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おすすめのディストピア漫画|支配・制限・管理される世界


「ディストピア」とは、「ユートピア(理想郷)」の反対の言葉。

一見平和そうで平等な理想的に見える世界でありながら、実は義務や法律などによって何かを支配・制限されている世界。また、理想の世界を築くために、徹底的な管理によって自由が奪われている世界などを指します。

 

ここでは、人々の生活が何かしらに支配・制限・管理された世界を描いた、おすすめのディストピア漫画をご紹介します。

近い将来、本当に起こりうるかもしれないと感じるようなリアリティある作品が揃っていますよ。

※作品によってはネタバレになる可能性がありますのでご注意ください。

 

自由恋愛禁止
『恋と嘘』

『恋と嘘』4巻表紙

恋と嘘
ムサヲ(著)、講談社

少子化対策で、国が決めた「最良の伴侶」との結婚が義務となり、自由恋愛が禁止された日本。

恋人ができないと悩む必要もなく、遺伝的に幸せが保証された結婚ですが、もしもそんな世界で恋に落ちたらどうなってしまうのでしょうか。

主人公の由佳吏は、長年片想いしていた美咲と実は両想いだったことが分かります。その後未来の結婚相手が書かれた「政府通知」を受け取るのですが、もちろんその相手は美咲ではなくて……。

最高の初恋の相手か、国の決めた最良の相手か。由佳吏の揺れ動く気持ちに共感する方も多いのではないでしょうか。
一見重そうな内容ですが、ラブコメディとなっているので読みやすい作品ですよ。

 

1000人に1人、死ぬのは誰か。
『イキガミ』

『イキガミ』表紙

イキガミ
間瀬元朗(著)、小学館

この作品で描かれる日本には、小学生の時に受ける「国家繁栄予防接種」のもと、1000人に1人が18~24歳の間に突然死するという「国家繁栄維持法」が制定されています。

死ぬことが決まっている該当者には、死亡する24時間前に配達員から「逝き紙(イキガミ)」が届くのですが……。

 

この作品は、イキガミを配達する公務員の藤本賢吾と、イキガミが届き死ぬことが決まった人々の2つの視点で描かれます。

「もし自分にこのイキガミが届いたら……」「もし自分がイキガミを届ける配達員だったら……」と、さまざまな視点から読むことができます。
死を目前にした人間の生々しさ、命の尊さを感じることができる作品です。

 

漫画を読むことは許されない
『CICADA』

『CICADA』表紙

CICADA
バナーイ(絵)、山田玲司(原作)
小学館

資産データに基づき人々は階級を決められ、「読めば労働意欲がなくなる」という理由で漫画の所持が許されない未来の日本。政府はこの世のすべての漫画を消そうとしています。

漫画を燃やす焚書官であるレムは、貧乏で恋人もいないどん底人生を送っていました。そんなレムが、漫画を読んでしまったこと、そしてロルカという少女に出会ったことで変わっていくというストーリーです。

本作には『うる星やつら』や『鉄腕アトム』など、実際に存在する漫画がいくつも登場し、物語に大きな影響を与えます。

この作品を読むと、「表現の自由」のあり方や、漫画というものの価値についてあらためて考えさせられることでしょう。

 

不当な検閲から本を守る!
『図書館戦争』

漫画『図書館戦争』表紙

図書館戦争
弓きいろ(絵)、有川浩(原作)
白泉社

さまざまな創作物に検閲がかかり、本が自由に読めなくなった時代を舞台に、不当な検閲から本を守ろうとする「図書隊」に入隊した笠原郁の成長と恋が描かれた物語です。
『CICADA』と同様、「表現の自由」について考えさせられます。

不器用ながらも高い身体能力と、真っ直ぐな心で対抗組織と戦っていく郁。そんな郁を、教官である堂上は厳しくも温かく見守っています。

激しいバトルシーンはもちろん、郁と堂上の恋の行方にも注目です。少女漫画雑誌で連載されていたこともあり、原作以上に胸キュンシーンが満載となっていますよ。

原作小説はこちら

 

犯罪者に「敵討ち」できる世界
『フリージア』

『フリージア』表紙

フリージア
松本次郎(著)、小学館ほか

犯罪により殺されてしまった被害者の遺族が、加害者に復讐することができる「敵討ち法」が成立。

職探しをしていたヒロシは、遺族に代わって加害者に復讐をおこなう「執行代理人」となり、敵討ちの世界に足を踏み入れます。
犯罪者を守る「警護人」と銃撃戦などで戦う日々を、ヒロシは淡々と過ごしていくのですが……。

グロイ描写や性描写が多いため、それらが苦手な方にはおすすめしません。
しかし、不条理な世界や人間の本質をリアルに描いています。もし苦手でなければ、ぜひ一度読んでみてほしい作品です。

 

ケンタウロスの女の子が主人公
『セントールの悩み』

『セントールの悩み』表紙

セントールの悩み
村山慶(著)、徳間書店

ケンタウロスの姿をした人馬形態の女子高生・姫乃を主人公とした日常系漫画。
姫乃をはじめ、竜人形態の希や、角人形態の羌子(きょうこ)たちのほのぼのとした学園生活が描かれた作品です。

この作品の世界では、背中に翼をもつ「翼人」や頭に角がある「角人」など、さまざまな形態を持つ人々が、同じ「人類」として共に生活をしています。

可愛らしい女の子がわきあいあいと過ごす様子にほっこりさせられるはず。

その一方で、それぞれの形態に対する差別的な発言や行動をした場合は「思想矯正所」という施設に送られるなど、人権問題について切り込んでいくディストピアの要素が時折見られます。

 

チョコレートが食べられない!?
『チョコレート・アンダーグラウンド』

漫画『チョコレート・アンダーグラウンド』表紙

チョコレート・アンダーグラウンド
山川あいじ(絵)、アレックス・シアラー(原作)
集英社

チョコレートなどの甘いお菓子を禁止する「チョコレート禁止法」ができてしまった! ハントリーとスマッジャーを中心に、お菓子を奪われた子供たちが自由を求めてこの法律に立ち向かいます。

「こんな法律あり得ないだろう」と思うかもしれませんが、もともとは国民が選挙に行かなかったことが原因でできた法律です。
つまり、国民が選挙や政治に関心を持たなくなると、こんな法律だってできてしまうかもしれないということ。

さまざまな作戦を立ててチョコレートを取り戻そうとする子供たちの勇気と大胆さを、ぜひ読んで感じてみてくださいね。

原作小説はこちら

 

クイズが全てを支配する。
『国民クイズ』

『国民クイズ』表紙

国民クイズ
杉元伶一(絵)、加藤伸吉(作)
太田出版ほか

民主主義が崩壊した経済大国の日本で、クイズ番組で勝ち抜くとどんな望みでも叶えられる「国民クイズ体制」という制度が採用されます。

日本国憲法

第12章 国民クイズ
(国民クイズの地位)
第104条 国民クイズは国権の最高機関であり、その決定は国権の最高意思、最高法規として、行政、立法、司法、その他あらゆるものに絶対、無制限に優先する。
本憲法もその例外ではない。
(太田出版『国民クイズ 上巻』第1話 冒頭より)

 

このように「国民クイズ」が何よりも権力を持つ日本で、クイズ番組の大人気司会者であるK井K一をめぐり国家や権力の思惑が交錯して……という物語。

勝てばなんでも叶う、負ければ強制労働というこのクイズ体制。もし本当に存在したら、あなたは参加するでしょうか?

この物語の結末は、思いもよらないものです。
また、物語の流れとは関係なく挟み込まれるCMの数々にはブラックユーモアが満載ですので、一見の価値ありですよ。

 

ディストピア漫画を読んで、未来について考えてみよう

何かに支配・制限・管理された世界を描いた、おすすめのディストピア漫画をご紹介しました。

もしかしたら、いつか起こるかもしれない未来を描いた作品です。ぜひ一度読んでみてくださいね。

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