「全国書店員が選んだおすすめコミック」でブームを先取りしよう!
更新日:2022/9/18
「全国書店員が選んだおすすめコミック」。
その名の通り「全国の書店員が選んだ」漫画のなかから、投票数順に15作品が発表される漫画賞であり、2006年から10年以上続いています。
他の漫画賞と一味違うのは、アンケート期間中に「刊行5巻以下」というのが条件であること。巻数が少ないため、読者目線に立つと全巻揃えやすいのが嬉しいですね。
また、無名の作品がランクインすることも多く、漫画好きにとっては「先取り感覚」で楽しめる漫画賞となっています。
今回のコラムでは、最新の「全国書店員が選んだおすすめコミック」1位作品と、歴代の1位作品。そして歴代1位の作品からピックアップし、その魅力を語っていきたいと思います。
第17回(2022年)の第1位作品
『ダンダダン』
『ダンダダン』
龍幸伸(著)、集英社
幽霊は信じているけれどUFOの存在は信じていないギャルの綾瀬桃と、UFOは信じているけれど幽霊の存在は信じていないオタクの高倉健が、オカルトで怪奇な世界でバトルを繰り広げる物語。
アクションあり、オカルトあり、そしてギャグもラブもあり! さまざまな要素がありながら、非常にテンポが良くて見ごたえも抜群です。
初めて読んだときには、全く予想のできないファンキーな展開に驚きました。
アクション好きはもちろん、ホラー・都市伝説好きにもおすすめ。イラストもキレイで、ぶっ飛んでいるけど読みやすいです!
2位『怪獣8号』松本直也(著)
3位『WIND BREAKER』にいさとる(著)
4位『アオのハコ』三浦糀(著)
5位『チ。ー地球の運動についてー』魚豊(著)
歴代の「全国書店員が選んだおすすめコミック」1位作品
※2006年から2009年は順不同で3~5作、2010年からランキングを1位~15位まで公表という形に変わりました。そのため、2010年からは第1位のみ記載しています
■第1回(2006年)
『働きマン』安野モヨコ
『チーズスイートホーム』こなみかなた
『もやしもん』石川雅之
■第2回(2007年)
『ヴィンランド・サガ』幸村誠
『さらい屋五葉』オノ・ナツメ
『デトロイト・メタル・シティ』若杉公徳
『少女ファイト』日本橋ヨヲコ
『LA QUINTA CAMERA』オノ・ナツメ
■第3回(2008年)
『GIANT KILLING』ツジトモ・綱本将也
『黒執事』枢やな
『オトメン(乙男)』菅野文
『お茶にごす』西森博之
■第4回(2009年)
『聖☆おにいさん』中村光
『ちはやふる』末次由紀
『ストロボ・エッジ』咲坂伊緒
『3月のライオン』羽海野チカ
『Doubt』外海良基
■第5回(2010年)
『flat』青桐ナツ
■第6回(2011年)
『進撃の巨人』諫山創
■第7回(2012年)
『鬼灯の冷徹』江口夏実
■第8回(2013年)
『暗殺教室』松井優征
■第9回(2014年)
『坂本ですが?』佐野菜見
■第10回(2015年)
『魔法使いの嫁』ヤマザキコレ
■第11回(2016年)
『ダンジョン飯』九井諒子
■第12回(2017年)
『からかい上手の高木さん』山本崇一朗
■第13回(2018年)
『とんがり帽子のアトリエ』白浜鴎
■第14回(2019年)
『呪術廻戦』芥見下々
■第15回(2020年)
『SPY×FAMILY』遠藤達哉
■第16回(2021年)
『わたしの幸せな結婚』高坂りと
■第17回(2022年)
『ダンダダン』龍幸伸
(敬称略)
歴代1位作品からおすすめをピックアップ!
■第11回(2016年)『ダンジョン飯』
『ダンジョン飯』
九井諒子(著)、KADOKAWA
ファンタジー&グルメといった、珍しい組み合わせのジャンル漫画。
主人公の「ライオス」は、食料不足に困った結果、迷宮内のモンスターを捕まえ、食べてみようと仲間に提案します。
そう、本書は「どのように調理すれば最も美味しくモンスターを食べることができるか」という論理的分析に基づいて描かれています。その調理説明が、ダンジョン(ゲーム内の出来事)とは思えないほど現実的で面白い!
そして、「歩きキノコ」は「大サソリと歩きキノコの水炊き」に。「動く鎧」は「動く鎧の蒸し焼き」や「動く鎧のドワーフ風炒め」に大変身。もちろん、スライムやドラゴンといった定番モンスターも出てきます。
レシピ(栄養バランスのレーダーチャート付き)も載っていますが、もちろん調理はできないので、味をイメージしてみるだけでも楽しいですよ。
■第13回(2018年)『とんがり帽子のアトリエ』
『とんがり帽子のアトリエ』
白浜鴎(著)、講談社
魔法使いになりたいと憧れる少女・ココ。しかし魔法を使えるのは魔法使いだけ、魔法を使っているところも見てはいけない。
ある日魔法使いのキーフリーが魔法陣を描いているのを見てしまったココは、魔法は「かける」ものでなく「描く」ものだと知り……。
王道のファンタジー作品。ある事件で魔法を学ばざるを得なくなったココの成長物語です。
とびきり美しく描きこまれたイラストは、まるで一枚の絵画のよう。魔法陣ひとつひとつに意味があり、それらも丁寧に描かれています。
魔法を一生懸命学んでいくココの姿に、ワクワクしながら読み進めることができるでしょう。魔法に対する考え方も、きっと変わるはずです。
■第15回(2020年)『SPY×FAMILY』
『SPY×FAMILY』
遠藤達哉(著)、集英社
凄腕のスパイ「黄昏」と呼ばれる男ロイド、「いばら姫」の異名を持つ殺し屋の女ヨル、人の心を読める超能力を持つの子供アーニャ。それぞれの利害の一致から、互いに正体を隠し、かりそめの家族になった――!
ロイドは大物政治家と接触するために家族を作り、その政治家の息子が通う学校にアーニャを通わせるという大胆すぎるミッションを遂行していきます。
アクションあり、アットホームあり、笑いあり! テンポも最高に良い漫画です。
「全国書店員が選んだおすすめコミック」でブームを先取りしよう
受賞作を見ていただくと、ご存知の作品が多いかと思います。ぜひとも 「全国書店員が選んだおすすめコミック」を読んで、ブームを先取りしてみてはいかがでしょう。
以下の特集では、これまでの受賞作を年代別にみることができます!