読書感想文におすすめの本【小学生 低学年~高学年】
更新日:2015/8/12
夏休みに悩みの種となる宿題「読書感想文」。
それっぽい本を選んだけれど、「うちの子には難しかったかも」「この本、感想が書きにくそう」と思った経験ありませんか?
ここでは、読書感想文の定番またはおすすめの本をご紹介します。
学年別にワンポイントアドバイスもありますので、そちらも参考にしてみてはいかがでしょうか。
小学校 低学年におすすめ
まず最初に、低学年のお子さんの読書感想文におすすめの本をご紹介します。
土家由岐雄『かわいそうなぞう』
『かわいそうなぞう』
土家由岐雄(著)、武部本一郎(絵)、金の星社
太平洋戦争の末期、東京は空襲を受けていました。
「もし、上野動物園が爆撃されてゾウがあばれだしたら大変だ」と、人間はゾウを殺そうとします。必死に生きようとするゾウたちは、芸をして餌をもらおうとしますが……。
新美南吉『ごんぎつね』
『ごんぎつね』
新美南吉(著)、黒井健(絵)、偕成社
兵十が川でとったウナギを、いたずら心で奪ってしまったこぎつねのごん。実はそのウナギが、病気の母親のためにとったものだったと知り、反省するのですが――。 日本の名作童話。
柴田愛子『けんかのきもち』
『けんかのきもち』
柴田愛子(著)、伊藤秀男(絵)、ポプラ社
仲良しのこうたと大ゲンカをしたぼく。こうたがあやまってくれたけど、パンチされて突き飛ばされて、痛かったし、くやしかった! 理屈じゃないケンカの心境、心の動きに共感できるものがありそうです。
宮川ひろ『しっぱいにかんぱい』
『しっぱいにかんぱい!』
宮川ひろ(著)、小泉るみ子(絵)、童心社
足の速い加奈は、運動会でリレーのアンカーを任されました。ところが本番で、まさかの失敗! 落ち込んでいると、おじいちゃんから電話が……。みんな失敗して成長していくんだよと勇気づけられる物語。
ルース・スタイルス・ガネット『エルマーのぼうけん』
『エルマーのぼうけん』
ルース・スタイルス・ガネット(著)、ルース・クリスマン・ガネット(絵)、福音館書店
エルマーは、どうぶつ島にとらえられている りゅうの子の話をきき、冒険の旅にでかけます。勇気を胸に、困難を乗り越えて、りゅうの子を救い出すファンタジー幼年児童書。
どの作品も情景描写に優れていて、物語の世界に入り込みやすいです。
まずは、お母さん、お父さんが物語のあらすじを話してあげると興味が湧き、より入り込みやすくなります。
低学年のうちは、素直な感想を大切にして、その子らしい言葉で感想文が書けるといいですね。
小学校 中学年におすすめ
次に、中学年のお子さんの読書感想文におすすめ本をご紹介します。
斉藤洋『ルドルフとイッパイアッテナ』
『ルドルフとイッパイアッテナ』
斉藤洋(著)、杉浦範茂(絵)、講談社
ひょんなことから、長距離トラックで東京にきた黒猫のルドルフ。ボス猫・イッパイアッテナと出会い、愉快なノラ猫生活が始まった――。猫から学ぶ、冒険・友情・愛・教養の物語。
薫くみこ『あのときすきになったよ』
『あのときすきになったよ』
薫くみこ(著)、飯野和好(絵)、教育画劇
おしっこを漏らすから「しっこさん」。偏見で「しっこさん」が嫌いだった私。この二人がいくつかのきっかけで仲良しになっていきます。特別な理由もなく意地悪してしまうこの年齢へ向けた絵本。
大石真『チョコレート戦争』
『チョコレート戦争』
大石真(著)、北田卓史(絵)、理論社
チョコでできたお城をショーウィンドーから見ていると、いきなりガラスが割れて、お店の人に犯人扱いされてしまった光一と明。いくら説明しても信じてくれない大人たち。そこから、子どもたちの名誉をかけた戦いは始まります――。
ポール・フライシュマン『ウエズレーの国』
『ウエズレーの国』
ポール・フライシュマン(著)、ケビン・ホークス(絵)
あすなろ書房
仲間はずれにされていた少年・ウエズレーは、夏休みの自由研究で新種の作物を育てたり、自分だけの服を作ったり、新しい文字や数の数え方を発明!自分だけの特別な文明を創り出す壮大な物語。
アストリッド・リンドグレーン『長くつ下のピッピ』
『長くつ下のピッピ』
アストリッド・リンドグレーン(著)、岩波書店
となりの家に住むトミーとアンニカは、ユーモアたっぷりのピッピがうらやましくてなりません。世界一つよい少女ピッピの自由奔放で愉快な物語。宮崎駿さんもアニメ化を試みた傑作。
冒険やSFなど壮大な物語と、その反対で身近な友達との関わりなどがテーマの本が比較的に感想文が書きやすいです。
読後の感想を書く前に、本を選んだきっかけや、表紙をみて思ったことなども書くとよいと思います。
小学校 高学年におすすめ
最後に、高学年のお子さんの読書感想文におすすめの本をご紹介します。
岡田淳『二分間の冒険』
『二分間の冒険』
岡田淳(著)、偕成社
体育館を抜け出して、ふしぎな黒ネコに出会った瞬間から、悟の冒険が始まります。これは、六年生の悟に本当におこった、2分間の長い長い冒険物語。
アーネスト・T・シートン『オオカミ王ロボ シートン動物記』
『オオカミ王ロボ シートン動物記』
アーネスト・T・シートン(著)、童心社
大きくて強いオオカミの王ロボが住んでいました。ロボに牛や羊を襲われた人間たちは……。
ニューメキシコ(現アメリカ)のクルンパを支配するオオカミ・ロボの愛と戦いの記録を描いた壮絶な物語。
宮沢賢治『注文の多い料理店』
『注文の多い料理店』
宮沢賢治(著)、ポプラ社
二人の青年紳士が、猟の途中に迷った先に見つけた山奥の「西洋料理店・山猫軒」という料理店とは――。
全9編を収録。読書感想文には定番のおすすめ作品。
ミヒャエル・エンデ『モモ』
『モモ』
ミヒャエル・エンデ(著)、岩波書店
もじゃもじゃ頭の少女モモは、人の悩みを解く不思議な力を持っていました。ある日、時間どろぼうである灰色の男たちがやってきて、人々は時間に追われた生活を余儀なくされます――。
太宰治『走れメロス』
『走れメロス』
太宰治(著)、村上豊(絵)、講談社
暴君ディオニスを殺そうとして死刑を言い渡されたメロスは、妹の結婚式に出席するため、必ず戻ってくると約束をし、親友に身代わりになってもらう。そんなメロスに次々と困難が――。
興味のある本から始めよう!
どの本もこの夏、また一つ成長させてくれそうな作品ばかりです。
読書感想文は、高学年なら高学年向けの本でなければいけないというわけではないので、興味をもった本、興味がありそうな本を読んでもよいですね。
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