『さっちゃんのまほうのて』あらすじ|子供との向き合い方を考える
更新日:2017/6/2
「先天性四肢障害児父母の会」のメンバーである野辺明子さん、志沢小夜子さん、童話作家の田畑精一さんの共同制作の絵本『さっちゃんのまほうの手』。
子供の障がいを、本人や周囲の子供たちにどのように伝えればよいか。そんな悩みと向き合うために5年がかりで制作されました。
ここではそんな『さっちゃんのまほうの手』についてご紹介します。
『さっちゃんのまほうのて』あらすじ
『さっちゃんのまほうのて』
田畑精一(著)、偕成社
「先天性四肢欠損」という障がいを持つさっちゃん。小さなさっちゃんは、自分の障がいのことがわかりません。
やがて、幼稚園での出来事や弟が生まれたことをきっかけに、さっちゃんは自分が他の人と違うことに気付いていきます――。
右手に指がないさっちゃんに、お父さんが言った言葉とは……?
さっちゃんには、生まれたときから右手の指がありません。
ずっと「お母さん」になりたかったさっちゃんですが、お友達に「指がなかったらお母さんになれない」と言われてしまいます。
さっちゃんはどうして自分だけ指がないのか分かりません。そして、自分はお母さんになれないかもしれない……と不安になります。
そんなさっちゃんに、お父さんがある言葉を言うのですが、その言葉には愛が溢れていました。
子供との向き合い方を考えさせられる
制作を依頼された田畑さんは、当初制作を迷ったそうです。
しかし、父母の会の活動に参加し親子との交流を通して、障がいを持つ子を支える親たちの強い愛情を目の当たりにします。
「希望を持てる明るい作品に」という思いのこもった本作は、1985年の出版から25年間で65万部を超えるロングセラーとなりました。
子供に向き合おう
実際に障がいのある我が子と向き合い、悩んできた父母の方が企画した作品だけに、さまざまな思いが込められた作品です。
子供たちに障害について教えるだけでなく、子供との向き合い方や、親のあり方についても考えさせられます。ぜひ手に取ってみてくださいね。
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子供には、おもいやりのある子に育ってほしいものですよね。
大人も考えさせられる絵本がたくさんあります。