名作絵本「あらしのよるに」シリーズのあらすじ・魅力
更新日:2019/12/3
木村裕一さんと、あべ弘士さんの手掛けた絵本『あらしのよるに』。1994年にシリーズ1作目が発売されて以降、講談社出版文化賞 絵本賞など、多くの賞を受賞している作品です。
2005年にはアニメ映画化され、日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞を受賞したことでも話題となりました。
さらに2015年には、映画でガブの声を担当した中村獅童さん主演で歌舞伎舞台化。今もなお愛されている名作です。
ここでは、そんな『あらしのよるに』がどんな作品なのか? シリーズそれぞれのあらすじやその魅力に迫っていきます。
1作目『あらしのよるに』あらすじ
ある嵐の夜に、雨風を避けるため、オオカミとヤギが壊れかけた山小屋に逃げ込みます。
真っ暗闇の中、風邪をひいていて鼻が利かない2匹。
身を寄せるうちに、「食べるもの」「食べられるもの」というお互い正体を知らないまま、そこには不思議な友情が生まれて――。
本来一緒にはいられない肉食動物のオオカミと、草食動物のヤギ。そんな2匹が、お互いの正体を知らぬまま出会い、友情を深めていきます。
『あらしのよるに』登場人物
ガブ
臆病者で雷が苦手な黒いオオカミ。メイと友達でいたいものの、「食べたい」と思う自分の欲求に悩んでいる。
メイ
おおらかでそそっかしい白いヤギ。ガブのことを友達だと信じている。
「あらしのよるに」シリーズ作品一覧
「あらしのよるに」シリーズ
木村裕一(著)、あべ弘士(絵)、講談社ほか
シリーズは全7作。その後新シリーズや派生作品も刊行されています。ここでは、シリーズ全7作のあらすじをまとめてご紹介します。
『あらしのよるに』
記念すべき第1作目。ガブとメイの出会いが描かれます。
『あるはれたひに』
あらしのよるの次の日、お互いの姿を見た2匹のお話。
『くものきれまに』
友達になった2匹が待ち合わせするお話。
『きりのなかで』
一緒に遊ぶ約束をした2匹。メイがガブ以外のオオカミに狙われていて……?
『どしゃぶりのひに』
ガブはオオカミの、メイはヤギの仲間たちから、お互いの悪い噂話を聞きます。
『ふぶきのあした』
それぞれの仲間たちの前から姿を消した2匹は「裏切り者」になってしまい……。
『まんげつのよるに』
「食べるもの」と「食べられるもの」。2匹の禁断の友情の行方は……?
「あらしのよるに」シリーズの魅力
1.真の友情に心打たれる!
お互いの正体を知らないまま友達となった2匹。
メイのことを食べたい食べたいと心で思い葛藤しながらも、友情を裏切りたくないと思い行動するガブ。
一方のメイも、のちに自分の母親がオオカミに殺されたことを知ることになりますが、それでもガブを裏切ることはできません。
お互いがお互いを信じているからこそ助け合い、お互いに相手を守ろうとする友情に心を打たれます。
2.ドキドキハラハラの展開が待っている!
「このあとどうなるの!?」「このままメイが食べられちゃうんじゃ!?」と、2匹の動物的な関係性から、物語にはハラハラの展開が待っています。
かみ合っているようで、実はかみ合っていない会話にもドキドキ……。すぐにでも続きを読みたくなってしまいます!
3.信念を曲げないことの素晴らしさが分かる!
お互いの仲間たちに相手の悪いところを噂されるガブとメイ。周りからなんと言われようと、それでも自分たちの信念のもと、友情を貫く2匹の姿に感動します。
普段の生活のなかで、「わたしこのままでいいのかな……」と不安になったときに、きっと勇気を与えてくれるはずです。
親子で読んでみよう!
「あらしのよるに」シリーズをご紹介しました。
大人がよんでも読みごたえがあります。ぜひ親子一緒に読んでくださいね。
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