きなのかを分析する姿に、ついクスッと笑ってしまいます。

「モテモテスプレー」は、タイトル通り、吹きかけるとモテモテになるスプレーにまつわる話。東野さんってこういう作品も書くんだなとファンは驚くのではないでしょうか。

なお、収録されている「シンデレラ白夜行」は、グリム童話の「シンデレラ」と東野さんの代表作『白夜行』を合わせたもの。虐げられる健気なシンデレラの真相が明らかになります。
ぜひ『白夜行』を読んでから愉しんでみてください。

 

東野圭吾短編集はクセになる面白さ!

ここまでやるの?!と驚くほど、幅広い視点で読者を笑わせてくれる東野圭吾さん。

今回ご紹介した5作品はすべて短編集なので、ちょっと本を読みたい時や、リフレッシュしたい時にぴったりです。一度読むとくせになること間違いなしの面白さですよ。

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