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怖いだけが怪談じゃない!唯川恵著『逢魔』がおすすめ。


20170506-ouma1逢魔
唯川恵(著)
新潮社
発売日:2014/11/01

 

 

あらすじ・本内容

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源氏物語に番町皿屋敷、四谷怪談など、誰しも一つは耳にしたことがあるであろう日本の古典。
身分違いの旗本の娘に恋をした男の話に、百姓の娘から旗本の側室となった女の話など、より官能的な文学となって現代によみがえる。

 

「時代物の恋愛を描くことで幅が広がった」

これまで数々の女性を主軸にした作品を世に生み出してきた、著者の唯川恵さん。
現代の女性を取り巻く状況など現代的な恋愛を描くことに窮屈さを感じていたことから、恋愛を思いのままに描ける時代物に至ったと言います。
本書の特徴として見られるのは、エロスな表現がより多岐に渡っていること。著者の唯川さんも、本書でのさまざまな艶のある表現について、現代とは違い、時代ごと、地域ごとにさまざまな呼び方があって、表現の幅が広がると語っています。
官能小説ではあるものの、豊かな表現が文学作品としての美しさを感じさせる一冊です。

 

古典の怪談を中心に描かれる、さまざまな恋愛模様

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実際に本書を手にした読者からは、時代物ではあるがサラッと読めたという意見や、古典だけでなく著者の唯川さんらしさを感じられる作品だったという意見が寄せられています。
さらに本書の内容に関しては、男女の美しくも恐ろしい愛憎、予備知識がなくても斬新な内容が楽しめた、なんとなく現代に通じるようなところがあったという評価する意見も多く見られる作品です。

タイトルに”逢魔”という、人の世界だけででなく、異形の世界に通じるような言葉が使われているように、本書は古典の怪談を中心に描かれています。
男女のエロスな世界だけでなく、古典のホラーを楽しみたい方にもおすすめの一冊です。

 

今回ご紹介した書籍
逢魔
唯川恵(著)、新潮社

 

ご紹介した『逢魔』は、古典の怪談をもとに男女の恋愛を官能的に描いた作品でした。
では!次に、怪談に出てくる妖怪を描いた画家に目を向けてみませんか?
これがとってもかっこいいんです!