あなたは読める? 最恐!夏に読みたいホラー小説
更新日:2017/7/18
怖いから読みたくないと思いつつ、なぜか惹きつけられてしまうのが、ホラー小説。
幅広いジャンルから、最恐のものを集めました。暑い夏にひんやり愉しんでください。
人が突然正気を失う瞬間とは。
『独白するユニバーサル横メルカトル』
平山夢明(著)、光文社
このミステリーがすごい!(2007年)1位、日本推理作家協会賞受賞作品。
平山夢明さんといえば、日本ホラー小説の第一人者として有名ですが、本書は特にファンの間で支持されている1冊。拷問や人肉を食べる描写など、あまりに残虐でグロテスクな世界観が拡がっている作品となっています。
そのため、軽い気持ちで読んではいけない作品となっており、容易くおすすめとは言えませんが、スプラッターものが好きな方には気に入っていただけると思います。
いないはずなのに、聞こえる声。
『残穢』
小野不由美(著)、新潮社
「十二国記シリーズ」で有名な小野さんが描くホラー小説。山本周五郎賞作品。「本自体を手元に置いておきたくない」と、山本周五郎賞の選考委員・石田衣良さんが言うほど、とにかく怖い1冊。
フィクションかノンフィクションか分からないほどのリアリティのある表現なので、もし自分がこうなったら……と否が応でも考えさせられてしまうのが、本書の最も怖い部分ではないでしょうか。
登場人物たちのように、不可抗力によって「穢れ」に感染してしまったら……と。
なお、竹内結子さん主演で映画化もされています。
グロくて痛い。
『粘膜人間』
飴村行(著)、角川書店
日本ホラー小説大賞長編賞、日本推理作家協会賞、このミステリーがすごい!(2010年)6位作品。暴力的でグロテスクな、いわゆる「エログロ」作品を読みたい方におすすめの1冊です。
河童が普通に登場する荒唐無稽な世界観、残虐な描写、粘膜のドロドログチャグチャ感が、読んでいて気持ち悪いです……。
本書は「粘膜シリーズ」の第1作。気に入った方は他の作品も読んでみてください。
背中がゾクッとする怖さ在り。
『ぼっけえ きょうてえ』
岩井志麻子(著)、角川書店
日本ホラー小説大賞受賞、山本周五郎賞作品。
タイトルの「ぼっけえ、きょうてえ」とは、岡山地方の方言で、「とても、怖い」の意味なのだとか。背筋がぞわっとする恐い話を読みたい方や、怪談話がお好きな方におすすめの1冊です。
岡山弁の女郎の語りで進む民俗的小説という観点は、大変珍しく、類い稀な世界観を味わうことができます。
とにかく不気味な作品ですが、日本画家の甲斐庄楠音さんの絵がさらに恐怖を掻き立てます。
身近にありそうな恐怖。
『赫眼』
三津田信三(著)、光文社
このミステリーがすごい!、本格ミステリ大賞といったミステリ・ランキングの常連であり、ホラーミステリーの名手である三津田信三さんの作品。
十二編が収録された短編集かつ、バラエティ豊かな短編が収録されているので、ちょこっとホラー小説が読みたい時や、ホラー小説初心者の方におすすめの1冊です。
背筋がゾクゾクする怖面白ミステリー。赤い背景に佇む少女の表紙も怖く、手元に置いておくのを躊躇してしまうほどです……。
夏だからこそホラー小説を愉しもう
今回紹介した作品は、背筋が凍る作品ばかり。暑い夏にぜひ読んでみてください。
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今回ご紹介した書籍
『独白するユニバーサル横メルカトル』
平山夢明(著)、光文社
『残穢』
小野不由美(著)、新潮社
『粘膜人間』
飴村行(著)、角川書店
『ぼっけえ きょうてえ』
岩井志麻子(著)、角川書店
『赫眼』
三津田信三(著)、光文社