大人が泣ける感動絵本|おすすめ絵本ランキングTOP5
更新日:2018/5/13
こんにちは、年々涙腺がゆるんでいくアイウチです。
大人になるとあまり絵本を読む機会がなくなりますが、大人になって読み返すとその物語の深さなど、子供の頃とは違った印象を与えてくれます。
特に泣ける絵本は、大人になったとき読み返すためにあるのだろうか?と思えるほど……。
もともと泣ける・感動ものには弱い筆者ですが、中でも見返りのない愛情や思いやり溢れる物語には胸がきゅーっと締めつけられ、涙なくしては読めません。
ここでは、筆者が大好きな泣ける絵本をランキング形式で紹介したいと思います。
泣ける絵本
5位『ちいちゃんのかげおくり』
『ちいちゃんのかげおくり』
あまんきみこ(著)、上野紀子(絵)、あかね書房
第二次世界大戦中、ちいちゃんは家族とお墓参りに行った帰りに、「かげおくり」という地面に映った自分の影を空に映す遊びをお父さんから教えてもらいます。みんなで空に映した「かげおくり」はまるで家族写真のようでした。
お父さんが出征したあと、空襲で家族と離れ離れになってしまったちいちゃんは……。
戦争がテーマの物語でその悲惨さ・悲しさがひしひしと伝わってくる絵本です。
まだ小さいちいちゃんがお母さんと離れ離れになってしまった時点で「怖かっただろうなぁ」と、ちいちゃんの心情を考えると込み上げてくるものがありました。
現在、小学校3年生の国語の授業でも扱われている作品ですが、多くの子供達がおそらく初めて触れる戦争についてのこの物語をどう捉えているのでしょうか。
空腹に耐え衰弱していくちいちゃんは、お父さんに教わった「かげおくり」を思い出し、一人 空に影を映すのですが……。最後、笑顔を見せるちいちゃんの姿には涙が止まりません。
泣ける絵本
4位『ずーっと ずっとだいすきだよ』
『ずーっと ずっとだいすきだよ』
ハンス・ウィルヘルム(絵・文)、久山太市(訳)、評論社
ぼくたちは、いっしょに大きくなりました。
でも、エルフィーのほうが、ずっとはやく、大きくなったよ。(1ページ目)
一緒に大きくなった犬のエルフィーとぼく。だけど、犬のエルフィーはぼくより成長がずっと早くて、歳をとって寝ていることがおおくなった。そして、ある日の朝、ぼくが目を覚ますと大好きなエルフィーは死んでいた。
男の子と愛犬の別れを描いた絵本です。
ぼくはエルフィーとの別れを悲しむのですが、一つ救われるものがあったのです。それは毎日「だいすきだよ」と気持ちを言葉で伝えていたこと。
大切な人や動物に対して気持ちを言葉で伝える。子供だけでなく、大人もなかなかできることではないですよね。そして、多くの人は失ってから気付くものなのかもしれません。
けれど、「失ってからでは遅い」ということ「今後どうしていけばいいのか」ということを、子供でもわかるように身近な物語として、そっと教えてくれています。
ただただ泣けるだけという絵本ではないところが、この絵本のいいところだと思います。
泣ける絵本
3位『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』
『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』
原田剛(著)、筒井則行(絵)、インプレス
小学生のボクのお母さんはとても優しいお母さんでした。けれど突然、鬼のように厳しいお母さんになってしまい、ボクは毎日毎日ナスビを売りに行かされました。
なんでお母さんは鬼のようになってしまったのか――。
インパクトの強いタイトルと表紙のイラストにまず目がいくこの絵本は、テレビでも紹介され話題になった著者の実話が元になったものです。
毎日、団地にナスビを売りに行かせ、売れないと鬼のように怒る母親に剛は、どうして…?と疑問に思うのですが、それは剛へのお仕置きでもイジワルでもなく、一番に子供を想う母の愛情だったのです。
この絵本のお母さんは「親の愛情なんて気づかなくていい、一人でも生きていけるように逞しく育ってほしい」と願っていただろうと考えると、個人的には大人のための絵本だと思いました。
子供が大人になったとき、その想いに気づいてもらえたらそれで充分。母は強しですね。
泣ける絵本
2位『ごんぎつね』
『ごんぎつね』
新美南吉(著)、黒井健(絵)、偕成社ほか
村に降りてきては、いつもイタズラばかりする狐のごん。ある日、いつものようなイタズラ心で兵十のウナギを逃がしてしまいますが、そのウナギは兵十が病気の母親のためにとったウナギでした――。
名作童話として読み続けられている『ごんぎつね』。
悲しい絵本、泣ける絵本はたくさんありますが、絵本としてはなかなかショッキングな結末を迎える物語ですよね。
ごんは最後に何を想ったか? 残された兵十は……?
子供の頃の記憶では、報われない、かわいそうといったイメージがありましたが、全く報われなかった話ではなかったと気付けたこともありました。
銃口の煙がこちらにも伝わってくるような、届けた栗がずっとそこにあるような、そんな読後感が続きます。
あまりに有名な作品で、なかなか手に取る機会がない方も多いと思いますが、何かの折に読み返してほしい名作です。
泣ける絵本
1位『泣いた赤おに』
『泣いた赤おに』
浜田広介(作)、梶山俊夫(絵)、偕成社ほか
村人と仲良くしたいだけなのに、鬼というだけで怖がられてしまう赤鬼。それをみた青鬼は、どうにか赤鬼と村人を仲良くさせてやりたいと考え――。
人間と仲良くなれて幸せそうな赤鬼の姿には、こちらも幸せな気分にさせてくれます。
しかし、そんな幸せな暮らしの中、赤鬼は取り返しのつかない事態に気がつきます。
残されたメッセージに込められた青鬼の思いやり……青鬼の思いやりによってできた今……。
一番近くに一番大切な人がいたんですね。何度読んでも涙する不朽の名作です。
『泣いた赤おに』をもとに制作された3DCG映画『friends もののけ島のナキ』でも号泣しました。
大人になったからこそ、泣ける本を……
泣ける絵本は、読む年齢やそのときの心の状態で、捉え方や着眼点が変わってくる奥深いものです。
大人になった今こそ、泣ける絵本を読んでみてはいかがでしょうか。きっと昔に読んだ印象とはまた違った感動を与えてくれるハズです。
今回ご紹介した書籍
『ちいちゃんのかげおくり』
あまんきみこ(著)、上野紀子(絵)、あかね書房
『ずーっと ずっとだいすきだよ』
ハンス・ウィルヘルム(絵・文)、久山太市(訳)、評論社
『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』
原田剛(著)、筒井則行(絵)、インプレス
『ごんぎつね』
新美南吉(著)、黒井健(絵)、偕成社ほか
『泣いた赤おに』
浜田広介(作)、梶山俊夫(絵)、偕成社ほか
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