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大人が夢中!世界一残酷な絵本作家 エドワード・ゴーリーの世界


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エドワード・ゴーリーという絵本作家はご存知でしょうか。世界中に多くのファンを抱え、あらゆる著名人も虜にしている作家で、日本でも展覧会が数度開催されました。まだ知らないよ!という人は必見です。エドワード・ゴーリーの世界に一歩、足を踏み入れてみませんか?

 

エドワード・ゴーリーってどんな人?

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「世界一残酷な絵本作家」として有名なアメリカの絵本作家です。

作品は、絵本という媒体を用いていながらなかなかに残酷なストーリー、そしてモノクロで細いタッチで描かれるイラストが不気味な雰囲気を醸し出しています。一見だけだと、その恐ろしさに慄いてしまうことも。だけど、表紙をひとまず開いてその世界に足を踏み入れていくと摩訶不思議。がっちり心を鷲掴みにされてしまう人続出!かの有名なティム・バートン監督もそんな人たちの一人とか。

そんな風変わりな絵本を生み出した彼は、1925年に新聞記者の息子としてアメリカに生まれます。それから、2000年に75歳で亡くなるまでにとても多くの作品を生み出してきました。

ゴーリーは、エドワード・ゴーリーという本名の他にも、アナグラムを用いたペンネームを駆使して私家出版を行ってもいました。私家出版を行った理由としては、既存の出版社では自分の独特の世界を表現するのに限界があったから、とか。こうしていくつも用いられたペンネームと、ひっそりと出版される私家出版の作品のおかげで世界中にはコレクターもたくさんいらっしゃいます。

 

翻訳されているエドワード・ゴーリー作品

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♦『うろんな客』 河出書房新社
天候が荒れていた日にやってきたのは、なんだかよくわからない生き物。声をかけても返事はしない、食事の用意をすれば皿まで食べちゃう、本を片端から破くなどといった奇行を繰り返す。でも家族は決して追い出そうとしないのはなぜ?あなたはこの客はいったい「誰」だと思いますか?

♦『むしのほん』 河出書房新社
仲良く暮らしていた赤・青・黄の虫たち。ある日、黒い虫が現れたことでその暮らしは一変してしまい……?果たして、彼らを待ち受けるのはどんな結末か。ゴーリー作品においては、珍しいカラフルな作品としても有名な作品です。

♦『優雅に叱責する自転車』 河出書房新社
喧嘩した二人の前に現れたのは、へんてこりんな自転車。ペダルもなければ、チューブもブレーキもない。乗ろうと思っても乗れない自転車に二人は乗って旅に出る。「火曜日の翌日で水曜日の前日」という隙間の一日におきた摩訶不思議なできごとを描いた物語です。

♦『蟲の神』 河出書房新社
夕方、公園で遊んでいたはずのミリセントが姿を消した!ミリセントが連れていかれたのは、遠い遠い地の果ての朽ちかけた館。果たして、ミリセントを待ち受ける運命とは……?

♦『悪いことをして罰があたった子どもたちの話』 河出書房新社
「悪いことをしたら罰があたるよ」誰もが子供のころに耳にした言葉ですね。この教訓をもとに作られたヒレア・ベロックの詩にゴーリーがイラストをつけました。ゴーリーのシュールな独特な世界観がその言葉の意味を際立たせています。

♦『華々しき鼻血』 河出書房新社
AからZまでの頭文字の副詞を持った短文が紡ぐ26個の独立した物語の集合体。独立しているけれど、共通項もある?物語だけでなく、言葉遊びのゲームとしても楽しめる一冊です。

♦『まったき動物園』 河出書房新社
AからZまで、順番に奇妙な生き物が紹介される不思議なアルファベット・ブック。豪華絢爛、あるいは畏怖さえ感じることもある幻獣のイメージが覆るかも?

♦『題のない本』 河出書房新社
なんだかよくわからない言葉たちと、窓の外で繰り広げられる不思議な光景を描いた物語。シュールすぎる、でもなんだか病みつきになってしまう作品です。

♦『ウエスト・ウイング』 河出書房新社
いったいどこにあるのかわからない西棟の不穏な一場面を描いた絵本。文章は一切なし!自由に想像できるドキドキ感、何も伝えられない恐怖感という、相反する感情が混じり合った、おそらくもっとも奇妙な作品です。

♦『不幸な子供』 河出書房新社
ゴーリー版小公女。どんなに辛くて苦しくて悲しくても最後には、きっと幸せになれるというお決まりのストーリーを覆してくれるのがこの作品。不幸すぎる少女を待ち受ける結末に何を見つけるか……。

♦『おぞましい二人』 河出書房新社
イギリスで実際に起こった殺人事件「ムーアズ殺人事件」。犯人は男女2人、被害者は幼い子供5人。いずれもみんな、残虐に殺され荒野に遺棄されていたという恐ろしい事件です。この事件に心底動揺させられたゴーリーが描いたのがこの作品です。

♦『敬虔な幼子』 河出書房新社
主人公は幼いヘンリー少年。彼はとっても信心深く、おやつを我慢しては貧しい人にお小遣いをあげたり、聖書を読まない少年たちをいさめたり。真摯に神を信じた彼を待っていた結末はいかに。

♦『憑かれたポットカバー』 河出書房新社
ゴーリー版クリスマス・キャロル。「我はありもしなかったクリスマスの幽霊である」。誰もが知っているクリスマス・キャロルの物語はゴーリーの手によってどんな物語に姿を変えるのか。

 

日本における有名なゴーリーファンの方々

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日本にもゴーリーファンはたくさんいらっしゃいます。日本においてのゴーリー研究・コレクションの第一人者は濱中利信さん。彼は、貴重な原画や私家出版の本など多くのコレクションを所持しているそうです。

また、ゴーリーファンの人は、こういった研究者の方だけではなく作家さんの中にも多いのです。イラストレーターの長崎訓子さん、ゴーリー作品の和訳も多く手掛ける翻訳の第一人者である柴田元幸さん、詩人・服部みれいさん、絵本作家のきたむらさとしさん、小説家の吉本ばななさん、江國香織さんなど。数多くの人がゴーリーの世界に魅せられてしまったようです。

ゴーリーの作品を手に取ってみると、どこか彼らの作品にも通じるものが見つかるかもしれませんね。著名なゴーリーファンの方々の言葉が気になる方は、『エドワード・ゴーリーの世界』、『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密』という書籍を探してみてください。

 

まとめ

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いかがでしたでしょうか。エドワード・ゴーリーの絵本を見かけたら、ぜひともお手に取って見てください。きっと、貴方も独特で不思議な世界の虜になること間違いなし!不気味で残酷、そしてシュール・・・だけど漂う優雅な雰囲気。そんなゴーリーの世界に浸ってみてください。

■参考文献
エドワード・ゴーリーの世界』 河出書房新書
濱中利信編 柴田元幸・江國香織ほか
(P49 Primary Books 一挙紹介、P119 略年譜)

 

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ライター

BENCHAMIN
好きな作家さんは、江國香織さん、よしもとばななさん、梨木果歩さん。ジャンルは問わず雑食です。古書店街付近に生きる文学少女の端くれです。どうぞよろしくお願いします。