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2018年大河ドラマは「西郷どん」! 西郷隆盛が活躍する作品3選


西郷隆盛像

2018年の大河ドラマに、西郷隆盛を主人公とした『西郷(せご)どん』が決定しました。誰もが一度はその名を聞いたことがある西郷隆盛ですが、当時どんな活躍をしたのか、改めて興味が湧きますね。

 

大河ドラマの『西郷どん』は林真理子氏が原作ですが、他にも西郷隆盛について書いた作品は多数あります。

中でも司馬遼太郎氏の『翔ぶが如く』は有名です。しかし、『翔ぶが如く』は10巻にも及ぶ長編なので、手を出しにくい……という方もいるかもしれません。
今回は、もう少し気軽に西郷隆盛について読める作品をご紹介します。

 

話し言葉で分かりやすい、西郷隆盛の言葉たち

話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」

『話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」』
長尾剛(著)、PHP研究所

本著は、西郷隆盛に心酔した、かつて敵対関係であった旧庄内藩(現在の山形県鶴岡市)の藩士たちが、維新後に西郷の言葉や話をまとめた遺訓集です。

「西郷南洲翁」とは西郷隆盛のこと。本著は、西郷に関わるエピソードや話を交えながら、現代の人にも分かりやすいように話し言葉で再編集した一冊です。

 

長尾剛氏はノンフィクション、歴史小説作家で、日本史や儒教、仏教、心理学などの難解な文章を分かりやすい本にする作家であることでも有名です。
例えば、『手にとるようにユング心理学がわかる本』や『手にとるように「おくのほそ道」がわかる本』、『坂口安吾・人生ギリギリの言葉』など、独自の解釈も交え理解しやすい本にしています。

 

晩年は国賊として追われる立場になった西郷隆盛ですが、残した言葉には、人の上に立つ者としての心構えや教訓が満載です。一本筋の通った西郷隆盛の生き様は、現代に生きる人たちをも魅了しています。

作者の長尾氏は、前書きの中で西郷を「自分で自分を後世に残す、ということをしたがらない人」と書いています。
自分で語らなくても長く後世に語られるということは、いかに西郷隆盛という人が魅力的だったか。遺訓をまとめたのが、幕末の仇敵である旧庄内藩士であることからも分かりますね。

本著は、西郷隆盛の人となりを知る「西郷隆盛入門」に適した本と言えるでしょう。

 

違う角度から西郷隆盛について読んでみる

人斬り半次郎

『人斬り半次郎』
池波正太郎(著)、新潮社

池波正太郎氏作の『人斬り半次郎』は、幕末編と賊将編の全2巻で構成された歴史小説です。

中村半次郎、のちに初代陸軍少将となった桐野利秋を中心に書かれています。半次郎が西郷隆盛の腹心だったことから、西郷が彼の人生に大きく影響を与えた重要な人物として登場します。

 

幕末編では、「今に見ちょれ」と先を見つめ逆境に負けることなく生きる貧乏侍・中村半次郎が、西郷吉之助のちの西郷隆盛に出会い、西郷に惚れ込んで成長していく様が書かれています。

賊将編は、半次郎が西郷隆盛とともに西南戦争を戦い、短い人生を生きた様子が迫力を持って表現された作品です。
前半には、当時の最先端であるざんぎり頭に香水を見にまとわせた桐野が登場。しかし、新政府の意向に反する西郷隆盛が征韓論争に敗れて帰郷してしまうと、西郷の心酔者である桐野たちも行動をともにし西南戦争へ……という大きな流れに引き込まれます。

主人公・中村半次郎が、死をともにすることを厭わなかった西郷隆盛。別の角度で西郷隆盛について知ることのできる作品です。

 

西郷隆盛の生き様とは

西郷隆盛 命もいらず名もいらず

『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』
北康利(著)、ワック

北康利氏作の『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』は、西郷隆盛の生き様を通して、現代の日本人が国難に対していかに立ち向かうべきかを教えてくれる大型ノンフィクションです。

 

生涯の主君となる島津斉彬との関わり、勝海舟との出会い、尊王攘夷、薩長同盟、大政奉還と、幕末から明治維新への大きなうねりを、客観的に史実に添って書かれた、歴史初心者にも読みやすい本になっています。

明治維新後の新政府が目指したのは、国家を近代化して欧米列強に肩を並べること。しかし、西郷隆盛は、日本の伝統的価値観を貫いた、「徳」による国家を目指したのです。

 

タイトルの「命もいらず 名もいらず」とは、「西郷南洲翁遺訓」に出てくる言葉。「官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。此の仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」と続きます。
人の上に立つ者は命も官位もお金も投げ捨てなければ国家の大業を成し遂げることができないと説いた言葉です。

西郷隆盛の生き様から、今の日本国家がないがしろにしていること、忘れていることを思い出させ、リーダーとしての心構えを教えてくれる一冊です。

 

小説を通して知る西郷隆盛の人物像

西郷隆盛を題材にした小説は、海音寺潮五郎や芥川龍之介など多くの作家によって書かれています。ご紹介したのは、比較的読みやすく西郷隆盛の人物像が理解しやすい作品です。

仇敵にも慕われた西郷隆盛は、幕末から維新への時代を語るのに無くてはならない人物。大河ドラマが始まる前に、一度読んでみてはいかがでしょうか。

 


今回ご紹介した作品

話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」
長尾剛(著)、PHP研究所

人斬り半次郎
池波正太郎(著)、新潮社

西郷隆盛 命もいらず名もいらず
北康利(著)、ワック


 

過去に放映された大河ドラマを見てみては?