現実逃避をしたい人におすすめ! 本の世界にどっぷり浸れる小説10選
仕事や人間に関係のさまざまな悩みに、疲れが溜まることってありますよね。ストレスと無縁の方なんて、ほとんどいないと思います。
「もうこんな現実は嫌だ!」と思ったときは、小説の世界にドップリ浸って現実逃避をするのもおすすめです。
夢中になって読んでいるうちに、時間の経過も忘れてしまいますよ。
ここでは、現実逃避するのにおすすめの小説を、ファンタジーを中心に10作品ご紹介します。
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
村上春樹(著)、新潮社
村上春樹さんの作品のなかでも、特にファンタジー要素が強いのが『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』。
表題にある2つの世界の物語が交互に語られていき、特に「世界の終わり」の方はファンタジー色が濃く、幻想的な雰囲気が魅力を放ちます。
世界設定はなかなか複雑ですが、そこはさすが村上作品! 驚くほどスイスイ読むことができます。
本作は村上春樹さん初めての書き下ろし長編小説であり、自身の自伝的な作品とも位置付けている作品です。村上ワールドにまだ触れたことがない方にもおすすめですよ。
『かもめ食堂』
『かもめ食堂』
群ようこ(著)、幻冬舎
フィンランドのヘルシンキ。日本人女性のサチエが店主を務める「かもめ食堂」を舞台とした小説です。
小林聡美さん主演の映画を見たことがある方も多いかもしれません。
小説全体がゆったりとした雰囲気に満ちています。淡々とのんびりと流れていく日常の中で、サチエが少しずつヘルシンキの人たちに受け入れられていく様子が描かれます。
読んでいると、「こんな風に無理をせず自分らしく生きていけたらなぁ」なんてちょっと憧れちゃいます。
群ようこさんのほどよく力の抜けた文体はとても読みやすいです。
『いま、会いにゆきます』
『いま、会いにゆきます』
市村拓司(著)、小学館ほか
泣ける小説をお探しの方におすすめ! 夫婦の愛や親子の絆を描いた、切ないながらも温かみのある小説です。
妻を亡くし、巧は息子の裕司と2人で生活していました。ところが梅雨に入ったある日、2人の前に亡くなったはずの妻・澪が現れ、3人での生活が始まるのです。
愛とは何か? 明確な答えがなくとも、この本の中にはそれがつまっています。物語全体が、愛する人へ寄せる温かく優しい気持ちが表れているんです。
ファンタジーだからこそ叶えられる奇跡ではありますが、大切な人に伝えたい言葉は躊躇せずに伝えていこうと思える作品でした。
『これは王国のかぎ』
『これは王国のかぎ』
荻原規子(著)、KADOKAWAほか
ごく普通の少女ヒロミが、失恋をきっかけにアラビアンナイトの世界へ入り込み大冒険を繰り広げます。
アラビアンナイトの世界に入り込んだのだから、ヒロミはお姫様にでもなるのか……と思いきや、ランプの魔人である「ジン」になってしまうんです!
最初は魔法の力を手をうまく使いこなせないヒロミですが、徐々にさまざまな能力を身につけ成長していきます。
一見子供向け?と思うかもいるかもしれませんが、大人だって十分に楽しめる一冊です。
『星を継ぐもの』
『星を継ぐもの』
ジェイムズ・P・ホーガン(著)、池央耿(訳)
東京創元社
あるとき月面調査員が発見した死体が、死後5万年経過していることが分かります。人類とのつながりが注目されるなか、木星の衛星では地球で製造されたものではない宇宙船が発見されて……!?
SF界きっての名作と呼ばれる作品『星を継ぐもの』。本格的なミステリー作品でもあります。壮大な宇宙に秘められた謎に対し、現代科学を用いて解き明かしていく人類の姿が描かれます。
謎がひとつ解かれてはまた別の謎が生まれ……、息つく間もありません!
人間関係や感情の描写よりも、謎の解明に圧倒的なボリュームが割り当てられているのも特徴的。科学がちょっと面白く感じられますよ!
『モモ』
『モモ』
ミヒャエル・エンデ(作)、大島かおり(訳)
岩波書店
誰もが一度は名前を聞いたことがあるであろう、ミヒャエル・エンデの傑作冒険小説『モモ』。
灰色の男たちのせいで、徐々に人々の時間が奪われていってしまいます。
円形劇場に住む少女モモ。人々の奪われた時間を取り戻すため、亀のカシオペイアらとともに奮闘します。
「時間」とは何か。現代で忙しくしている私たちが、改めて考えるべきテーマではないでしょうか。この作品を読むと、どれだけ自分に余裕がなかったかを思い知らされます。
ファンタジー作品として非常に面白いのはもちろん、時間の使い方も考えさせてくれるお話です。
『オーデュボンの祈り』
『オーデュボンの祈り』
伊坂幸太郎(著)、新潮社
ベストセラー作家・伊坂幸太郎さんのデビュー作です。
「荻島」という地図に掲載されていない島へ連れてこられた伊藤。外界と交流が全くないその孤島には、不思議なことばかりが溢れています。
未来予知をするカカシ、殺人が許可されている男など、普通では考えられないものがごく自然に存在。ある日、カカシが何者かに殺されたことで、物語は大きく動き始めます。
ミステリーとファンタジーが混じった独特の魅力がある本作。現実を忘れるほど、物語に入り込める小説です。
『逃げ道』
『逃げ道』
フランソワーズ・サガン(著)、河野真理子(訳)
新潮社
タイトルからして現実逃避をイメージさせる一冊。人気小説家であったフランソワーズ・サガンが、自信の力を思う存分発揮した作品としても知られています。
時は1940年。戦時下のフランスでパリから逃げてきた上流階級の4人組が、中部の農村にやってきたことで起こる人間関係を描いた作品です。
上流階級の悲喜こもごもの物語。人生が思わぬ方向に行ってしまい、人間の動物的な本能が徐々にむき出しになっていきます。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
フィリップ・K・ディック(著)、浅倉久志(訳)
早川書房
80年代にカルト的な人気を集めた映画『ブレードランナー』の原作小説です。
生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴となった地球が舞台。賞金稼ぎである主人公リックに、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドを処理する任務が与えられます。
アンドロイドと関わる中で「人間とは何か」を考えさせられる作品です。読みやすいのでSF初心者にもおすすめ!
ナルニア国ものがたりシリーズ『ライオンと魔女』
『ライオンと魔女 ナルニア国物語』
C.S.ルイス(著)、瀬田貞二(訳)、岩波書店
全7巻に及ぶ、言わずと知れた傑作ファンタジー作品。
ある古い屋敷を訪れた4人兄弟が大きな衣装ダンスに入ると、そこは別世界でした。雪が降り積もるナルニア国で繰り広げる冒険は、まさにファンタジー小説の王道です。
数々の動物たちとの出会いや魔法も魅力的な小説。『指輪物語』や「ハリー・ポッター」シリーズが好きな方にもおすすめです。
あなたにピッタリのタイプはどれ?
本の世界に没頭できる小説をご紹介しました。
SF・ファンタジー・ミステリー・ラブロマンスなど、現実逃避におすすめの小説は色々あります。その日の気分によって変えるのも良いですね。
逃避に夢中になりすぎて、現実がおろそかにならないように注意してくださいね!
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