80年代の青い鳥文庫作品|子どもの頃に読んだ懐かしのあの名作
更新日:2019/2/1
小・中学生向けの小説として、1980年に創刊された講談社「青い鳥文庫」。
オリジナル作品はもちろん、ノンフィクションから世界の名作まで幅広いジャンルの作品が刊行されており、今もその人気は衰えを知りません。
子供の頃に読んでいたという方も多いのではないでしょうか?
ここでは、1980年代に刊行された、思わず「懐かしい!」と言ってしまうような青い鳥文庫の作品をご紹介します。
『大きな森の小さな家』
『大きな森の小さな家』
ローラ・インガルス・ワイルダー(著)
こだまともこ、渡辺南都子(訳)
かみやしん(絵)
メアリー、ローラ、キャリーの3姉妹をもつインガルス一家の物語「小さな家」シリーズ第1作。
時はアメリカの開拓時代。森の奥深くに家を構え、食料も身の回りのものも全て自分たちで作り出しながら、難しい森での生活を一家はたくましく暮らしています。
狩りで仕留めた動物を捌いて加工し、麦わら帽子を編み、娯楽は歌やお話や音楽。
現代社会を生きる私たちにとってそれは一見不自由のようですが、大自然が彼らの生活を豊かにしてくれているのです。
美味しそうな食べ物がたくさん登場するのも魅力的。温かな家族の物語を読みたい方におすすめしたいシリーズです。
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『ちいさいモモちゃん』
『ちいさいモモちゃん』
松谷みよ子(著)、菊池貞雄(絵)ほか
元気な女の子、モモちゃんの不思議な日常が描かれた「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズ。
何気ない子供の日常の様子ですが、モモちゃんの周りはちょっと不思議。猫やネズミ、ニンジンやジャガイモなど、動物や野菜とのおしゃべりをモモちゃんは楽しみます。
第1巻となる本作では、生まれてから3歳までのモモちゃんの物語が綴られています。
可愛らしいモモちゃんと不思議な仲間たちとのやりとりはユーモアに溢れ、ほっこり温かな気持ちになるでしょう。
働きながら子育てをするお母さんの奮闘ぶり、モモちゃんの成長ぶりには感動してしまいます。
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『シートン動物記』
『シートン動物記』
アーネスト・トンプソン・シートン(著)、阿部知二(訳)、清水勝(絵)
「シートン動物記シリーズ」は、著者で博物学者のアーネスト・トンプソン・シートン氏の体験をもとに創作された物語です。
シリーズ1作目の本作には「おおかみ王ロボ」や「ギザ耳うさぎ」など4編が収録。
どの作品も、厳しい自然の中で生きる動物たちの興味深い行動が生き生きと、ときには残酷な現実もしっかり描かれます。
人間が関わったことで変わってしまう動物たちの生活。しかし、人間も生きていく上で自分たちの生活を守らなくてはなりません。
人間と動物それぞれの目線で表現されているので、自然についてよりよく理解できることでしょう。
⇒「シートン動物記」シリーズ一覧はこちら
『窓ぎわのトットちゃん』
『窓ぎわのトットちゃん』
黒柳徹子(著)、いわさきちひろ(絵)
集団生活になじめなかったトットちゃん(徹子)は通っていた私立小学校を退学。
その後入学したトモエ学園はとてもユニークな教育方針で、子供たちの個性を尊重してくれる学校だった。
言わずと知れた黒柳徹子さんの自伝で、戦後最大のベストセラーである『窓ぎわのトットちゃん』。
人と違うことは悪いことではない、そう教えてくれます。自分もトモエ学園の生徒だったらなぁ……と思わずにはいられません。
終戦間際の子供たちの生き生きとした様子は、わたしたちに元気を与えてくれますよ。
『コロボックル物語 だれも知らない小さな国』
『コロボックル物語 だれも知らない小さな国』
佐藤さとる(著)、村上勉(絵)
ある日、小法師さまが住むと言い伝えのある小山に入り、そこで小人を発見した「ぼく」。
大人になり再び小山を訪れると、なんと小人たちと再会。次第に仲良くなっていくが……。
これぞまさにファンタジーの傑作!
この作品を読んで、どこかに小人(コロボックル)がいるんじゃ……と実際に探したことのある人も多いのではないでしょうか?
秘密基地のような小山、可愛い小人たち。小さくて不思議な世界には子供の憧れが詰まっているものです。
年齢問わず一度は読んでほしい作品です。
⇒「コロボックル物語」シリーズ一覧はこちら!
『次郎物語』
『次郎物語』
下村湖人(著)、吉田純(絵)
里子に出されていたが実家に連れ戻された次郎。
母と折り合いが悪く、兄弟と自分を比較してくる祖母も嫌いな次郎は、それらの当てつけで悪さばかりしていたが……。
坊主頭のちょっと拗ねたような表情の少年。そんな表紙が印象的な『次郎物語』。
愛に飢えていた次郎が、父や恩師に支えられながら成長していきます。
子供の成長と心理描写が見事に描かれており、子供への接し方に悩む親御さんにも読んでほしい作品です。
『二十四の瞳』
『二十四の瞳』
壺井栄(著)、戸井昌造(絵)ほか
12人の子供たちが待つ、小さな島の小学校へ赴任した大石久子。颯爽と自転車に乗って登校するハイカラな彼女は「おなご先生」と呼ばれ人気者になる。久子は徐々に子供たちと絆を深めていくが……。
おなご先生と生徒たちとのほのぼのとした日常に、戦争の影が。戦争は確実に彼女らの運命を変えていきます。
本作は、著者の壺井氏の体験を元に描かれた物語。
戦時中の庶民の暮らし、苦悩や葛藤がひしひしと伝わってきます。
あまりの悲惨さに胸が締め付けられますが、目をそむけずに向き合いたい作品です。
『クレヨン王国の十二か月』
『クレヨン王国の十二か月』
福永令三(著)、三木由記子(絵)
枕元に置いておいた12色のクレヨンたちが何やら会議をしていることに気付いたユカ。
なんと、クレヨン王国の王妃のわがままが原因で国王が家出してしまったというのだ!
ユカは王妃とともに、国王探しの旅へ出ることになり……。
「クレヨン王国シリーズ」の第1作目。想像力が豊かになる、ワクワクの冒険物語です。
美しい季節にさまざまなユニークなキャラクターが登場し、とても賑やか。
非常にテンポよくストーリーが進むので、あっという間に読み切ってしまうでしょう。
⇒「クレヨン王国」シリーズ一覧はこちら!
『地下室からのふしぎな旅』
『地下室からのふしぎな旅』
柏葉幸子(著)、タケカワこう(絵)ほか
変わり者のチイおばさんのところへおつかいに来た際に、ひと気のない地下室で黒いマントの男と出会ったアカネ。
そのマントの男とともに、チイおばさんとアカネは地下室からとなりの世界「木の芽時の国」へと入り込んでしまう……。
価値観も時間の速さも違い、魔法も使われている世界。
その不思議な世界での冒険はまさにドキドキワクワク! 大人も魅了されるファンタジーの世界が広がっています。
何度も読みたい名作ですよ。
子どもだけでなく大人も楽しめる青い鳥文庫
80年代の青い鳥文庫作品を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
タイトルや表紙を見ただけでも懐かしいと思う人もいたはず。
子供だけでなく大人も夢中になり、児童向けだからと侮れない面白さがあります。
昔を思い出しながら、もう一度青い鳥文庫の作品を読んでみませんか?
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