原作の「ムーミン童話」とは?ムーミンワールドの原点はこれ!
更新日:2020/8/9
世界中で愛され続けているキャラクター「ムーミン」。2014年には原作者のトーベ・ヤンソン生誕100周年、2020年には「ムーミン」の童話誕生から75周年を迎えます。
多くの人に愛され続けているムーミン。本やアニメだけでなくグッズ展開も多く、常に人気を集めています。
ここでは、そんなムーミンの「本」の魅力に迫ります!
どれから読もう? ムーミン童話
「ムーミン」は知っているし可愛いとは思うけど、シリーズは読んだことがない! そんな方のために、どんなお話か?どれを読んだらいいのか?を簡単にご紹介します。
ムーミンシリーズは、全部で9作あります。
1作目:『小さなトロールと大きな洪水』
出版後すぐ絶版になった幻の1冊。ムーミンたちがムーミン谷に住む前の話。
2作目:『ムーミン谷の彗星』
スナフキン・スノークのお嬢さんと出会う。ハラハラ感が楽しめます。
3作目:『たのしいムーミン一家』
どれか1冊読むなら、これをおすすめします。
4作目:『ムーミンパパの思い出』
タイトル通りムーミンパパの思い出話。ミイ初登場。
5作目:『ムーミン谷の夏まつり』
スナフキン好きは必読です。
6作目:『ムーミン谷の冬』
冬眠中に目覚めてしまったムーミン。物語の春の訪れとともに、心があたたまります。
7作目:『ムーミン谷の仲間たち』
シリーズ唯一の短編集。
8作目:『ムーミンパパ海へ行く』
ムーミンパパの思いつきで灯台のある孤島へ移住するが…。大人っぽい物語。
9作目:『ムーミン谷の十一月』
ムーミン一家が出てこない!?けど名作です。
刊行順に読むのが一番良いですが、ある程度キャラクターを知っている方ならば、どの巻から読んでもOK。
後半に出版されたものの方が、物語が少し難しくなっている印象です!
『たのしいムーミン一家』
トーベ・ヤンソン(著)、山室静(訳)
講談社
どれも名作ですが、あえておすすめを選ぶならば3作目の『たのしいムーミン一家』です。
春が訪れたムーミン谷。仲間たちが黒いぼうしを見つけてから、つぎつぎにおかしな大事件が!?
不思議で、ほのぼので、ちょっと暗くて……。読んだらきっと「ムーミン屋敷に行ってみたい」と思うことでしょう!
まずは1冊だけ読んでみたい! という方は、ぜひ『たのしいムーミン一家』を手にとってみてください。
大人にこそ、読んで欲しいムーミン童話
アニメや可愛いイラストなどから、子供向けのイメージが強いムーミン。だけど原作は、童話といえども哲学的でちょっぴり暗い印象のものが多く、人生のヒントがたくさん詰まっています。
(「ムーミン 名言」で検索してみてくるといっぱい出てきますよ…!)
もし、子供の頃読んだことがあるという方は、大人になった今、ぜひぜひもう一度読んでみてください! 可愛さの中にある“毒”にヤラれるはずです。
そして忘れちゃいけないのがムーミン童話の挿絵。
日本の浮世絵に影響されたイラストもあるそうです。
今のムーミンとは違った印象ですが、繊細でどこかダークな挿絵も、大人になった今だからこそわかる魅力のひとつだと思います。
【番外編】漫画版もおすすめ!
『黄金のしっぽ』
トーベ・ヤンソン、ラルスヤンソン(著)、冨原真弓(訳)
筑摩書房
「ムーミン・コミックス」という漫画版ムーミンもおすすめします!
トーベ・ヤンソンの弟ラルス・ヤンソンと共に描かれ、1954年に英国のイブニング・ニュース紙で連載されていた作品です。
内容は新聞連載されていたということもあって、社会風刺色が強く大人向けで、童話のムーミンとは別作品と言っていいでしょう。内容ももちろん楽しめますが、表紙が可愛いので、個人的に「家に飾っておきたいなぁ」と思える作品たちです。
ムーミンワールドへ踏み込んでみよう!
「ムーミンシリーズ」の1作目『小さなトロールと大きな洪水』が出版されたのは1945年。戦後の混乱の中から、平和の訪れとともに世に送りだされ、今日まで世界中で親しまれてきました。
大人になった今、トーベ・ヤンソンの世界が詰まったムーミンワールドに浸ってみてはいかがでしょうか?
ムーミンのように、繊細でダークな絵本がお好きな方なら、きっとハマる絵本作家がいます。