古典作品を漫画で学ぼう!|勉強にもぴったりな漫画5選
「古典」と聞くと、難しいというイメージを持つ方は多いのではないでしょうか?
古典作品は、言葉や時代背景の違いから、古いものであればあるほど理解するのが難しくなります。
ためしに一度読んでみようと思っても、名作と言われる古典ほど数多くの現代語訳が存在し、どれを読めばいいのか悩むことでしょう。
そんなときにおすすめしたいのが、古典を「漫画」で読むということ。
イラストと言葉で伝えることのできる漫画は、難しい言葉が並ぶ古典を学ぶのに最適だと言えます。
選ぶときのポイントは2つ。
原典(もとの書物)にいかに忠実かという点と、どれだけ自分の中にすんなり入ってくるかという点です。
今回は、古典を勉強するのにぴったりな、おすすめ漫画作品をご紹介します。
『愛と涙と勇気の神様ものがたり
まんが古事記』
『愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記』
ふわこういちろう(著)、戸谷学(監修)
講談社
イラストレーターであるふわ氏による、『古事記』の解説漫画。何といっても、親しみやすいキャラクターが目を引きます。
『古事記』はとにかく登場人物が多い物語。それに加えて長くて難しい名前を覚えられず、読むのをあきらめたという方も多いのではないでしょうか。
本書ではそんな『古事記』の難しいところは簡略化されており、その可愛らしいイラストのおかげで物語もすんなり頭に入ってきます。
日本人でもなかなか触れる機会のない日本最古の歴史書『古事記』。
現代でも、神社に行ったり神棚をまつったりと、いわゆる「神道」というものに関わる機会はなにかしらあります。
ぜひこの漫画を読んで、神さまに対する理解を深めてくださいね。
『レッツ!! 古事記』
『レッツ!! 古事記』
五月女ケイ子(著)、ポプラ社ほか
『まんが古事記』と同じく、『古事記』を漫画にした本書は、シュールな水彩画のイラストを描く五月女ケイ子氏によるもの。
このレトロな表紙の絵、きっとどこかで目にしたことのあるイラストだと思います。
『古事記』はあまりに昔のことで現代語に置き換えることも難しく、とっつきにくいのはある程度仕方のないことでしょう。
しかし、そこはさすが五月女氏。独特の解釈とイラストにより、難しい書物も非常にコミカルに描かれています。
だからといって『古事記』の内容そのものがデフォルメされているわけではなく、「原文に忠実に書いた」との但し書きがあるとおり、主要な部分を上手くまとめてあるのが本書の優れているところです。
加えてページ下に「古事記を知らない人が読むコーナー」として詳しい解説が入るなど、『古事記』の入門書としての配慮がなされています。
「笑いながら学べる」というキャッチコピーそのままの一冊ですよ。
『マンガ 老荘の思想』
『マンガ 老荘の思想』
蔡志忠(著)、和田武司(訳)
講談社
「あるがまま」を良しとする「老荘思想」。老荘思想というと、中国思想のなかではよく「儒教」と対比されて扱われますね。
「〜せねばならない」を求める儒教に対して、より哲学的で自然な生き方をすすめるのが老荘の思想です。
難解と言われる老子の思想は「無為自然」や「忘我」など、現代語訳になってもわかりにくい抽象的な概念が多いのが特徴です。
その難しい部分が、蔡氏の描く飄々とした漫画のキャラクターによって理解しやすくなっています。
老荘の思想は、「逆境にこそ立ち上がるべき力を与えてくれる思想」とも言われています。
古典の学習だけでなく、自分を変えるための一冊として選んでみるのも良いのではないでしょうか。
『まんがで読む 源氏物語』
『まんがで読む 源氏物語』
小川陽子(監修)
七輝翼、くろにゃこ。、藤森カンナ(絵)
学研教育出版
1,000年以上も前に書かれた、日本の古典のなかで最も有名で、長く読み継がれている長編恋愛小説『源氏物語』。
意訳・翻案小説などが多数存在し、映画やドラマなどの映像作品も多く作られている名作中の名作です。
『源氏物語』は、文字数にすると100万文字を超えるという大作。登場人物も数多く、その複雑な相関関係に混乱したことのある方もいるかもしれません。
そんな『源氏物語』を、200ページあまりの学習マンガにしたのが本書です。
省略されている部分もありますが、ほぼ全体を網羅してあり、時代背景についての解説も加えられるなど、初めて『源氏物語』に接するという方にぴったりの内容になっています。
いまどきの少女漫画のようで、小中学生にも親しみやすい作品です!
『あさきゆめみし』
『あさきゆめみし』
大和和紀(著)、講談社
もうひとつ『源氏物語』を学ぶのにぴったりな作品としてご紹介したいのが、大和和紀氏による『あさきゆめみし』です。
『源氏物語』の漫画化作品としては、原作に最も忠実と言われています。
もともとは1979年に少女漫画雑誌「mimi」、のちに「mimi Excellent」で1990年代前半まで連載されました。親子2代で読んでいるという方も多く、長く愛されている作品です。
この漫画を読めば、『源氏物語』の話の流れを理解できること間違いなしです! 受験勉強にもぴったりの作品となっていますよ。
「楽しむ」ことはもちろん、「学ぶ」という意味でも傑作と言える作品です。
古典を学ぶなら漫画が最適!
長く読み継がれている名作だからこその古典作品です。
学習の目的や、自分に合うかどうかを見極めた上で選べば、とっつきにくいと思っていた古典でも「本当は面白いんだ」と感じ、自分の世界が広がるかもしれません。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
今回ご紹介した漫画作品
『愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記』
ふわこういちろう(著)、戸谷学(監修)、講談社
『レッツ!! 古事記』
五月女ケイ子(著)、ポプラ社ほか
『マンガ 老荘の思想』
蔡志忠(著)、和田武司(訳)、講談社
『まんがで読む 源氏物語』
小川陽子(監修)、七輝翼、くろにゃこ。、藤森カンナ(絵)
学研教育出版
『あさきゆめみし』
大和和紀(著)、講談社
『源氏物語』をより深く学びたい、理解したいあなたに!