スイーツがテーマの小説・本|読むだけで甘い香りが漂ってくる!
更新日:2017/7/15
今日は頑張ったなぁと感じる時や、ちょっと一息つきたい時など、無性にスイーツが食べたくなる瞬間ってありますよね。
今日紹介するのは「スイーツをテーマにした本」。
読むだけで甘い香りが漂ってくるような、とっておきの作品たちを揃えました。
作家の中の、ドーナツ好きが集まった!
『なんたってドーナツ 美味しくて不思議な41の話』
早川茉莉(編)、筑摩書房
「ドーナツの思い出」「ドーナツの時間」「ドーナツの穴」「ドーナツの作り方」「ドーナツの物語」の5章から構成されるアンソロジー。
収録されているのは、村上春樹さん、角野栄子さん、いしいしんじさん、俵万智さん、江國香織さん、堀江敏幸さん、松浦弥太郎さん、北原白秋さんなど、錚々たる面々。全員に共通しているのが「ドーナツ好き」であること。
ドーナツの穴が哲学的であること、いろんな食べ方……ドーナツって奥が深いんですね。
母の味という視点から描かれた作品も多く、読むだけで幸せな気持ちになります。
気付くとケーキが食べたくなる……!
『ラ・パティスリー』
上田早夕里(著)、角川春樹事務所
坂の上に建っている洋菓子店「ロワゾ・ドール」を舞台にした、甘くほろ苦いパティシエ小説。
本書の特徴はなんといっても、ケーキや焼き菓子の描写がピカイチであること。「読むとスイーツを食べたくなる」というよりも「まるでスイーツを食べている」ような錯覚に陥るほどの鮮烈な描写には驚きました。
パティシエの世界の厳しさや経営事情など、シビアな面も忠実に描かれており、薀蓄という観点からも楽しめる1冊です。
豪華メンバーが贈る、和菓子がテーマのアンソロジー
『和菓子のアンソロジー』
坂木司・小川一水ほか(著)、光文社
「和菓子をモチーフに忘れがたい作品を」という坂木司さんのリクエストによって実現したアンソロジー。
坂木司さんの作品に加え、小川一水さん、木地雅映子さん、北村薫さん、近藤史恵さん、柴田よしきさん、日明恩さん、恒川光太郎さん、畠中恵さん、牧野修さんの作品が収録されています。
読むと和菓子が食べたくなるのはもちろんのこと、和菓子が「想像もつかない斬新な使われ方」をされているので読み応えは充分。
ミステリ、SFがお好きな方や、深い余韻に浸りたいときにおすすめの1冊です。
「3時のおやつ」の思い出ってありますか?
『3時のおやつ』
平松洋子・大島真寿美ほか(著)、ポプラ社
「おいしい記憶は永遠です」というテーマのもと構成されたアンソロジー。
絲山秋子さん、加藤千恵さん、平山夢明さん、万城目学さん、益田ミリさん、宮下奈都さん、森見登美彦さん、山崎ナオコーラさん、柚木麻子さんなど、人気作家によるエッセイが存分に楽しめます。
3時はちょっとした魔法の時間。一人一人違う「幸せなおやつの思い出」のエピソードは、読者をあたたかな気分にさせてくれます。『3時のおやつ ふたたび』も一緒にどうぞ。
お菓子にまつわる、著者の自伝的小説
『お菓子手帖』
長野まゆみ(著)、河出書房新社
スイーツ好きで知られる長野まゆみさんによる、昭和のスイーツにまつわるエッセイ風小説。
ママ・レンジ、ジューC、ハイクラウンチョコレート……1959年生まれの長野さんと同世代の方なら懐かしく感じることでしょう。
また世代が違っていても、チェルシーなど現在でも販売されているスイーツも取り上げられているので面白く感じるはず。昭和の情景にタイムトリップしたような不思議な感覚を味わうことができます。
ティールームへの憧れや、薄給なのに奮発して贅沢なスイーツを楽しむなど、スイーツ好きの方なら共感できる部分もたくさん。表紙の可愛さは、スイーツ同様に芸術品ですよ。
スイーツにまつわる読書体験を
スイーツを食べながら読むのもよし、はたまたスイーツ代わりに作品を味わうのもよし。ぜひ愉しんでくださいね。
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今回ご紹介した書籍
『なんたってドーナツ 美味しくて不思議な41の話』
早川茉莉(編)、筑摩書房
『ラ・パティスリー』
上田早夕里(著)、角川春樹事務所
『和菓子のアンソロジー』
坂木司・小川一水ほか(著)、光文社
『3時のおやつ』
平松洋子・大島真寿美ほか(著)、ポプラ社
『お菓子手帖』
長野まゆみ(著)、河出書房新社