恩田陸×石井聖岳のホラー絵本『おともだち できた?』が怖すぎる!
更新日:2019/8/21
さまざまな怖い本が存在しますが、そのなかでも特に「怖すぎる」と話題になっている絵本があることをご存知ですか?
その絵本とは、作家の恩田陸さんが文章を、石井聖岳さんがイラストを担当した『おともだち できた?』。
一体なぜこの絵本が「怖すぎる」のでしょうか? 絵本のあらすじとともに、その魅力をご紹介します。
『おともだち できた?』あらすじ
『おともだち できた?』
恩田陸(作)、石井聖岳(絵)、講談社
今まで縁のなかったとある街に引っ越してきた女の子とその家族。
広いおうちの中で1人で遊んでいる女の子に、ママはこう言います。
「おともだち さがしてらっしゃい」
パパや近所のおばさんも、おともだちを作ってほしいみたい。
「できたよ」
恩田陸×石井聖岳の最強ホラー絵本
本作の文章を担当しているのは、作家の恩田陸さん。
『蜜蜂と遠雷』で、第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞。そのほか『夜のピクニック』や『六番目の小夜子』を手掛けた人気作家です。
SFやミステリー、青春小説を得意とする一方で、ホラー小説も多く書いている恩田さん。
スプラッターやエログロといった直接的な怖さとは違う、幻想的な雰囲気を感じられるホラー小説が多いことも特徴です。
『おともだち できた?』でも、その魅力を存分に発揮されています。
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イラストを担当しているのは、石井聖岳さん。
七夕絵本の『おこだでませんように』(文:くすのきしげのりさん)や、講談社出版文化賞絵本賞を受賞した『ふってきました』(文:もとしたいづみさん)でイラストを担当しています。
おどろおどろしさと、キラキラした不思議な世界が同居したイラストは不気味な雰囲気をかもし出しており、物語がより魅力的なものになっています。
『おともだち できた?』の魅力とは?
怖すぎると話題の『おともだち できた?』ですが、いったいどんな魅力を持った絵本なのでしょうか?
<何度も読み返すごとに怖さが増す>
「できたよ」
そう言った女の子の表情を見開きいっぱいに見たとき、びっくりして心臓がドキッ。
とはいえ、一度読んだだけではこの絵本をさほど怖いとは感じられないと思います。
しかし何度も繰り返し読んでいるうちに、初めて読んだときには気づかなかったさまざまなもの、表情、色の変化に気付きはじめるはずです。
おともだちができて、毎日が楽しいと言う女の子。
でもそのおともだちは、ママには見えません。パパにも見えません。近所のおばさんにも見えません。ただ、となりの家の犬は気付いているみたい――。
まずはじっと、女の子の周りの様子を見てみてください。
<読む人によって解釈が変わる>
絵本を読んだ後の解釈は、人によって全然違うものになると思います。またそれは、絵本を読んだ回数によっても変わるはず。
「これって、もしかして……」
そう思ったとき、わたしは恐ろしくて鳥肌が立っていました。
怖かった、悲しかった、何がなんだか分からなかった――あなたはどう感じるでしょうか?
まずは大人に読んでほしい1冊
物語の意味を解釈できなくても、怖くて泣き出してしまい、1人では最後まで読めないお子さんもいるかもしれません。
まずは大人の誰かが一度読んでみて、お子さんに読んであげるべきか判断すると良いと思います。
そして知らない街、知っている人がいない街に行くときは、どうかお子さんから目を離さないであげてください。
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ライター:カタクラ
ホラー好き必見。お化け、妖怪など、怖い本を集めました。
今回ご紹介した書籍
『おともだち できた?』
恩田陸(作)、石井聖岳(絵)、講談社