東村アキコおすすめ漫画|言葉のひとつひとつが胸に刺さる!
更新日:2019/9/6
出す作品が次々とベストセラー、映像化も多くされている人気漫画家の東村アキコさん。
東村さんの作品はなぜそこまで支持されているのでしょうか?
私なりの分析も含め、今回のコラムでは東村さんの漫画からおすすめの作品を5作ご紹介します。
『海月姫』
『海月姫』
講談社
第34回講談社漫画賞受賞作品。300万部以上を売り上げるヒット作となりました。ドラマ化、映画化、アニメ化もされています。
レトロなアパート天水館で暮らす5人のオタクとBL漫画家、通称「尼~ず」。
「男を必要としない人生」をモットーに生きる彼女たちの人生は、ひょんなことで知り合った女装男子の蔵之介によって大きく変わっていきます。
これぞ東村さん! という独特なギャグセンスと、「女の子はいつでもお姫様になれる」王道の展開の組み合わせのギャップがクセになります。
私は全17巻を一晩で読み切ってしまいました。ただ、本書で描かれるオタクの情熱がすごすぎて、ちょっとびっくりしましたが……。
これほどの熱量で夢中になれるものがあるというのは、幸せなことですよね。これまでに読んだことのないような世界を楽しめました。
『東京タラレバ娘』
『東京タラレバ娘』
講談社
脚本家の倫子、ネイルサロンを経営している香、居酒屋の看板娘小雪。33歳の3人が繰りなすラブコメディ。
東村さんいわく、「いいかげん結婚したい」と言いつつ理想ばかり求める友人たちを励ますことに飽きた……ことから生まれた漫画なのだとか。実際私も独身の頃、身につまされながら読んでいました。
「いい歳して「痩せたら」だの「好きになれれば」だの、何の根拠もないタラレバ話でよくそんなに盛り上がれるもんだよな…」という言葉にはギクリとしました。タラレバ、使ってしまいがちなんですよね。
アラサー女子の痛いところを突かれる漫画ですが、「そうそう!」と共感できるのが楽しくて、ついつい読んでしまいます。
なお、続編『東京タラレバ娘 リターンズ』が出版されているので、全巻読んだ方はぜひ読んでみてはいかがでしょう?
『かくかくしかじか』
『かくかくしかじか』
集英社
第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門対大賞受賞作品。
この作品は東村さんの自伝漫画です。
東村さんが宮崎で過ごした学生時代から、美大生活、漫画家を夢見た頃、念願のデビュー、そして売れっ子になるまでの軌跡が描かれています。
本書のキーパーソンとなるのが、主人公の恩師である日高先生。この先生、初対面の主人公の絵を見て「全然下手クソでーす」と言い竹刀でぶった斬ったりと、とにかくスパルタでハチャメチャなんです。
しかし物語が進んでいくうちに、生徒たちへの深い愛情が伝わってきて、ついほろりと泣いてしまいました。
本書は全5巻。もし読み始めたなら必ず最後まで読んでください。最終巻は何度読み返しても、涙なしには読めません。
『主に泣いてます』
『主に泣いてます』
講談社
美貌のあまり、会うと1秒で惚れられてしまう紺野泉をめぐるラブコメディ。
「生まれ変わったらブスになりたい。明るくて面白くて誰からも愛される素敵なブスに」
そんなインパクトのあるフレーズから始まります。
「泉さんって、お休みの日はいつも何されてるんですか?」「そうですね、私は…主に泣いてます」といった切ないシーンもあったり、誰にも惚れられないように子泣きじじいのコスプレをして驚かせたり……。
なかなかの波乱万丈な展開となっており、それはもう目が離せません。
子泣きじじいのコスプレをして、泣きながら歩いてくる絶世の美女。想像すると怖いですよね。
ギャグとシリアスのシーンのギャップが激しく「ええっ!?」と声を出して驚いてしまうシーン連発ですよ。
『偽装不倫』
『偽装不倫』
文藝春秋
既婚者だと言ってしまい、嘘の不倫をしている鐘子の恋の物語です。
鐘子の姉はリアルな不倫をしているなど、衝撃の内容。東村さんの作品のなかでも比較的コミカル色が薄く、特にドロドロしたお話です。
婚活を3年がんばってみたけど、もうやめたい。素敵な人はみんな不倫するのなら、結婚なんて意味あるの? でも、本心は結婚したい……。そんな複雑なアラサー女子の心理が緻密に描かれていて、胸が締め付けられます。
ジェットコースターのように展開が早く、どんな終わりを迎えるのかがまったく想像つきません。だからこそ、続きが気になって仕方がありませんし、中毒性の高い作品だなと思います。
また、本書はなんと全ページフルカラー! ぜひとも美しい絵を堪能してください。
共感できるシーンの多い東村作品
売れっ子の漫画家、東村アキコさんの作品をご紹介しました。
どの作品も、ハマって一気に読んでしまうものばかりなので、まとまった時間がある時に読むことをおすすめします。
【おすすめ記事】歴代「このマンガがすごい!」をランキングで振り返る
ライター:飯田 萌