葉室麟 著書『蜩ノ記』あらすじ・内容
『蜩ノ記』
葉室麟(著)
祥伝社
発売日:2013/11/09
あらすじ・本内容
同僚に深手を負わせてしまった豊後羽根藩の檀野庄三郎は、切腹と引き替えに、幽閉中の戸田秋谷の監視と「蜩ノ記(ひぐらしのき)」と名付けられた家譜の編纂補助、そして不義密通の真相の探求という役目を課せられる。
秋谷は事件から10年後に切腹することを命じられ、庄三郎は秋谷と行動を共にすることで秋谷の無実を確信するようになるが…。
困難に強く立ち向かう人々の姿に心打たれる
『蜩ノ記』は、家族愛や師弟愛を根底にした、定められた命の中で、志を貫くために静かに清冽に生きる主人公を描いた時代小説です。
葉室麟(はむろりん)氏は、困難に立ち向かうために清冽な生き方をする人々を描いた秀逸な時代小説を発表していますが、中でも『蜩ノ記』は代表的な作品となっています。
2012年には、第146回直木賞を受賞しました。
葉室麟氏は、本作の直木賞受賞の他にも、2005年『乾山晩愁』の歴史文学賞、2007年『銀漢の賦』の松本清張賞、2016年『鬼神の如く 黒田叛臣伝』の司馬遼太郎賞と多くの受賞作があります。
『蜩ノ記』の受賞前まで直木賞の候補に4回名前があがるほど、その実力は知られた作家。
いずれも、困難に立ち向かう、一本気とも思える生き方を実直に貫く人々を描いています。
『蜩ノ記』は、2012年6月、NHK-FMラジオのラジオドラマとして放送され、2014年には、監督・小泉堯史氏、主演・岡田准一氏と役所広司氏で、同名のタイトルで映画化され話題となりました。
主人公のように、命を絶つその瞬間まで、変わらない優しさや強さを持つことができるだろうかと考えさせられることでしょう。
自分もぶれずに実直に生きていきたいと思わせてくれる一冊です。
今回ご紹介した書籍
『蜩ノ記』
葉室麟(著)、祥伝社
時代小説が好きな方にはこちらの特集もおすすめです。
ブックオフオンラインで特に人気の作家の時代小説です。
ぜひ参考にしてみてくださいね!