【中学生向け】読書感想文におすすめの本『十五少年漂流記』
更新日:2016/7/22
『十五少年漂流記』
ジュール・ヴェルヌ(著)、角川書店ほか
中学生の読書率は、高校生と比べると低い傾向があるようです。
友人に紹介されたり、図書館に置いてあるものなどが読み始めやすいとは思いますが、読書感想文となると、やはりちょっと頭をひねってしまいますよね。
様々な選択肢がありますが、ここでは『十五少年漂流記』を読書感想文におすすめの本として紹介したいと思います。
長く愛されてきた名作
『十五少年漂流記』は、フランスのジュール・ヴェルヌによって書かれた作品です。原作の発表は1888年と、長い間愛されています。
少年たちの冒険の物語ですので、中学生時代にぜひ読んでおきたい1冊です。
登場する少年たちと年齢が近く感情移入しやすいうえに、文章も児童向けに読みやすく書かれています。
読書の習慣がない子でも、この言葉の意味がわからない、ということがあまりなく、集中力を維持したまま読み進めることができるはずです。
物語は、15人の少年が船の遭難によりまったく見知らぬ場所にたどり着いてしまうところから始まります。
誰もいない無人島だとわかったあとは、少年たちが自分たちで生きていくために住む場所や食べ物を見つけたり、道具を作ったりといった冒険が展開されます。
そんな中、仲間内での確執が描かれたり、謎の船が漂着したことによって大きく動く物語が綴られる作品です。
わかりやすく、読書感想文向き
中学生くらいの年代で読みやすい本といえばライトノベルのように娯楽性が高いものがありますが、学校に提出する感想文の題材としては何となく敬遠してしまいますよね。
ならば近代文学を、と張り切りたい気持ちもありますが、文体に慣れずに、読み進めることが難しいかもしれません。
その点で言えば、上手に翻訳された外国の作品は、表現が回りくどくなく、わりかしストレートなものが多いと思います。
また単語自体も難しいものは少なく、日常生活で使われているものが多い点が読みやすくおすすめです。
男女問わずに楽しめ、学べる内容
登場人物は少年たちがメインで、冒険小説という色が強いですが、ファンタジー色も含まれています。
舞台となる謎の島を冒険して切り開くというだけのものではなく、その中で、共同生活を通して生きていくにはどうすれば良いのか、というのもテーマの一つです。
仲間内での役割分担から代表選出の選挙、そして時には喧嘩もありますが、力任せに何かを解決するということはほとんどありません。
ハラハラドキドキの展開ばかりではなく、物語は静かながらも力強く、秩序立てられた流れで書き綴られています。
『十五少年漂流記』を読んでみて
『十五少年漂流記』は児童向けではありますが、大人になって読み返してみても新しい発見がある作品です。
勢いで読み進めるもよし、物語の展開を考えながら、じっくりと読み進めるのも楽しいかと思います。
読書感想文の本として読む際は、「どこかどう面白かったのか」という点と、「どの部分を読んで、それから何を得たのか」という点を意識しながら読み進めるのが重要になるかと思います。
長きに渡り多くの人々に愛されてきた作品がどのようなものなのか、中学生の柔軟な感性で感じてほしい名作です。
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今回ご紹介した書籍
『十五少年漂流記』
ジュール・ヴェルヌ(著)、角川書店ほか