和田竜『村上海賊の娘』あらすじ・内容|映像化も期待される話題作
更新日:2017/4/26
『村上海賊の娘』
和田竜(著)、新潮社
『のぼうの城』や『忍びの国』を執筆した和田竜さんの著書『村上海賊の娘』。
単行本が上下巻合わせて約1,000ページにもなる本作は週刊朝日「2013年 歴史・時代小説ベスト10」で第1位に選ばれました。
2014年には、第35回吉川英治文学新人賞、さらに第11回本屋大賞も受賞し話題となりました。
映像化も期待される本作はどんな物語なのか? 迫ります!
『村上海賊の娘』あらすじ
織田信長が西に勢力を伸ばし始めていた頃。信長の策で兵糧攻めの危機にあった本願寺は、海路での兵糧入れ支援を毛利家に願い出る。
兵糧入れの成否は、毛利家と臣従しており、友好関係にあった村上海賊に託されることに……。
織田信長と、本願寺の住職である顕如の抗争の最後。石山合戦を舞台に、村上水軍の棟梁である村上武吉の娘を描いた壮大なストーリーです。
海賊たちの戦いを見る
村上海賊とは、村上武吉が当主の、戦国最強の海賊と言われた水軍のこと。主人公である景(きょう)は、そんな村上武吉の娘です。
景は、海賊働きに明け暮れる荒々しい気性の持ち主。
作品では醜い容貌とされていますが、作品のなかで現代とは美的感覚が違うことも読み取れるため、想像力がかき立てられます。
景だけでなく、戦の迫力が印象深い魅力ある人物が次々と登場する楽しさも、戦国時代を舞台とした小説ならではです。
下巻では、いよいよ海賊たちの戦いの幕が切って落とされます。
半日に渡るすさまじい戦いは圧巻の一言。親子愛や友人、兵との絆も盛り込まれ、心を揺さぶられる時間も味わえますよ。
読後に現代の穏やかな瀬戸内海を眺める機会があったなら、本書を読む前にはなかった感慨にたっぷり浸ることができるでしょう。
今回紹介した書籍
『村上海賊の娘』
和田竜(著)、新潮社
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