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7人の作家が7人の戦国武将を描く『決戦!関ヶ原』


決戦!関ヶ原
葉室麟、冲方丁、伊東潤(著)ほか
講談社
発売日:2014/11/01

 

 

 

あらすじ・本内容

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天下分け目の大戦となった「関ヶ原の戦い」を舞台に、7人の人気作家が7人の武将をそれぞれの立場や視点から描き出す競作長編。
東軍を率いる徳川家康、織田有楽斎、可児才蔵、西軍を率いる石田三成、宇喜多秀家、島津義弘、そして両軍の運命を握る小早川秀秋。日本史上最大の決戦で、それぞれの思惑が交錯する…。

 

戦国武将のイメージが変わる一冊

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『決戦!関ヶ原』のおもしろさは、何といっても史実を踏まえつつ、空白の時間や武将の思いをそれぞれの作家の想像力や創作力で描いていることころです。
「関ヶ原の戦い」を題材にした小説はたくさんありますが、武将に焦点を絞ると全体像が見えづらくなることも。
しかし、本作は1作家が1武将を表現する短編集としたことで全体像が見え、さらにそれぞれの武将が見事に描かれています。特に、「裏切り者」として歴史に名を残した小早川秀秋は、本作で印象が大きく変わるかもしれません。

 

また、それぞれの思惑が交錯する中、その立場ならその選択は最善だったのだろうと納得させられるところもあるはず。
7武将の光る個性を楽しめるのも本書ならではの魅力です。

 

歴史が苦手な人にも読んでほしい!

歴史の授業で習う「関ヶ原の戦い」とは一味も二味も違い、歴史小説好きはもちろん、歴史小説初心者でも楽しめる作品です。

7人の作家の担当武将は、東軍が伊東潤さん(徳川家康)、天野純希さん(織田有楽斎)吉川永青さん(可児才蔵)、西軍が葉室麟さん(石田三成)、上田秀人さん(宇喜多秀家)、矢野隆さん(島津義弘)。そして冲方丁さん(小早川秀秋)が両軍の運命を握る役どころとして参陣しています。

短編集なので、好きな作家や武将から読んでいってもいいかもしれませんね。

 

今回ご紹介した小説
決戦!関ヶ原
葉室麟、冲方丁、伊東潤(著)ほか、講談社

 

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