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「ワイン」にまつわる小説を読んで、ちょっぴり贅沢な気分に。


更新日:2017/8/18

「ワイン」にまつわる小説を読んで、ちょっぴり贅沢な気分に。

何気ない一日を、ちょっぴり贅沢なものに変えてくれるワイン。

至極の料理と共に味わうことを一般的に「マリアージュ」と呼びますが、実は読書とワインもよく合うことをご存知でしょうか。

 

今回はワインにまつわる小説を揃えました。

ワインと共に、贅沢なひとときをお過ごしください。

 

謎解きしながらお腹が空く!?

『ヴァン・ショーをあなたに』表紙

ヴァン・ショーをあなたに
近藤史恵(著)、東京創元社

下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マル。フランスの田舎で修業した変人シェフの三舟さんは、実は客たちの持ち込む不可解な謎をあざやかに解く名探偵。田上家のスキレットはなぜすぐ錆びる?ブイヤベース・ファンの女性客の正体は?ミリアムおばあちゃんが夢のように美味しいヴァン・ショーを作らなくなったわけは?シェフの修業時代も知ることができる魅惑の一冊。(表紙裏)

絶品料理とワイン、極上の謎解きが描かれたソフトミステリー。

舞台は、下町にあるビストロ・パ・マル。カウンター7席、テーブル5つの小さなフレンチレストランです。

そこで働く三舟シェフは、客の不思議な事件や不可解な出来事の謎を解いていくのですが……?

ちなみに、タイトルの『ヴァン・ショー』というのは、赤ワインにスパイスを入れたホットワインのこと。フレンチの薀蓄も多く、夢中になって読んでしまう作品となっています。

 

女子高生たちの、ワインへの情熱!

『ワインガールズ』表紙

ワインガールズ
松山三四六(著)、ポプラ社

長野県塩尻市・桔梗ヶ原学園。生徒たちがブドウ栽培からワインを瓶詰めにする工程までを実際に手がける、全国でも珍しい「ワイン醸造」を学べる高校だ。北村いちる・百瀬結生子・奥沢美麓の三人の少女は、それぞれに抱える事情のため、ワイン醸造を学ぶ決意をする。三人は、ときには激しくぶつかりあい、ときには支えあい、挫折をくりかえしながら、ひたすらワインづくりに没頭していく。そんなワインガールズたちの情熱が、やがて「奇跡のワイン」を生み出すことになる…。(帯)

実在する高校をモデルにした、ワイン作りにまつわる青春小説。

葡萄の作り方、ワインの作り方、ワインの歴史……ワイン初心者がワインを勉強するには最適といえる1冊ではないでしょうか。私は本書で、戦争とワインの関係について初めて知りました。ワインが兵器になるとは……。

また、女子高生たちのワインへの情熱は心に響くものがあります。このような背景を知った上でワインを飲むと、さらにワインが美味しく感じられることでしょう。

 

大人の色香を感じる作品

『ワイン一杯だけの真実』表紙

ワイン一杯だけの真実
村上龍(著)、幻冬舎

複雑さと錯乱の快楽そのもののようなラ・ターシュ。セックス以外では癒せない夜に味わうシャトー・マルゴーの香り。非常に切なく非常に幸福な幼い時期を蘇らせたモンラッシェ―。女たちが八本の宝石のような名酒からひき起こす怖いまでに美しい官能を、驚異的な筆致で描いた極めつけのワイン小説集。(表紙裏)

ワインをテーマにした官能的な短編集。

さすがの村上龍さんと言わざるを得ないその筆致は、読者を甘美な世界へ誘い、魅惑します。本を読んでいるだけなのに、不思議とワインを飲んだかのように、酔ってしまうのです。

なお、本書では、オーパス・ワン、シャトー・マルゴー、ラ・ターシュなど、有名なワインが登場します。贅沢な気持ちになりたいときにぜひワインと一緒に愉しんでください。

ワインの評論家・ソムリエとして知られる田崎真也さんの解説が、本書をますます素晴らしいものとしていますよ。

 

美味しいワイン×殺人事件

『おいしいワインに殺意をそえて』表紙

おいしいワインに殺意をそえて
スコット・ミシェル(著)、早川書房

売れない女優のニッキィはレストランで働いて生計を立てていた。そこにある日、客として現われたのはデリック・マルヴォー、名門ワイナリーの若き敏腕オーナーだった。ニッキィのワインの知識を見込んだ彼は、自分の補佐役として働かないかと誘ってくる。迷いながらもワイナリーの見学に訪れたニッキィだが、到着早々、ワイン職人の他殺体を発見してしまう。この美しいナパ・ヴァレーで、いったい誰が何のために?ニッキィは自分なりに真相を探りはじめるが…。ワインと絶品グルメが満載、思わず乾杯したくなるコージー・ミステリ。(表紙裏)

ワイナリーが舞台となったコージー・ミステリー。

ワインやグルメの美味しそうな描写や薀蓄、ワイナリーの経営の裏側など、ワイン好きにはたまらないミステリー小説です。

ロマンス色が強く、胸をときめかせながら読むことができるのも本書の魅力ではないでしょうか。

ワインに合うレシピも掲載されているので、興味のある方はぜひ作ってみてください。

 

ぶどうも人も、1人では生きられない

『ぶどうのなみだ』表紙

ぶどうのなみだ
三島有紀子(著)、パルコ

北海道のソラチという町で、ワイン作りにすべてをかける兄アオと、地に足をつけ麦を育てる弟ロク。そこに旅を続ける女性エリカがやってくる。「幸福」を大切にするエリカの生き方は、兄弟の静かな生活に新しい風を起こす。生きていくために本当に大切なものは何か?様々な“なみだ”が心を捉える物語。(表紙裏)

北海道でワインを作っている兄弟と1人の女性をめぐる人間ドラマ。

北海道の大自然、パン、ワイン、美しい描写に心を打たれ、ロハスな暮らしを羨ましく思い、過去に傷を負った3人が淡々と再生して行く様に心が動かされます。

本書を読むと、作中に出てくるピノ・ノワールが無性に飲みたくなります。

なお、大泉洋さん主演で映画化もされていますよ。

 

ワインと小説のマリアージュ

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ワインにまつわる物語をご紹介しました。

ぜひ『マリアージュ』を体験してみてくださいね。

【おすすめ記事】ビールが飲みたくなる、ほろよい小説&エッセイ

 

今回ご紹介した書籍

ヴァン・ショーをあなたに
近藤史恵(著)、東京創元社

ワインガールズ
松山三四六(著)、ポプラ社

ワイン一杯だけの真実
村上龍(著)、幻冬舎

おいしいワインに殺意をそえて
スコット・ミシェル(著)、早川書房

ぶどうのなみだ
三島有紀子(著)、パルコ