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司馬遼太郎 著書『草原の記』内容・感想


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草原の記
司馬遼太郎(著)
新潮社
発売日:1995/09/28

 

 

 

本内容

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古代より中国との戦いを繰り返し、「草原」を守り続けてきたモンゴル。
著者が出会ったモンゴル人女性の激動の半生を通してモンゴルという国を描いています。モンゴル民族の誇り、そして、著者のモンゴルへの熱い思いが綴られています。

 

司馬氏がモンゴルで出会った一人の女性とは

司馬遼太郎氏は『竜馬がゆく』、『飛ぶが如く』、『坂の上の雲』など数々の代表作を生み出した歴史小説家として有名です。しかし、大阪外国語学校蒙古語部(の現在の大阪大学外国語学部)の出身で、大学ではモンゴル語を学ぶなど、多方面に造詣が深い方です。

幼少の頃よりモンゴルに大きな憧れを抱いていた司馬氏は、1973年、ソ連経由でモンゴルに念願の入国を果たします。その時に司馬氏の通訳を務めたのが、『草原の記』の主人公とも言えるモンゴル人女性・ツェベクマさんでした。

ソ連で生まれた彼女は、少女時代に満州国に移り住みます。戦後、敗戦を受け中国籍となった彼女は、モンゴル人の大学教授の男性と出会い結婚。しかし、文化大革命の波に呑まれ娘とふたりモンゴルに亡命することを余儀なくされるのです。
著者は、彼女の激動の半生と、第2代モンゴル帝国皇帝・オゴタイ=ハンを対比させ、モンゴル民族の目を通して歴史を紐解いていきます。

「空想につきあっていただきたい」という冒頭の一文が示す通り、ツェベクマさんの言葉を通じて、かつて草原を馳せたモンゴル帝国の往時を感じさせます。

時にエッセイのようで、そして時には小説のような本作。淡々と綴られた文章のなかに司馬氏のモンゴルに対する熱い思いを感じさせる一冊です。

 

今回ご紹介した書籍
草原の記
司馬遼太郎(著)、新潮社

 

『坂の上の雲』や『功名が辻』など、多くの歴史小説を発表した司馬遼太郎氏。
他にも紀行文や対談集など、司馬氏の作品を紹介した特集はこちら。