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作家が書いた「読書本」おすすめ5選|読書術は作家に学ぼう!


更新日:2016/8/15

作家が書いた「読書本」おすすめ5選

読書をもっと楽しみたいと思ったとき、読書術の本を読むのはとても参考になるものです。特にそれが自分のお気に入りの作家であれば、まるで作家の頭の中を覗くようで面白いもの。

ここでは、「読書術を身に付けたい」「作家がどんな本を読んでいるか気になる」という方のために、作家の書いた読書術の本をご紹介します。

 

又吉直樹が語る「本」とは――
『夜を乗り越える』

『夜を乗り越える』表紙

夜を乗り越える
又吉直樹(著)、小学館

『火花』でお笑い芸人として初めて芥川賞を受賞したピースの又吉直樹さんが、文学に出会い、小説を書き始めるまでのいきさつや本の魅力とは何かについて語ったエッセイです。

又吉さんは、芥川龍之介の『トロッコ』で描かれる子供の葛藤や、太宰治の『人間失格』で笑いを取るためにわざと失敗したことを見抜かれる竹一の姿に、小学生時代の自分を重ね合わせたと言います。

本を読むことは、自分自身の欠陥だと思っていた部分を認めることであり、「みんな悩み苦しんでいる」と知ることでもあったという又吉さん。

辛く苦しい「夜を乗り越える」ために、本がどれほど助けになるか。そんなことを堅苦しくない言葉で伝えてくれる1冊です。

 

どうせ読むならおもしろく!
『喰らう読書術』

『喰らう読書術 一番おもしろい本の読み方』表紙

喰らう読書術 一番おもしろい本の読み方
荒俣宏(著)、ワニブックス

“知の巨人”とも呼ばれている著者・荒俣さんが、「一番おもしろい本の読み方」を指南する本です。

読書は「精神の食事である」と論じ、「本は全部読む」「自腹で買う」「目から鱗が落ちる本を選べ」「クズ本にも価値がある」などをポイントとして挙げている本書。

「この本を読まねばならない」と言われると押し付けに感じてしまいがちですが、そこを乗り越えることによって展望が開け、世界を概観する力を得ることができます。
これにより、知的昂奮をおぼえる、より楽しい読書体験ができるようになっていくのです。

考古学から始まり、アダルト本やコミックなどにも広がっていく著者の視点の広さに驚かされます。読書の楽しさ、知識を得ることの楽しさを教えてくれる1冊です。

 

本に人生を捧げた著者ならではの読書術
『本の運命』

『本の運命』表紙

本の運命
井上ひさし(著)、文藝春秋

作家・井上ひさしさんが、自らの生い立ちを振り返り、自分と本との関わりを綴りながら、独自の読書術を展開していきます。

本を買いすぎて、ある日仕事部屋の床が抜けたという井上さん。
それだけの本を選び、読んできた経験に裏打ちされた読書術は、「自分で索引をつくる」「ゆっくり読むと、早く読める」「事典はバラバラにする」など、常識にとらわれないものばかりです。

また、「子どもを本好きにするには」と題された第6章。子どもの本離れは大人の側の問題だと断じ、感想文の廃止や、子どものための図書館をつくることなどを提言しています。

読書についてのたくさんの知見が得られると同時に、井上ひさしさんの半生も面白く、本に人生を捧げた著者の生き様が見えるようです。

 

ヘッセが語る、読書の楽しみ方
『ヘッセの読書術』

『ヘッセの読書術』表紙

ヘッセの読書術
ヘルマン・ヘッセ(著)、草思社

『車輪の下』などの代表作を発表しているドイツの作家・ヘルマン・ヘッセが、読書や本について書いたエッセイをまとめた本。13篇のエッセイが執筆年代順にまとめられています。

ヘッセは、たいへんな読書家であったようで、幼い頃から祖父の蔵書である世界の文学を読みあさる少年だったようです。

ヘッセは、「教養」とは精神と情緒を完成させるための努力であり、その努力自体が価値のあるものであるといいます。
そしてその努力は、生きる能力と幸福になる能力を豊かにすることができるものであるとも語っていました。

読書がいかに人生を豊かにし、感受性を磨いてくれるかということを気づかせてくれる1冊です。

 

アンチ速読術とは!?
『本の読み方 スロー・リーディングの実践』

『本の読み方 スロー・リーディングの実践』表紙

本の読み方 スロー・リーディングの実践
平野啓一郎(著)、PHP研究所

『日蝕』で芥川賞を受賞した小説家・平野啓一郎さんによる読書術の本。この本では「アンチ速読」を掲げ、「スロー・リーディング」を実践する方法について詳しく解説されています。

平野さんは、速読が「明日のための読書」である一方、「スロー・リーディング」は「5年後、10年後のための読書」であると書いています。
「遅読」とは「知読」であり、大事なことは、「作者の意図」について深く考えを巡らし、主体的に考えるということなのです。

後半では夏目漱石の『こころ』や、森鴎外の『高瀬舟』など、文学や小説を読む実例を通して「スロー・リーディング」の具体的な方法を解説しています。

一貫して実践的な内容になっており、どんなところに注目して読むべきかがわかりやすいです。特に文学や小説を読む力を養いたい方におすすめです。

 

読書術を学ぼう!

作家が書いた読書術の本を読むと、いかに読書が人生に大きな影響をあたえるかということに気付かされます。

本を愛し、本に人生をかけている人だからこそ語ることのできる読書術。その知恵を学ぶことによって、豊かな読書ができるようになっていくことでしょう。

 

今回は作家から読書術を学びましたが、自分で実践できる方法もあります。
こちらも参考にしてみてくださいね!