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西郷隆盛について学べる本・漫画|2018年大河ドラマの主人公!


更新日:2019/10/18

西郷隆盛像

誰もが一度はその名を聞いたことがあるであろう、西郷隆盛。
日本が大きく変わった幕末から明治にかけて活躍した薩摩の志士です。2018年の大河ドラマ「西郷(せご)どん」の主人公にもなり、話題となりました。

大河ドラマの「西郷どん」は林真理子さんが原作でしたが、他にも西郷隆盛について書かれた作品は多数あります。

ここでは、西郷隆盛について知ることのできる、おすすめの作品をご紹介します。

 

『西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか 西郷どん愛犬史』

『西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか 西郷どん愛犬史』表紙

西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか 西郷どん愛犬史
仁科邦男(著)、草思社

西郷の謎をとくヒントは犬にあり。(帯)

西郷隆盛といえば、犬を引き連れ、仁王立ちしている姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

そういえば、なぜ犬と一緒にいるのか……? 本書は、謎多き西郷の、愛犬家としての一面にスポットを当てた作品です。

長州勢が夜中まで芸者遊びなどをしているなか、犬しか眼中になかった西郷。
温泉も、食事も、犬と一緒。しかも1匹でなく複数の犬を飼っており、西南戦争にも3匹の犬たちを連れて出陣しています。

この着眼点のなんと面白いこと。西郷を知るうえで、絶対に読んでおきたい一冊です。

 

『話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」』

『話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」』表紙

話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」
長尾剛(著)、PHP研究所

西郷隆盛に心酔した、かつて敵対関係であった旧庄内藩(現在の山形県鶴岡市)の藩士たちが、維新後に西郷の言葉や話をまとめた遺訓集。

「西郷南洲翁」とは西郷隆盛のこと。本著は、西郷に関わるエピソードや話を交えながら、現代の人にも分かりやすいように話し言葉で再編集した一冊です。

 

西郷が遺した言葉には、人の上に立つ者としての心構えや教訓が満載です。一本筋の通った彼の生き様は、現代に生きる人たちをも魅了しています。
いかに西郷が魅力的だったか分かる一冊です。

本著は、西郷の人となりを知る「西郷隆盛入門」に適した本と言えるでしょう。

 

『人斬り半次郎』

『人斬り半次郎』表紙

人斬り半次郎
池波正太郎(著)、新潮社

幕末編と賊将編の全2巻で構成された歴史小説『人斬り半次郎』。中村半次郎、のちに初代陸軍少将となった桐野利秋の半生を中心に書かれています。

西郷隆盛は本作で、半次郎の人生に大きく影響を与えた重要な人物として登場。

幕末編では、「今に見ちょれ」と逆境に負けることなく生きる貧乏侍の中村半次郎が、西郷吉之助(のちの西郷隆盛)に出会い、成長していく様が描かれます。
賊将編では、半次郎が西郷とともに西南戦争を戦い、短い人生を生きた様子が迫力を持って表現されています。

中村半次郎が、死をともにすることを厭わなかった西郷。別の角度から西郷について知ることのできる作品です。

 

『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』

『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』表紙

西郷隆盛 命もいらず名もいらず
北康利(著)、ワック

本作は、西郷隆盛の生き様を通して、現代の日本人が国難に対していかに立ち向かうべきかを教えてくれる大型ノンフィクション。

生涯の主君となる島津斉彬との関わり、勝海舟との出会い、尊王攘夷、薩長同盟、大政奉還と、幕末から明治維新への大きなうねりを、客観的に史実に添って書かれた、歴史初心者にも読みやすい本になっています。

タイトルの「命もいらず名もいらず」とは、『西郷南洲翁遺訓』に出てくる言葉。
人の上に立つ者は命も官位もお金も投げ捨てなければ国家の大業を成し遂げることができないと説いた言葉です。

西郷の生き様から、今の日本国家がないがしろにしていること、忘れていることを思い出させてくれますよ。リーダーとしての心構えを教えてくれる一冊です。

 

『史伝 西郷隆盛』

『史伝 西郷隆盛』表紙

史伝 西郷隆盛
海音寺潮五郎(著)、文藝春秋

鹿児島県出身の海音寺潮五郎さんは、同郷の英雄である西郷隆盛の登場する作品を多く執筆しています。

西郷の生き様や薩摩の風土を、島津家を通して描きます。資料も非常に多くて分かりやすく、幕末史全体のこともこの一冊で学ぶことができますよ。

当時の薩摩の様子が目に浮かびリアリティ溢れる描写は、西郷を熟知した海音寺ならではです。

 

『維新を創った男 西郷隆盛の実像 明治維新150年に問う』

『維新を創った男 西郷隆盛の実像 明治維新150年に問う』表紙

維新を創った男 西郷隆盛の実像 明治維新150年に問う
粒山樹(著)、扶桑社

何かと偶像視されがちな西郷隆盛。明治維新の立役者の1人として、ヒーローのようなイメージがあるのかもしれません。
一方で、西南戦争の中心人物だったとされるため、”明治の逆賊”と称されることもあります。

西郷隆盛の一部分だけが独り歩きして肥大化されていると考えた著者の粒山さん。本作では、そんな西郷の実像に迫っており、資料や逸話を踏まえ、粒山さんの考察が綴られています。

通説ではその言動が謎に満ちているとされる西郷も、実は思慮深く策略家であり、複雑な考え方を持つ人物なのかもしれません。

 

『西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦』

『西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦』表紙

西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦
小川原正道(著)、中央公論新社

明治維新が成し遂げられ、日本が大きく変わるなか起こった西南戦争。
本作では、8ヶ月に渡り南九州を中心に起こった内戦の経緯や状況を追い、そのなかでの西郷隆盛の姿が記されています。

明治政府発足後、多くの士族達は反発し、反政府感情を持つようになります。薩摩の士族達も明治政府に不満を持っていました。
そうして薩摩の私学生達がきっかけで起こった西南戦争は、熊本城籠城から次々と九州各地へ広がりを見せます。

凄惨な戦いの中で追い詰められた西郷は、何を思って自害していったのでしょうか。

時系列で細かく戦況が書かれているのでわかりやすく、終戦後の様子や後世への影響まで知ることができる本です。

 

『大西郷の逸話』

『大西郷の逸話』表紙

大西郷の逸話
西田実(著)、南方新社

多くの謎に満ちている西郷隆盛の逸話を集めた本作。老若男女問わず気さくに声をかけるなど、人間味溢れるユーモアたっぷりな西郷隆盛が描かれています。

西郷の真面目すぎる性格や、家族愛にも満ちた性格など、「人間・西郷隆盛」を垣間見ることができますよ。
16歳で天皇となった明治天皇と、その教育係だった西郷との関わりについても書かれており、非常に細やかな気遣いもできる人物だったことが分かります。

1話5分ほどで読める逸話が200以上載っているので、ちょっとしたスキマ時間に読むのがおすすめです。

 

『西郷隆盛 人を相手にせず、天を相手にせよ』

『西郷隆盛 人を相手にせず、天を相手にせよ』表紙

西郷隆盛 人を相手にせず、天を相手にせよ
家近良樹(著)、ミネルヴァ書房

一次資料を基に、著者の家近良樹氏によって西郷隆盛の生涯が描き出された本作。西郷隆盛の人生を誕生から遡り、死後、現代において「人気のある歴史上の人物」になるまでを解説しています。

西郷といえば、恰幅が良く豪傑ですが、生真面目といったイメージがあるのではないでしょうか?
しかし、実は、他人に対して厳しい目を持つ、繊細な心の持ち主だったようです。その性格が故に、周囲の人間関係には亀裂が入りやすく、通説とは少し異なった見解が示されています。

歴史的英雄ではなく、生涯、人間関係に悩む1人の男としての西郷隆盛を知ることができます。
謎多き”西郷どん”の意外な姿に、現代人と同じように悩み生きてきた人物なんだと、親近感の湧いてくる一冊です。

 

『コミック 西郷隆盛』

『西郷隆盛』表紙

コミック 西郷隆盛
横山まさみち(著)、林房雄(原作)、講談社

活字ばかりじゃしんどい……! そんなあなたには、西郷隆盛を漫画で学べる作品をおすすめします。

物語は西郷隆盛が19歳の頃、”吉之助”と名乗っていた青年期から始まります。

のちに明治維新の牽引を成し遂げる西郷の前に立ちはだかる、いくつもの苦境。若き日の西郷隆盛の姿がイキイキと描かれており、西郷の心情をより深く感じることができます。

指宿温泉で砂風呂を楽しんでいたり、離別した妻の愛加那の突然の来訪にうろたえたり、お茶目な西郷をお見逃しなく!

 

作品を通して知る西郷隆盛の人物像

名前こそ有名でありながら、その人物像はいまだに謎に包まれている西郷隆盛。

仇敵にも慕われた西郷隆盛は、幕末から維新への時代を語るのに無くてはならない人物でした。ぜひ、彼の人となりに触れてみてください。