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海外視点で日本を描くコミックエッセイ「外国人は日本をどう見てる?」


更新日:2019/10/29

海外視点で日本を描くコミックエッセイ「外国人は日本をどう見てる?」

ここ数年、有名な観光地へ行けばたくさんの外国人旅行客が、旅を楽しんでいる姿を見かけるようになりました。ビジネスや生活の場で外国人と接する機会も増えているのではないでしょうか。

では、そんな海外から日本に訪れた外国人の方々は、日本に対してどんな印象を持っているのでしょうか。

ここでは、「外国人から見た日本人」をテーマに、おすすめのコミックエッセイを紹介します。

日本に来た留学生を描いたコミックエッセイや、日本へ旅行に来た外国人によるノンフィクションなど、さまざまな視点から日本を見つめることができますよ。

 

『日本人の知らない日本語』

『日本人の知らない日本語』表紙

日本人の知らない日本語
蛇蔵、海野凪子(著)、KADOKAWA

著者は日本語教師の海野凪子さん。日本語教室に通う外国人留学生たちから受けるマニアックな質問や、彼らが引き起こす数々のハプニングを楽しく紹介しています。

生徒たちの出身国は多種多様。中国・韓国などの近隣の国から、フランス、アメリカ、ロシアなどの国々から集まってきています。

日本語教室なので、もちろん日本語を学ぶのですが、言語以外にも日本の文化や風習など、外国人たちがわからないことがたくさんあります。
「超難問」な質問には、先生も答えが分からなくて悩むこともあるようです。

外国人の素朴な疑問によって、日本語や日本の文化など、日本人があまり意識していなかったこと・日本人自身も知らなかった日本語の知識を身につけることができますよ。

 

『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』

『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』表紙

まんが アフリカ少年が日本で育った結果
星野ルネ(著)、毎日新聞出版

著者はカメルーンで生まれ、母親の再婚に伴い4歳から兵庫県姫路市で育った星野ルネさん。見た目は完全にアフリカ系ですが、カメルーンと日本両方の心を持ち合わせています。

この作品は、そんなカメルーンと日本の両国の目線を持つ星野さんが、自分の周りで起きたさまざまな日常を描いています。

日本では外国人=アメリカ&英語と思っている、といった日本人の偏った外国人像など、ハッとさせられることもありました。

カメルーンの親戚や星野家など、よりグローバルに星野ワールドが展開されていく「ファミリー編」もあわせてぜひ。星野さんの明るい性格に、すっかりファンになってしまいました。

 

『日本人でも知らない!? 外国人の大疑問』

『日本人でも知らない!? 外国人の大疑問』表紙

日本人でも知らない!? 外国人の大疑問
高橋陽子(著)、アルク

異文化交流が好きな漫画家、高橋陽子さんのコミックエッセイ。
行きつけの喫茶店で出会う日本語学校の学生との交流中に、彼女が質問されたこと、気づいたことなどをまとめた一冊です。

「電車で読書するとき、表紙にカバーをするのはなぜ?」
「『東京へ行く』と『東京に行く』の違いは?」

上記のような留学生たちの疑問は、日本人にとってはごく当たり前なことなので、いざ答えようとすると回答に詰まるものだらけです。
彼らの疑問にうまく答えられない高橋さんに、喫茶店のマスターや仕事仲間の編集者はいつも助け船を出してくれます。

この本をより一層楽しむために、ひとつひとつの疑問に対する自分なりの回答を考えながら読むのがおすすめ。
周囲の日本人に同じ疑問をして、反応を見てみたくなる一冊です。

 

『シンガポールのオタク漫画家、日本をめざす』

『シンガポールのオタク漫画家、日本をめざす』表紙

シンガポールのオタク漫画家、日本をめざす
フー・スウィ・チン(著)、KADOKAWA

シンガポール在住の漫画家フー・スウィ・チンさんのコミックエッセイ。
日本の漫画やアニメとの出会いや、日本の出版社への漫画持ち込みなど、漫画家独自の視点で日本について描いています。

この作品最大の魅力は、漫画から伝わる日本や漫画に対するフーさんの情熱。

異国の出版社への持ち込みは、漫画好きとはいえなかなかできることではありません。可愛らしい絵柄がフーさんの漫画の特徴ですが、それがかえって彼女の熱量を引き立てます。

この作品には、日本のことだけでなく、フーさんが暮らすシンガポールの日常についても描かれています。外国の方から見た日本だけでなく、あまり知らない海外の日常を知りたい方にもおすすめです。

 

『日本のことは、まんがとゲームで学びました。』

『日本のことは、まんがとゲームで学びました。』表紙

日本のことは、まんがとゲームで学びました。
ベンジャミン・ボアズ(原作)、青柳ちか(絵)、小学館

アメリカ人のベンジャミン・ボアズさんは、4歳で日本のゲームで遊んだことをきっかけに日本文化を好きになった1人。現在も都内で暮らしているそうです。

この作品では、ベンジャミンさんが日本好きになった経緯や、日本文化への疑問を漫画とエッセイで紹介。
アメコミとは異なる漫画表現から擬態語の多さまで、日本のポップカルチャーにまつわる内容が多く登場します。

この作品の魅力は、ベンジャミンさんの日本文化への愛情の深さ。
好きな漫画やゲームを日本語で楽しむため、日本語を教えてくれる先生を探し、ついにアメリカの高校で日本語クラスを創設します。

ベンジャミンさんがこよなく愛する日本の漫画やゲームも作中には多く登場。各作品を読んだことがある人なら、より楽しく読める一冊です。

 

『爆笑!クールジャパン』

『爆笑!クールジャパン えっ?外国人は日本をそう思っていたの…!?』表紙

爆笑!クールジャパン えっ?外国人は日本をそう思っていたの…!?
サンドラ・ヘフェリン(原作)、片桐了(絵)、アスコム

ドイツ人の父と日本人の母を持つサンドラ・ヘフェリンさんは、両国でそれぞれ約20年の在住経験があり、日本語もドイツ語もペラペラ。日独両方に精通しています。

この作品では、サンドラさんの友人の外国人たちが勘違いしている日本のことについて漫画でレポート。

「緑茶には砂糖をたっぷり入れる」「日本人は漢字を全部読める」など、日本人からすれば驚くものも少なくありません。
逆に「日本の結婚式はスピーチコンテスト」のように、言われた日本人が思わず納得してしまうものもあります。

内容は盛りだくさんですが、漫画の絵が見やすく、さらっと読めるのもこの作品のおすすめポイントです。

 

『フランス人ママ記者、東京で子育てする』

『フランス人ママ記者、東京で子育てする』表紙

フランス人ママ記者、東京で子育てする
西村・プペ・カリン(著)、石田みゆ(訳)、大和書房

著者の西村・プペ・カリンさんは、世界で最も歴史ある国際通信社に務めるフランス人記者。この作品は、日本人漫画家と結婚して日本で息子を出産、都内で育児に励む西村さんの日仏文化比較エッセイです。

この作品に登場する日仏比較のトピックは育児が中心。街中で見かける子供を乗せた自転車や、運動会がフランスにないなど、日本人にとって衝撃的な内容が続きます。

日仏両方の育児のいいところと悪いところを指摘しているこの作品。パリが赤ちゃん連れに優しくないことやフランスの嫁姑問題など、普段知る機会のないフランスについての記述は見どころです。

表紙や挿絵を描いてる夫のじゃんぽ~る西さんの著書と一緒に読むと、同じことに対する日仏両方の考えを知れて面白さが増します。

 

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』表紙

北欧女子オーサが見つけた日本の不思議
オーサ・イェークストロム(著)、KADOKAWA

スウェーデンから日本にやってきた北欧女子オーサ・イェークストロムさん。そんな彼女が日本で出会った不思議なもの、ことを綴る4コマエッセイ漫画です。

オーサさんは日本のアニメが大好きだったことから、ついに日本へ留学することになります。
日本で出会う異文化に驚いたり、戸惑ったり、楽しんだりする姿は、日本人から見ると新鮮な気持ちで読むことができるはずです。

本作は、外国人であるオーサさん自身が描いているところが特徴。実際の体験に基づいた率直な感想が描かれています。

日本の文化に驚いたり、慣れない和室住まいで失敗したりと、いろいろなハプニングもありますが、ネガティブに捉えることなく前向きに進んでいく姿勢には好感が持てます。

日本人にとっては「普通」のことも、外国人から見るとすごく特殊なことだったりするのだなあ、という驚きを得られる一冊です。

 

『「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!?』

「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!?
~ドイツ人が驚く日本の「日常」~

サンドラ・ヘフェリン(原作)、流水りんこ(漫画)
ベストセラーズ

ドイツと日本のハーフであるサンドラ・ヘフェリンさんと、その友人である流水りんこさんによる、ドイツと日本の文化の違いを面白く描いたコミックエッセイ。

タイトルだけ見ると、「え、「小顔」って、ドイツでは褒め言葉にならないの?」とびっくりしてしまいます。

 

本書によれば、「顔が小さい」というのはドイツでは褒め言葉としては受け取られないそうで、

「むしろ頭が小さいって「脳ミソが入ってないみたい」って意味ですから」(p.77)

なのだそうです。
美的感覚の違いというものなのだと思いますが、そんな風に誤解されてしまうのは驚きですよね。

 

この本では、ドイツ人と日本人の、友人との付き合い方に関する違いや、お金に対する価値観の違い、お酒文化の違い、仕事文化の違いなどを、軽い毒舌もまじえながらコミカルに解説しています。

日本人とドイツ人の違いを感じてみたり、逆に日本人とドイツ人の意外な共通点を見つけてみたりと、新しい驚きがたくさん詰まっていますよ。

 

『満員電車は観光地!?』

『満員電車は観光地!? ~世界が驚く日本の「日常」~』表紙

満員電車は観光地!? ~世界が驚く日本の「日常」~
サンドラ・ヘフェリン(原作)、流水りんこ(その他)、ベストセラーズ

ドイツ人のサンドラ・ヘフェリンさんが見た日本、日本人を描いたコミックエッセイ。

日本人にとって当たり前の「満員電車」、外国では珍しいものなんですね。
満員電車で暴動が起きない、普通外国でマスクをしているのは犯罪者だけなどなど、日本と外国のギャップが浮き彫りに。これらが非常にコミカルに描かれているため、クスッとしちゃいます。

ドイツだけでなく、多国籍ネタも満載。イランやアフガニスタンとの比較も非常に面白いです。

日本人のfacebookにはあるものの写真が多いそうなのですが、これが何か分かりますか? ぜひ作品を読んでみてくださいね。

 

外国人を通して「日本」を知る

普段自分たちが何気なく過ごしている日常が、外国人の目を通して見るととても新鮮に感じられるのではないかと思います。

文化や言葉の違いでお互いに誤解してしまったり、すれ違いが生じたりすることもありますよね。
しかし、こういったエッセイを読むことで、そんな誤解も楽しく前向きに解決できるようになるのではないでしょうか。

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