『若おかみは小学生!』も映画化!大人も楽しめるおすすめの児童文庫
「青い鳥文庫」「角川つばさ文庫」などの児童文庫。今も昔と変わらず子供たちに愛され続けています。
なかでもシリーズ累計300万部を突破した『若おかみは小学生!』は、2018年にアニメ化され、9月に映画化もされるなど注目されています。
読書が苦手な人でも物語の世界に入りやすく、大人も思わずハマる作品も多数登場している児童文庫作品。感動する作品や子供らしい元気で楽しい作品など、その内容はバラエティーに富んでいます。
また挿絵も多く、漢字にふりがながふってある児童文庫であれば、オリジナル版では難しくて読めなかったという人でも気軽に読むことができるはず。
ここでは、子供はもちろん、大人にも読んでほしい児童文庫のおすすめ作品をご紹介します!
可愛くてほっこり癒される!
『おはなし・ねこあつめ』
『おはなし・ねこあつめ』
汐月遥(著)、ヒットポイント(監修)
集英社みらい文庫
大人気スマートフォンアプリ「ねこあつめ」に登場するねこの、8つのオリジナルストーリーが楽しめる作品。
アプリで遊んだことがない人でも、ねこ好き、動物好きなら思わずほっこりするお話が詰まっていますよ。
面白く、そして可愛らしく描かれた愛らしいねこたちは、大人も夢中になってしまうこと間違いなし! たくさんの挿絵とふりがなもあるので、活字が苦手な方にもおすすめです。
短いストーリーが繋がった作品なので、通勤や家事の合間などに読んでみてはいかがでしょうか?
くんちゃんの大冒険!
『未来のミライ』
『未来のミライ』
細田守(著)、染谷みのる(絵)
角川つばさ文庫
妹が生まれたことで、両親の愛情が奪われたような気がする甘えん坊のくんちゃん。そんなくんちゃんが、未来から来たという妹のミライちゃんと出会い、時空を超えた大冒険に出る!
本作は、映画「未来のミライ」の監督である細田さんが書き下ろした、原作小説の児童文庫版。甘えん坊だったくんちゃんが、ミライちゃんとの冒険を通して成長していく物語です。
子供の目線で描かれていますが、子供は親に何を求めているのか?と、親御さんが子供との関係を見つめ直すきっかけにもなる作品になっています。
「らくだい魔女シリーズ」1作目
『らくだい魔女はプリンセス』
『らくだい魔女はプリンセス』
成田サトコ(著)、千野えなが(絵)
ポプラポケット文庫
あわてんぼうの見習い魔女・フウカの冒険と恋が描かれたシリーズ作品。この作品を読んだことがきっかけで、小説を読むようになった人も多いのだとか。
何かに夢中になったり、甘酸っぱい恋をしたりなど、童心にかえることができる作品です。女の子向けの作品ですが、ワクワクするような本格的なバトルも楽しむことができますよ。
失敗も多いフウカが一生懸命に修行している姿は思わず応援したくなります。
自分にとって家族とは?
『ぼくがぼくであること』
『ぼくがぼくであること』
山中恒(著)、庭(絵)
角川つばさ文庫
自分の家族にうんざりした小学生の秀一が、家を飛出し近くに止めてあったトラックの荷台へ乗り込んだ。ところがそのトラックが山の中でひき逃げを起こして……!?
ひき逃げを見ていたことを知られたらまずいと思った秀一は見知らぬ村に逃げ込みます。そこで一人の少女と出会ったことで家族や自分のことを見つめ直していく……という物語。
次々と事件が起こり、息もつかせぬ展開が待っています。読んだ後は爽快感で満たされることでしょう。
「戦国ベースボールシリーズ」1作目
『戦国ベースボール 信長の野球』
『戦国ベースボール 信長の野球』
りょくち真太(著)、トリバタケハルノブ(絵)
集英社みらい文庫
天才と呼ばれた野球少年の虎太郎が、あの世で豊臣秀吉にスカウトされた! 織田信長の野球チームに入り、戦国武将たちと野球で勝負することになって……!?
「戦国ベースボールシリーズ」の第1作目。武将たちが野球で勝負をするその破天荒な内容は、少年たちのハートはもちろん、スカッとする作品を読みたい人の心もわし掴みにします!
歴史の雑学をからめつつ、野球を通して虎太郎や武将が成長していく王道ストーリー。
戦国時代と野球に一見接点はないように感じますが、うまく混ざり合っていて非常に痛快な作品ですよ。
少女の幽霊とイコさんの旅
『ラスト ラン』
『ラスト ラン』
角野栄子(著)、しゅー(絵)
角川つばさ文庫
バイクと冒険を愛する74歳のイコさんは、5歳で死別した母の岡山にある生家を訪ねる。なんと辿り着いた家には、ふーちゃんという幽霊が住み着いていて……!?
『魔女の宅急便』の作者として知られる、角野栄子さんによる作品。
この世に「心残り」があってむこうの世界に行けない幽霊のふーちゃんとイコさんが旅に出て、さまざまな幽霊と出会います。
幽霊と人間がツーリングするという不思議な物語ですが、とても優しい気分にさせてくれますよ。
「すすめ!図書くらぶシリーズ」1作目
『旧校舎の黄金書』
『旧校舎の黄金書』
日向理恵子(著)
岩崎書店 フォア文庫
5年生になった晃子が若林先生の立ち上げた「図書くらぶ」に入部。旧校舎のたくさんの秘密が隠された図書室で、不思議な本を見つけるのですが……。
本の力を利用しようとする者たちから本を守るために、晃子は自分の大切にしている本とともに戦いに挑みます。
一見図書室で起こる日常が描かれた物語のようですが、実はバトル要素の詰まったファンタジー作品。みなさんなら「自分だけの一冊」に、どんな本を選ぶでしょうか?
日本で最も有名な感動作
『ハチ公物語 待ちつづけた犬』
『ハチ公物語 待ちつづけた犬』
岩貞るみこ(著)、真斗(絵)、田丸瑞穂(写真)
講談社 青い鳥文庫
日本だけなくアメリカなどの海外でも映画化された、忠犬ハチと上野先生の物語。渋谷にあるハチ公像のモデルとなった犬が、この物語に登場するハチです。
ハチは上野先生を死ぬまで駅で待ち続けますが、それは両者に強い絆があったから。深い愛情が育まれていくストーリーに心が温かくなります。
愛する人とともに過ごせることの素晴らしさ、そして別れの切なさに心打たれることでしょう。
タイトルは知っているという方も多いのではないでしょうか。ぜひ感動の物語に触れてみてくださいね。
「名探偵夢水清志郎事件シリーズ」3作目
『消える総生島』
『消える総生島』
はやみねかおる(著)、村田四郎(絵)
講談社 青い鳥文庫
三つ子の亜衣・麻衣・美衣の住む家の隣の洋館に住む名探偵・夢水清志郎が、さまざまな謎に挑む人気シリーズの3作目。
本作では、映画に出演することになった三姉妹が夢水とともに鬼伝説の残る総生島へ。そこで起こる奇妙な事件に挑みます。
児童書だからと侮るなかれ。本格的なミステリーを楽しむことができるんです! 人が死ぬ事件が起こらないので、そういった血なまぐさいミステリーが苦手な人にもおすすめですよ。
「ぼくらのシリーズ」15作目
『ぼくらの太平洋戦争』
『ぼくらの太平洋戦争』
宗田理(著)、はしもとしん(絵)
角川つばさ文庫
宗田理さんの「ぼくらシリーズ」。なかでもおすすめしたいのは、シリーズ15作目の『ぼくらの太平洋戦争』です。
1945年、戦争真っ只中にタイムスリップしてしまった英治たち。
悲惨な戦時下でも、英治たちは防空壕パーティーを開いたり、大人にいたずらを仕掛けたりと置かれた状況の中で懸命に戦うのですが……。
戦争の悲惨さを訴えるだけでなく、勇気を持つことの大切さや平和のありがたみを教えられる作品ですよ。
読書が苦手な人でも楽しめる!読み応えある児童文庫
児童文庫といっても、大人も読みたくなるような作品が数多くあります。オリジナル版は難しかったという方も、児童文庫で読んでみてはいかがでしょうか?
親子で同じ本を読んで感想を共有することで、ひとつのコミュニケーションにもなりますよ。
児童文庫、ぜひ読んでみてくださいね。
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