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「外国人は日本をどう見てる?」違う視点から日本を描くエッセイ


seen-from-abroad-japan現在、海外から日本にやってくる訪日外国人の人数はどんどん増えています。2015年度の累計訪日外国人数は2000万人を超え、前年比45.6%増となっています。

有名な観光地へ行けば、たくさんの外国人旅行客が、旅を楽しんでいる姿を見かけるようになりましたし、ビジネスや生活の場で外国人と接する機会も増えているのではないでしょうか。

では、海外から日本に訪れた外国人の方々は、日本に対してどんな印象を持っているのでしょうか。

今回は、「外国人から見た日本人」をテーマに、おすすめのエッセイなどを紹介します。

日本に来た留学生を描いたコミックエッセイや、日本へ旅行に来た外国人によるノンフィクションなど、様々な視点から日本を見つめることができますよ。

 

日本人の知らない日本語

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ドラマ化されたこともある人気のコミックエッセイ作品です。著者は日本語教師の海野凪子さんで、日本語教室に通う外国人留学生たちから受けるマニアックな質問や、彼らが引き起こす数々のハプニングを楽しく紹介しています。

生徒たちの出身国は多種多様で、中国・韓国などの近隣の国から、フランス・イギリスなどのヨーロッパ、アメリカ、ロシアなどの国々から集まってきています。

生徒たちが日本に来た理由もさまざまで、日本の大学へ進学するために来た人もいれば、日本の映画やゲーム・アニメを好きになったことがきっかけで日本に来た人もいます。

日本語教室なので、もちろん学ぶのは日本語なのですが、言語だけではなく日本の文化や風習など、外国人たちがわからないことはたくさん。そのたびに先生に質問し、「超難問」な質問には、先生も答えが分からなくて悩むこともあるようです。

外国人の素朴な疑問によって、日本語や日本の文化について、日本人があまり意識していなかったこと・日本人自身も知らなかった日本語の知識を身につけることができます。

■『日本人の知らない日本語』 蛇蔵&海野 凪子/著(KADOKAWA)
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北欧女子オーサが見つけた日本の不思議

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スウェーデンから日本にやってきた北欧女子、オーサ・イェークストロムさんが、日本で出会った不思議なもの・ことを綴る4コマエッセイ漫画です。

著者のオーサさんは日本のアニメが大好きで、「セーラームーン」や「犬夜叉」、「少女革命ウテナ」がお気に入りだったそうで、アニメ好きが高じて、ついに日本へ留学することになります。日本で出会う異文化に驚いたり、戸惑ったり、楽しんだりする姿は、日本人から見ると新鮮な気持ちで読むことができることでしょう。

著者がアメブロで始めた4コマ漫画から人気に火がつき、書籍化されました。こういった異文化交流やカルチャーギャップについてのコミックは、日本人が描いていることが多いのですが、この本は外国人であるオーサさん自身が描いているところが特徴です。そのためか、実際の体験に基づいた率直な感想が描かれています。また、アニメ好きだけあって、絵柄も日本の漫画のような絵柄なので、あまり違和感を感じずに読み進めることができます。

日本の文化に驚いたり、慣れない和室住まいで失敗したりと、いろいろなハプニングもありますが、ネガティブに捉えることなく前向きに進んでいく姿勢には好感が持てます。

日本人にとっては「普通」のことも、外国人から見るとすごく特殊なことだったりするのだなあ、という驚きを得られる1冊です。

■『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』オーサ・イェークストロム/著(KADOKAWA)

 

「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!? ~ドイツ人が驚く日本の「日常」~

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ドイツと日本のハーフであるサンドラ・ヘフェリンさんと、その友人である流水りんこさんによる、ドイツと日本の文化の違いを面白く描いたコミック・エッセイです。

タイトルだけでも日本人にとっては「「小顔」はドイツでは褒め言葉にならないの?」とびっくりしてしまいそうですね。本書によれば、「顔が小さい」というのはドイツでは褒め言葉としては受け取られないそうで、

「むしろ頭が小さいって「脳ミソが入ってないみたい」って意味ですから」(p.77)

なのだそうです。美的感覚の違いというものなのだと思いますが、そんな風に誤解されてしまうのは驚きですよね。

この本では、ドイツ人と日本人の、友人との付き合い方に関する違いや、お金に対する価値観の違い、お酒文化の違い、仕事文化の違いなどを、軽い毒舌もまじえながらコミカルに解説しています。

日本人にとっても、「ドイツ人ってそうだったの!?」と驚くような情報がたくさんあります。日本人とドイツ人の違いをひしひしと感じてみたり、逆に日本人とドイツ人の意外な共通点を見つけてみたりと、新しい驚きがたくさん詰まった楽しいコミックエッセイになっています。

■『「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!? ~ドイツ人が驚く日本の「日常」~
サンドラ・ヘフェリン/著、流水りんこ/著(ベストセラーズ)

 

英国一家、日本を食べる

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日本に旅行にやってきたイギリス人の4人家族が、3ヶ月かけて日本の食文化を堪能するという紀行文です。

著者が日本にやってきたのは、ある日本人が手渡してくれた1冊の本でした。それは、辻静雄の「Japanese Cooking : A Simple Art」です。「日本料理なんて味気ない」と思っていた著者ですが、この本を読むことで日本食への興味が湧いたのです。

しかし、この本が発行されたのは1970年代です。それから日本の料理がどう変化しているのだろうか、という疑問につきうごかされ、著者は家族を連れて日本へ赴くことを決めます。

この本で著者が訪れるのは、高級料理店だけではありません。新宿・思い出横丁の焼き鳥に始まり、お好み焼きやラーメンなどのB級グルメも楽しんでいます。北海道から沖縄まで、日本全国を回り、様々な食文化を体験していきます。レストランだけではなく、調理師学校や、味噌蔵なども訪れていて、ただ美味しいものを食べ歩くのではなく、真剣に日本の食文化を学ぼうとしていることが分かります。

イギリス人らしい皮肉たっぷりに書かれてはいますが、日本の食文化をあるがままに受け止め、とまどいながらも理解しようとする姿勢に、こちらもなんだか嬉しくなります。

日本の食文化の歴史や、食文化に携わる人たちのエピソードも読むことができ、「食」について深く考えるきっかけになる1冊になるのではないでしょうか。

■『英国一家、日本を食べる』マイケル・ブース/著(亜紀書房)

 

外国人を通して「日本」を知る

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いかがでしょうか。普段自分たちが何気なく過ごしている日常が、外国人の目を通して見るととても新鮮に感じられるのではないかと思います。文化や言葉の違いでお互いに誤解してしまったり、すれ違いが生じたりすることもありますが、こういったエッセイを読むことで、そんな誤解も楽しく前向きに解決できるようになるのではないでしょうか。

ライター

ラッテ
3度の飯より本が好き。興味のおもむくままに、いろいろな分野の本を読んでいます。特によく読むジャンルは、IT、美術、語学、旅行、インテリア、漫画など。本好きが高じて、書店員をしていたこともあります。