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大河ドラマ「真田丸」とは違った面白さ!?池波正太郎「真田太平記」の見どころを探る


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2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で人気が再燃している真田幸村。ドラマで見る堺雅人さん演じる真田信繁(幸村)の人間味あふれる役に惹かれて、歴史上の人物である真田幸村自身に興味が湧いてきたという人も多いのではないでしょうか。

そこで、「真田小説といえばコレ!」という池波正太郎さんの代表作「真田太平記」の見どころを探ってみました。

■ご紹介する書籍
真田太平記」池波正太郎(新潮社)

 

「真田太平記」では草の者・お江が活躍

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「真田太平記」といえば、真田小説だったらこれを読まずして語れない!というほどの人気作。

「真田丸」のほうから真田幸村に興味が湧いて「真田太平記」を読み、ドラマ「真田丸」と小説「真田太平記」では切り口がかなり違うことに驚いた人も多いのではないかと思います。

大河ドラマ「真田丸」は、喜劇作家と呼ばれる三谷幸喜さんが脚本を書いています。三谷幸喜さんの脚本作品によくあることですが、かなり深刻なシーンでも、気の利いた言い回しや現代の人が言いそうなカジュアルなセリフにクスリと笑わされてしまいます。

ドラマ「真田丸」は真田家の「ファミリードラマ」を観ているような感覚で、史実とからめて物語が進んでいきます。武田家が滅亡し、上杉、織田、北条、どの傘下に入ればよいのか揺れ動きながらも、大胆な行動をとる真田昌幸の「どうしようもない父親っぷり」に、振り回される息子の信繁(幸村)と信之(信幸)。「真田家」の家族の会話のやりとりがテンポ良く、歴史に詳しくなくても気軽に観られます。

一方、「真田太平記」では、武田家の滅亡から、真田家の「草の者(忍者)」である「お江」が登場し、「忍び」のプロフェッショナルとして活躍していきます。刻々と変わる時代の情勢と、その後ろでお家を守ろうとするお江など草の者の策略、行動が面白く、ある種のスパイものの読み物としても非常に読み応えがあります。忍びがどのような修行をし、どのように君主に仕え、生きたのか、に興味がある人にオススメです。忍びの者も、ハリウッドの映画に出てくるような完全無欠のスパイではないということがわかります。「真田太平記」を読んでいると、「草の者」も、現代に生きる私たちと同様に、迷い、人を想い、挫折して、時代の流れに翻弄されて生きているということが伝わってきます。

 

真田信幸の魅力に迫る

 直木賞を受賞した「錯乱」で、幸村の兄である真田信之(信幸)の生きざまを描いた池波正太郎さんは「真田信幸」に一目置いているようです。「真田太平記」というタイトルにも題されるように、本作は真田昌幸、幸村、信幸のそれぞれの目線から描かれていますが、12巻通して読むとやはり真田信幸がいかに領主として優れた人物であったか、どれほど家や家族のことを考えて行動しているかが強く描かれているような気がします。

大河ドラマ「真田丸」では幸村が主人公で信幸は少し頼りなさも感じさせる役柄となっていますので、真田信幸の魅力をもっと知りたいという人にもオススメです。「真田太平記」は真田家とそれを取り巻く時代の流れをつかみたいという人にもよいと思います。

 

まとめ

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大河ドラマ「真田丸」では、人々の人間臭いセリフや行動を楽しむことができます。戦国時代の人々も私たちの生きる現代の人々、例えば、少し小心者で言い出したら聞かない父親、優秀なのにどこか我慢をしている兄、好きな人のためならどこへでも行く姉など、どこにでもいそうな人々の欲望がうまく描かれています。小説「真田太平記」では真田家を取り巻く忍びの世界に生きる人々の生きざまを楽しむことができます。お家を守るために尽力するお江と幸村の切ない物語に心うたれること間違いなしです。