ハリー・ポッターはなぜ人気?ハリポタ初心者が今更『賢者の石』を読んでみた
更新日:2019/11/13
こんなにも世界中で大人気なのに、人気の波に乗り遅れ、気づけば完結編を迎えてしまったハリポタ。
2016年には「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフ映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズの1作目が公開され、これまた波に乗り遅れているマツキです……。
「乗り遅れた」とは言っても、映画「ハリー・ポッター」は2作ほど見ているので、
魔法使いのハリー・ポッターが、同級生のロン、ハーマイオニーとともに、宿敵ヴォルデモートに立ち向かう。
という、ざっくりとした内容は分かっているつもりです。
「ハリーポッター」は、なぜここまで人気なのでしょうか?
「もしかして原作を読んだら魅力がわかるのか?」と思い、今更ですがシリーズ1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』を今さらですが読むことにしました。
これが…………お、おもしろいではないか!!
そんなわけで、私のようにハリポタブームに乗り遅れてしまった人に向けて、原作を読んだ感想や「ハリー・ポッター」の魅力を私なりにご紹介していきます。
『ハリー・ポッターと賢者の石』とは
『ハリー・ポッターと賢者の石』
J・K・ローリング(著)、静山社
言わずと知れた「ハリー・ポッター」シリーズの第1作目。1997年に発売されて以降、世界中で大ヒットしました。
ちなみに「ハリー・ポッター」シリーズは世界で最も売れた児童書シリーズとしてギネスにも認定されています。
映画ももちろん大ヒット。舞台やゲームにもなるなど、いまだその人気は衰えません。
魔法の世界なのに、なんだか現実っぽい
私がなんとなく「ハリー・ポッター」を避けてきたのは、ファンタジーが得意じゃないから、です。現実にありそうな物語の方が好きなんですよね。
しかし今回『ハリー・ポッターと賢者の石』を読んでみると、現実離れはしているものの、現実からの延長のように感じる部分が多く、まるで自分がその世界に入ってしまったような気分になりました。
自分が魔法使いとは知らずに叔母の家で育ち、ひどい扱いを受けていた少年ハリー・ポッター。
あるときそんなハリーの元に、「ホグワーツ魔法魔術学校」への入学許可証が。自分の生い立ち、両親の死の事実を知ったハリーは入学を決意します。
入学するホグワーツ魔法魔術学校へは、汽車で向かいます。
ハリーは、バーノンおじさんにキングス・クロス駅まで送ってもらうため、切符に書かれた乗り場を説明します。
「ただ、汽車に乗るようにって。9と4分の3番線から、11時発」
ハリーは切符を読み上げた。おじさん、おばさんが目を丸くした。
「何番線だって?」
「9と4分の3」
「バカバカしい。9と4分の3番線なんてあるわけがない」
「僕の切符にそう書いてあるんだ」
(『ハリー・ポッターと賢者の石』p135-136)
以下は駅でのやりとり。後に親友となるロンのお母さんとの会話です。
「はい。でも……あの、僕、わからなくて。どうやって……」
「どうやってプラットホームに行くかってことね?」
おばさんがやさしく言った。ハリーはうなずいた。
「心配しなくていいのよ。9番と10番の間の柵に向かってまっすぐに歩けばいいの。立ち止まったり、ぶつかるんじゃないかって怖がったりしないこと、これが大切よ。怖かったら少し走るといいわ。さあ、ロンの前に行って」
(『ハリー・ポッターと賢者の石』p140-141)
現実にもあるキングス・クロス駅の9番線と10番線の間に「9と4分の3番線」があって、ホグワーツへつながっている――。
現実からの延長線上に魔法の世界が広がっているなんて、なんだかワクワクしてきます!
ほかにも、入学に必要な教科書や杖を買いに行ったダイアゴン横丁なども、行ってみたくなるようなお店ばかり。
「さぁ入学だ!」とただ言うのではなく、準備や学校に向かうところまで一つ一つ丁寧に細かく描かれているところも、どんどん惹きつけられてしまう魅力なのだと思います。
学園ものとして読んでもおもしろい
ホグワーツに入学してからのハリーたちの学校生活もまた、魅力的です。
親友のロン、ハーマイオニーをはじめ、先生も生徒もたくさん登場します。
何をやっても失敗ばかりのネビル、ロンの双子のお兄さん、ハリーを目の敵にしている教師のスネイプ。
とにかくたくさん出てきますが、活字がそこまで得意ではない私でも、すぐにキャラクターを覚えることができました。
ハラハラする騒動が多いですが、「友情」もしっかり描かれています。
それ以来、ハーマイオニー・グレンジャーは2人の友人になった。共通の経験をすることで互いを好きになる、そんな特別な経験があるものだ。4メートルもあるトロールをノックアウトしたという経験もまさしくそれだった。
(『ハリー・ポッターと賢者の石』p262)
私はハリー、ロン、ハーマイオニーは「ただの友達」と記憶していましたが、3人の友情にはきっかけがありました。
ハーマイオニーとはもともと仲が良くなかったハリーとロンは、巨大なトロールを退治したことにより、お互いの隠れた一面を目にします。
気まずさもあり、お互い顔を見せずに「ありがとう」と言って走り去った3人が、なんだか可愛かったです。
とにかく一人一人のキャラクターが丁寧に描かれているので、この人がどう成長するか? これからどうハリーに関わってくるのか? など、ワクワクが頭の中で広がっていきます。
「ハリー・ポッター」を今からおさらいするなら原作がおすすめ!
映画ももちろん面白いと思うのですが、原作の方が描写が細かく、キャラクターも魅力的と言われています。
2~3時間で終わる映画では描き切れなかった部分がしっかりと描かれていて、映像がなくても魔法の世界に行った気分に浸れるんですよね。
今回は1作目しか読まなかったので、これから2作目も読んでみようと思います!
もし、同じようにハリー・ポッターの人気の波に乗れなかった人や、ファンタジーが苦手という人は、ぜひ原作を一度読んで魅力を味わってみてくださいね。
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