辻村深月『朝が来る』あらすじ|2人の母親と親子の絆を描く
更新日:2019/9/24
『朝が来る』
辻村深月(著)、文藝春秋
辻村深月さんの描く社会派ミステリー『朝が来る』。
2016年に安田成美さん主演で連続ドラマ化、2020年には映画化も決定しています。
ここでは、そんな『朝が来る』のあらすじや魅力に迫っていきます。
『朝が来る』あらすじ
栗原佐都子は、夫と、6歳になる息子の朝斗と平穏に暮らす主婦だ。
そんな佐都子のもとに、ある日不審な電話がかかってくる。
電話口の女性は、息子を返してほしいと佐都子に言う。女性が名乗った「片倉ひかり」という名は、間違いなく息子の生みの母親の名前だった――。
『朝が来る』登場人物
栗原佐都子
不妊治療を断念し、朝斗を養子として迎える。
片倉ひかり
14歳のときに朝斗を出産するが、その後特別養子に出す。
栗原清和
佐都子の夫。無精子症だった。
栗原朝斗
佐都子と清和が迎えた養子。生みの親はひかり。
2人の母親に、朝はやって来るのか……
「特別養子縁組」によって朝斗の育ての母となった佐都子と、生まれたばかりの子供を手放さなければならなくなったひかり。
トンネルを抜けた女性と、長いトンネルから抜け出せない女性の6年間。それらを通して、2人の母の葛藤と、親子の絆を描いた感動作です。
「特別養子縁組」は、一般的に知られる「普通養子縁組」の制度とは異なります。特別養子縁組した場合、初認された時点で実親との関係は完全に消滅するのです。
実親と養親とが対面することも、実親が実子に面会することも基本的に許されていません……。
それにもかかわらず、栗原家の前に姿を現したひかり。現実を受け入れひかりと向き合おうとした佐都子でしたが、そこには思ってもみない展開が待ち受けていました。
さまざまな事実が、ひかりの半生を通して明らかになっていきます。
果たして、栗原家とひかりに朝はやって来るのでしょうか? 親子の絆や家族の在り方についても考えさせられる感動の長編です。
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今回ご紹介した書籍
『朝が来る』
辻村深月(著)、文藝春秋