かこさとし おすすめ絵本|長く愛され続ける名作絵本
更新日:2019/10/7
絵本作家でもあり、児童文学研究家でもあったかこさとしさん。代表作の「だるまちゃん」シリーズはロングセラーとなっており、二世代、三世代と、世代を超えて支持されています。
かこさんが描いた絵本を含む書籍は、なんと全部で600点以上! 全てに目を通すことはできていませんが、私自身、子供の頃からかこ作品に囲まれて育ちました。
当時から大好きで、思い入れが強く、今では自分の子供に読み聞かせています。
今回のコラムでは、かこさんの代表作から、少しマイナーな作品まで、おすすめの作品をご紹介します。
楽しそうに遊ぶシーンは子供心をばっちり掴みます!
『だるまちゃんとてんぐちゃん』
『だるまちゃんとてんぐちゃん』
福音館書店
「だるまちゃん」シリーズ。かこさんの代表作の一つです。
だるまちゃんは、てんぐちゃんとあそんでいました。てんぐちゃんを見ていると、てんぐちゃんの持っているものが、良く見えます。同じものが欲しくなって、だるまちゃんはてんぐちゃんの真似をします。
でも、やっぱりてんぐちゃんの持っているものが良い……。この繰り返しで物語は進みます。
ああ、この気持ち、よく分かるなぁ、と思いながらいつも読んでいます。子供の頃、誰かが持っているものは素敵に見えるし、食べているものは美味しそうに見えました。
そして、今、自分の子供も同じみたいです。誰かの持っているものを欲しがります。まるでだるまちゃんみたいに。
また、だるまちゃんとてんぐちゃんが楽しそうに遊ぶシーンが、本当に可愛い! 癒やされます。
おいしいお菓子がた~くさん!
『からすのおかしやさん』
『からすのおかしやさん』
偕成社
「からすのパンやさん」シリーズの2冊目。
前作『からすのパンやさん』に登場した4羽の子供たちが大きくなってからの物語が描かれています。
前作同様、たくさんの美味しそうなお菓子が出てくるため、絵を見ているだけで幸せな気持ちになります。「どれが好き?」と指さししながら親子で眺めても楽しいかもしれませんね。
『からすのパンやさん』に登場する子からすが新しいことにチャレンジする姿は、我が家の子供にも刺激になったようで、お菓子を作りたいというリクエストを受けました(笑)
なお、終盤にはまさかの展開が待っています。私は「えっ!?」となり、何度も読み返してしまいました。
ユーモアあふれる脱獄劇!
『どろぼうがっこうぜんいんだつごく』
『どろぼうがっこうぜんいんだつごく』
偕成社
「どろぼうがっこう」シリーズの2冊目。かこさん曰く、前作では全員がろうやに入ったので、法に触れずに出るためにはどうすればいいだろう? と考え抜いたのだそう。
国内外の脱獄の記録を調べ、あんまり見事な脱出法を書いて、もし手本になったりしたらと悩み、迷い、描き直し、なんとその期間、40年!
そして完成したのがこの「どろぼうがっこうぜんいんだつごく」です。
構想40年とのことで、意外や意外、こんな脱獄方法があったのだと驚きました。
そして最後のオチ。もうびっくりです! 親子揃ってドキッとさせられました。
親から子へ、伝えたいことがいっぱい詰まった絵本
『にんじんばたけのパピプペポ』
『にんじんばたけのパピプペポ』
偕成社
「パピプペポ」シリーズ。本書は、かこさんが、にんじんぎらいの子のために作ったのがもとになっているのだそう。私が思うに、親が子供に伝えたいことが如実に表れている作品です。
嘘をついて人を騙したら、自分に返ってくること。うんとはたらいて、お手伝いをすることの大切さ。まっとうな方法でお金を稼ぐこと。稼いだお金で社会貢献をすること。
30ページほどの作品ですが、人生における大切なものがぎゅっと凝縮されたような作品だと感じています。
たくさんの人の中、とこちゃんはどこにいる?
『とこちゃんはどこ』
『とこちゃんはどこ』
福音館書店
あかいぼうしをかぶったとこちゃんのおはなし。
とこちゃんは元気すぎて、ちょっと目を離すと、とことこかけだしてどこかへ行ってしまいます。なので、読者は、市場、デパート、動物園など人混みの中にいるとこちゃんを探さなくてはなりません。
そう、本書は、かの有名な『ウォーリーをさがせ!』のような仕掛け絵本です。
(ちなみに『ウォーリーをさがせ!』は1987年、『とこちゃんはどこ』は1970年に発売。『とこちゃんはどこ』の方が先の発売なんです!)
ページいっぱいに描かれた数えきれないほどの人、人、人。
とこちゃんによく似た子どもがいたり、引っかけ問題があったり、大人でもとこちゃんを見つけるのはなかなか難しいですよ。
懐かしい! かこワールドに触れよう!
多くのロングセラーを描いてこられたかこさとしさん。一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
昔読んだことのある方がいらっしゃるなら、ぜひこの機会に懐かしい気持ちに浸ってみませんか?
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ライター:飯田 萌