ブックオフオンラインコラム
ブックオフオンライントップへ
ブックオフオンラインコラム > 本に出会う > 時代小説 > 司馬遼太郎 著書『妖怪』あらすじ・感想

司馬遼太郎 著書『妖怪』あらすじ・感想


20170712-yokai-shiba-ryotaro1

妖怪
司馬遼太郎(著)
講談社
発売日:1973/02/01

 

 

 

あらすじ

室町時代、6代将軍足利義教の落胤と称する源四郎という男が、将軍になろうと思い立ち京都へ向かう。
一方、京の都では8代将軍義政の正室である日野富子と、側室のお今が勢力を争っていた。源四郎は2人の争いに巻き込まれていく…⋯。

 

司馬遼太郎が描く異色の作品

20170712-yokai-shiba-ryotaro3

司馬遼太郎さんの『妖怪』は、1967年から読売新聞に連載された長編小説です。1969年に書籍化され、出版されました。
舞台は室町時代の応仁の乱の頃。妖怪が本当にいると思われていた時代のお話です。

司馬遼太郎さんといえば『竜馬がゆく』、『坂の上の雲』などの歴史小説や、『梟の城』『風神の門』などのアクション活劇が有名ですが、『妖怪』はどちらでもなく、一風変わった味わいの幻想的な小説になっています。

 

主人公の熊野の源四郎は自分が将軍の落胤であると知り、将軍になろう!と決意して京へ向かったのですが、権力争いに巻き込まれてしまいます。
魑魅魍魎が暗躍し、妖怪顔負けの恐ろしい本性を持つ人間たちの争いの中、源四郎が翻弄されていく様子は、その時代の人々の生きざまを垣間見るようです。

本格派の時代小説を多く執筆する司馬さんの作品群の中では異色ともいえる作品ですが、歴史の史実とフィクションを絶妙に織り交ぜた世界観はさすがといわざるをえません。
『妖怪』以降、司馬さんは呪術や妖怪などを扱った作品は手がけていませんが、またこうした作品を執筆して欲しいと思うほど、魅力的です。

歴史的背景などの予備知識がないと、物語の本質的な面白さを読み解くのは少し難しいかもしれませんが、もし予備知識がなくても、夢中になれるパワーを持った作品です。

 

今回ご紹介した書籍
妖怪
司馬遼太郎(著)、講談社

 

『坂の上の雲』や『功名が辻』など、多くの歴史小説を発表した司馬遼太郎氏。
他にも紀行文や対談集など、司馬氏の作品を紹介した特集はこちら。